四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

おくのほそ道へ旅立ちました

2013-05-17 11:02:33 | 生かされて今日

 陽暦に換算して5月16日(元禄2年)、芭蕉翁が弟子の河合曽良を伴ないそれまで行ったことのない東北みちのくを目指して北上を開始されました。翁は46才、曽良は41才の二人連れの旅です。ほとんど知り合いがいないところの大旅行、命がけでの詩境研鑽の旅です。当時は皆健脚で一日十里、約40キロメートル、日本橋から戸塚までワラジで歩き通しました。足弱でも30キロメートルだそうです。信じられませんネ。

深川から舟に乗り千住へ上陸、最初の宿は草加と書いてあるが事実は曽良の几帳面な記録により春日部。「おくのほそ道」は全体がポエム・創作であり、紀行文のような正確な記録ではないのです。

芭蕉翁が岐阜県大垣での旅終了後5年間も推敲を重ねた名文の一部を音読して下さい。

『弥生も末の七日、明ぼのゝ空朧々として、月はありあけにて光おさまれるものから、不二の峰かすかにみえて、上野谷中の花の梢、又いつとはと心ぼそし。むつまじきかぎりは宵よりつどひて、舟に乗りて送る。千じゆと云ふ所にて船をあがれば、前途三千里のおもひ胸にふさがりて、まぼろしのちまたに離別の泪をそゝぐ。

   行春や鳥啼魚(とりなきうお)の目は泪

これを矢立の初めとして、行道なをすゝまず。人々は途中に立ちならびて、うしろかげのみゆる迄はと見送るなるべし』

 

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