四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

星野富弘美術館の感動(その2)

2011-11-01 14:49:34 | 生かされて今日
 星野さんが自作の詩を、口に支える筆でおおらかな字体で書き、植物の精緻な絵に添えて出展されています。私は詩を手帖に手早く書き残しましたのでご紹介します。
 再起不能の病棟で「なんで俺を産んだんだ」と、自暴自棄でお母さんを苦しめていた絶望の底から、字を口筆で書こうとしたきっかけは、同じ病床にいた少年を励ましたいという一念だったのです。
他人に役立ちたいという尊い心が、口筆で字を書くことが可能となり、精緻な絵を描くまでに回復させたそうです。並の努力ではなかったでしょう。私のような自分の為だけに生きる凡人には到底真似が出来ません。他人に尽くすこと、利他を目標にすれば、かえって自分の学問や技能文芸を深めることが出来るのですね。


「よろこびが集まったよりも 悲しみが集まったほうが 
       しあわせに近いような気がする

 強いものが集まったよりも 弱いものが集まったほうが
       真実に近いような気がする

 しあわせが集まったよりも ふしあわせが集まったほうが
       愛に近いような気がする」



「神様がたった一度だけ この腕を動かして下さるとしたら
       母の肩をたたかせてもらおう

 風に揺れるぺんぺん草の 実をみていたら
       そんな日が本当に来るような気がした」
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