四季の歌と暮らす

 年齢ごとに「一度っきり」の四季と、
旬(しゅん)のヨコハマを味わう「くりごとの集」です。

好きな短歌

2009-06-18 12:56:56 | 生かされて今日
 NHKの「列島縦断短歌スペシャル」で選ばれた短歌が公開されています。私好みの作品を鑑賞してください。兼題は「坂」。

♪三十路(みそじ)過ぎ恋愛結婚転職の
              でこぼこ坂を今も登るよ   栃木 中村浩之助
  ご婦人の作かなと思いました。恋をして結ばれ、転職とまさに人生は無常です。娘さんから職業婦人さらに妻へ母へと女性も変身が大変です。坂道をふたり団結して進んで欲しい。独りではのぼり難い21世紀の暮しです。

♪登りゆく君下りゆく吾
         今すれ違う一瞬の風   兵庫 種田淑子
 人生にいいことばかりは起きない。昇りも下りもありますが、永遠に沈み込むことはない。苦は楽の種、楽は苦の種といい、吉凶はあざなえる縄の如しでふたつがセットです。がんばれぇ。

♪両の手に何も持たずに坂道を
           下るわたしに秋風の吹く  青森 月舘玲子
  何かを失ってさっぱりした寂しさがこもります。でも歌にして自分を客観視できるとヨシと気力が戻るもので、詩や俳句を作る功徳です。いずれ日の射す坂道にかかると思います。
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