alternativemedicine

Studies about acupuncture and moxibustion and Massage.

ボディワークと軍事諜報

2018-05-31 | マッサージ研究

業界に入る前に、私には、「どうしても理解したい3つの心身ボディワーク」がありました。

F・M・アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander:1869 -1955)の「アレクサンダー・テクニーク(Alexander Technique)」
アイダ・ロルフ(Ida Rolf:1896–1979)の「ロルフィング(Rolfing)」
モーシェ・フェルデンクライス(Moshe Feldenkrais:1904-1984)の「フェルデンクライス・メソッド」
の3つです。この3つの心身ボディワークを理解するのに、ものすごい時間がかかりました。

 「アレクサンダー・テクニーク」は日本における第一人者である片桐ユズル先生のレッスンを受けることが出来ました。また、臨床のための「音楽家医学」を研究する過程で、姿勢の研究を通じて、理解できてきました。

 「ロルフィング」は長年、理解が難しかったのですが、『アナトミー・トレイン』を書いたトマス・マイヤーズがマッサージ師であり、ロルファーであったので、『筋膜(Myofascia)』を研究する過程で、ようやく理解が深まりました。わたしが「ロルフィング」の本をいくら読んでも理解できなかったのは、日本の無免許「ロルファー」の方々が、本当の意味で「ロルフィング」を理解できていなかったことが、ようやく理解できました(笑)。

 しかし、「フェルデンクライス・メソッド」だけは、謎のままでした。いままで、どうしても腑に落ちなかったのです。
 『脳はいかに治癒をもたらすのか』には、創始者であるモーシェ・フェルデンクライスさんの人生が書かれています。フランスで講道館柔道の創始者である嘉納 治五郎(かのう・じごろう)に直接、柔道の指導を受けたフェルデンクライスさんは、放射線を発見したキュリー夫人の夫であるピエール・キュリーと一緒に研究するほどの物理学者であり、軍人・軍事スパイでもありました。フェルデンクライス・メソッドは、フェルデンクライスさんの人生と「神経可塑性」という視点から、はじめて理解できるものになりました。

 「動きを通じた『気づき』(Awareness Through Movement:アウェアネス・スルー・ムーブメント)」という、フェルデンクライス法のコトバの意味を、20年かけて、ようやく理解できました。本当に感動しました。

 それにしても、フェルデンクライス(1904-1979)さんは、第二次世界大戦や戦後に軍事スパイとしての仕事をしていたために、一般の人間には理解しがたい人生を送っていました。
「ピラティス(Pilates Method)」を開発した、ジョゼフ・ピラティス(Joseph Pilates1883-1967)さんも軍事スパイでした。
日本にヨガを紹介した、中村天風(1876-1968)は、「人斬り天風」と言われた軍事スパイでした。
戦後日本に、本格的なヨガを紹介した、沖正弘先生(1921-1985)も軍事スパイです。
合気道の創始者、植芝盛平(1883-1969)も関東軍の特務機関の軍事スパイでした。
日本の少林寺拳法の創始者、宗道臣(そう どうしん:1911-1980)も軍事スパイでした。

 ヨーガの世界は、中村天風も、尊敬する沖正弘先生も軍事諜報の世界の人間です。さらに、神智学のオルコット大佐(Henry Steel Olcott:1832-1907)も明らかに軍人です。
チベット学者のサラト・チャンドラ・ダス(Sarat Chandra Das:1849-1917)は明らかにイギリスのスパイであり、1886年にイギリス領インド帝国から勲章も受けています。このサラト・チャンドラ・ダスは、オルコット大佐とヘレナ・ブラヴァツキーにも会い、河口 慧海(かわぐち・えかい:1866-1945)のチベット・ラサへの潜入を助けています。1909年には河口慧海のチベット潜入記は、ロンドンで神智学のアニー・ベサントにより、「スリー・イヤーズ・イン・チベット」として出版されます。

 この近代ヨーガの成立期の状況を、説明できるヒトは居ないと思います。


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