のんのん太陽の下で

初めての一人暮らしが「住民がいるんだ・・・」と思ったラスベガス。
初めての会社勤めが「夢を売る」ショービジネス。

オレゴンから愛

2007-07-16 | 日記
 早起き出来たら朝日を観に行こう、と思っていましたが、起きませんでした。もっとも、目覚ましは9時にかけました。
 9時よりは早く起きたので、朝食、今日もまた手持ちの食料をいただき、9時出発。今日は天気が良く、気持ちの良い朝です。
 クレーターレイクは、もう一周してしまったことですし、行かなくていいかなとも思いました。でも“青”は見ていないかもしれません。ここから30分ですし、“青”を見に来たわけですから、行くことにしました。
 今日もひたすらに真っ直ぐの138号線を走ります。天気のいい朝、昨日とは同じ道でも見る景色が違って見えます。思わず止まって写真を撮るほどでした。
 そして、クレーターレイクは青かった。昨日とは全く違う青さでした。湖岸近くはエメラルドグリーン、そして、碧く、青く。戻ってきた甲斐がありました。
 ここでボートに乗ったり、トレッキングをしたりする選択もありましたが、昨日のことを考えるとポートランド近くまで帰れるのか不安があり、何ヶ所かのビューポイントで“青”眺めてから、ここはあとにすることにしました。
 地図を広げて、帰り道を考えて、まずはダイヤモンドレイクを目指し、そこでお昼をとることにしました。ここへ向かう道、ローグ-アンプクア・シーニック・バイウェイも高い木々の中を走る道でとても気持ちのいい道です。気持ちは良く走っていましたが、思ったより進みません。仕方なく、ダイヤモンドレイクは行かず、右へ曲がってまた138号線、そして97号線をを走ることになりました。
 しばらくは、もと来た道を戻り、そこからカスケードレイクス・シーニックバイウェイを通ることにしました。少し遠回りでも北上できます。
 この森の木々はマウントフッド近くの高くて深い緑の木とは違って、緑の少し薄い木でした。種類が違うのでしょうが、若いという印象でした。道の入り口付近は山火事があったようで葉の焼け落ちた真っ黒い木々の森にはゾクッとしました。
 途中、蝶か蛾が飛んできて、フロントガラスにぶつかります。ぶつかってつぶれるのが分かりました。フロントガラスが汚くて、ワイパーをかけても落ちないのは虫達がつぶれていたのだと、このとき分かりました。
 道に沿って小川が流れていました。車を止めて、小川の中の岩に座って、スナックを食べながら一休み。水に触れたかったので、とても嬉しく、水の流れを見つめながらゆっくりしました。
 この道の名前からすると、湖が道のすぐ脇にいくつもあって、それを見ながら進めると思っていたのですがそうでもなく、湖へ行くには道を少し入らないといけないようでした。ところが、エルクレイクというところは、その標識を見るとすぐ湖が見え、水辺がキャンプ場になっていました。ここなら、と思い、行ってみることに。
 ここはクレーターレイクのように上から見る湖ではなく、水際でも遊べる、もっと身近な感じの湖です。向こうに見える山も素敵で、子供の時に毎年行っていた山中湖の平野を思い出しました。大人になってから訪ねてみたら“観光地”になっていてビックリしましたが、昔はこんな感じ、もちろんここよりは“町”でしたが、素朴な感じでした。
 エルクレイクはこの道も終わりに近いところにあります。そこからベンドという町に出ました。ここは行きに97号線を走っている時に通ったはずですが、印象がありません。シーニックバイウェイから入るベンドの町はとてもかわいらしい町で、下の道を走るとこんなにも印象が違うものかと思いました。しばし車をとめて町を歩こうと思いましたが、とめられる所がなく、走っているうちに97号線にのりました。
 さあ、このペースで走っていると、行きに寄れなかった『オレゴンから愛』のロケ地に行けそうです。今回は注意深く地図で距離を測り、車のメーターを確認しました。あ、いつの間にか地図を片手に運転できるようになっている…。
 景色は“大地”へと変わり、牛さん達に出迎えられ、細い道を走りながら、無事にコーヴ・パリサデス州立公園に着きました。まずはビューポイントまで行くことに。ところが広場になっているビューポイントに着くと柵が閉まっています。「火曜日と水曜日はお休みです。」そうか…残念。えっ、今日は月曜日だよね。でも閉まっているのです。
 また地図を広げました。本当は、今だそのまま残るという、“明”の住んでいた家に行きたかったのです。あの家は普通に生活しているお宅をお借りして撮影をしたので、今もそのままあるというのを何かで読みました。ここへ来れば何か手掛りがあるかと思いましたが、掴めませんでした。
 ここまで来ていれば、明日の飛行機に乗り遅れることもありません。なるべくなら同じ道を通りたくないので97号線から197号線に入ってコロンビア川に向かってみることにしました。
 州立公園の出口に向かうと、ビューポイントとなっていた方角に曲がれる砂利道がありました。なんとなく曲がってみました。すると、そこには予想していなかった景色が広がっていました。大地が水で削られたのでしょうか、断崖絶壁となっていて、下を覗くと湖がありました。その断崖絶壁は横にも縦にもスパッと切ったような潔さ。自分が立っている向こうにはまた大地が続いているのです。オレゴンには本当にいろいろな表情があるものだと思いました。
 そして、そこにはなんと『オレゴンから愛』のプレートがありました。先程の広場に行っていたらここには来なかったでしょうから、あそこが閉まっていてよかったのかもしれません。景色で納得するだけでなく、本当にそのロケ地に来たのだな、と、子供の頃からの夢がひとつ叶ったのだなと実感しました。
 公園を出たところに小さなガソリンスタンドとお店がありました。そこの方に伺えば、“明の家”が分かるかもしれないと立ち寄りました。でも、だめでした。ライムのアイスキャンディーを買って、しゃぶりながら、牧草地を眺めました。
 ところどころにある家のどこかが“明の家”なのでしょう。しばらく、黄金色と緑色が広がる大地の中を“明の家”を当てもなく探しながら走りました。走っているうちに、戻る97号線の方向が分からなくなりました。感覚ではこちらなのだけど、と思ってもどうも違うらしいのです。少し車の通りの多いほうに行ってみました。感覚では左折、でも太陽の方向から考えると右折。するとマドラスの方向は右と出ていました。そしてその道は97号線だと分かりました。どうやらいつの間にか97号線を越えていたのです。
 無事に97号線に戻り、マドラスの町を越えるとスーパーを見つけました。今晩こそはおいしいものを頂こうと思っていましたが、昨日のこともありますし、野菜不足でもありましたので、少し食料を買うことにしました。トマトと赤ピーマンとオレンジ。そしておいしそうなベーグル2つ。これで充分かな。
 ところがレジに向かう途中、SUSHI売り場でご飯粒を目にした途端、大好きなご飯がどうしても食べたくなりました。6時。今食べたら夕食食べられないかもよ、いや大丈夫でしょ。心も身体も行ったり来たりしながら、SUSHIを眺めていました。
 よし、買う!スパイシィサーモンロール。公園など見つけられそうもありません。スーパーのテーブルでそれをいただきました。この旅で、一番食事らしい食事。おいしかったです。
 197号線はあまり楽しい道ではありませんでした。そして、ガソリンも心配になってきました。地図に出ているような町でも本当に小さな町で、ガソリンスタンドがないのです。それから、マウントフッドをもう一度見たいという思いもありました。
 地図をもう一度眺め、まだ216号線を越えていなかったら、曲がってマウントフッドに向かうことに決めました。そこから26号線に出ればガソリンスタンドはあることでしょう。
 そして、216号線が出てきたので、方向変更。216号線も何もない道、この機会に、とまた交通違反をして、100マイル、160キロを記録。
 スピードを出すとガソリンが減るのは早いのでしょうか。それとも距離が同じなら変わらないのでしょうか。とにかく行きたい距離とガソリンの関係が微妙でしたので、下り道はなるべくアクセルを踏まないようにして、26号線に向かいました。 
 ようやく緑の濃い高い木々の中を走る26号線に出ると、思っていたよりも何もない道で、本当にガソリンのことが心配になりました。35号線の入り口までにガソリンスタンドが見つからなかったら、そのまま26号線を走らないといけません。そうすぐに変わらないとわかっていても何度もガソリンのメーターを見ながら運転を続けました。
 「あった!!!」山の中のガソリンスタンドは値段も高いです。でも仕方ありません。そして、これでマウントフッドの反対側に向かえます。
 35号線はマウントフッドの東側を走る道で、所々から山が見えました。マウントフッドは本当に美しい山。この山を観に戻って来て良かった…。行きには撮れなかった写真も撮れました。夕焼けに染まりゆく山の姿も、眺められました。あとは滝が見たいな。トレッキングも出来たら最高なのだけど…。
 35号線もコロンビア川近くなると、果樹園が道沿いに集まっていて、フルーツ街道と呼ばれる道になります。果樹園ではイチゴやさくらんぼなどを自分で摘むことができるようになっていたのですが、時間が遅く、出来ませんでした。
 そしてコロンビア川にでました。「そろそろ今日の宿を探さないと…。」コロンビア川を渡ると向こうはワシントン州です。道が複雑に分かれていたので、車をとめて方向を良く確認しました。そして、出た町はフッドリバー。コロンビア川を見下ろせるようにある小さな町はとてもかわいく、ここで泊まりたいと思いました。
 少しおしゃれなホテルを見つけ、車をとめました。出てくる人に値段を訊くと思ったよりも高くないので訪ねてみました。「今日はあとひとつだけ空いています。一番いい部屋、スイートルームです。」昨日だったら泊まっていたかも。見付けたもう一件は満室。チェーン店であるもう一軒のホテルもジャグジーつきというスイートルームしか残っていませんでした。
 もう少しポートランドに近づくことにしました。ハイウェイ84号線に入るところにもホテルがありました。でも満室。月曜の夜だから、と思っていましたが予想外に混んでいました。 
 ハイウェイなのに暗い道をポートランドに向かって走らせていると、“H”の標識が見えました。いくつもの宿泊所があるようなので、そこで降りることにしました。なんとなく車を走らせて、一番初めに見付けたモーテルに行ってみました。
 空きを訊くとやはりいい部屋だけ残っていました。75ドル。それならいいかな、と考えていると、「とりあえず部屋を見せますね。」と案内してくれました。その部屋はなんと一戸建てでキッチンも付いていました。ただ寝るだけにはもったいないような気がしましたが、ここに泊まることにしました。手続きをしていると「滝に行った?」と訊かれました。ビックリして聞き返すと、このすぐ近くに滝があって、それが有名でみなこの町に来るとのこと。行き方も丁寧に教えてくださいました。ここに立ち寄った意味があったようです。
 9:00。ちょうど12時間で2泊目の宿にたどり着きました。長時間の運転も全く飽きずに楽しめました。昨日からの走行距離824.3マイル。そういえば、35号線を走っている時にふとメーターを見ると777.5マイルでした。これは7並びを見ないと、と、気にして、777.7マイルを見ました。そこでスロットマシーンの絵が…。ラスベガスに侵されています。
 少し休んでから、レストランがすぐ近くにあるというので行ってみました。ところが今日も素敵な夕食を頂くことは出来ませんでした。小さなスーパーが唯一空いているようなので車をとめると、今閉めるところ。それでも気持ちのいい店員の方は入れてくれました。水とヨーグルトを購入。6時にお寿司を食べておいてよかったです。
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