中国でのいろいろ

中国での生活、出来事をぼちぼち綴っていければと思っています。

西安 蘇州から直達特快Z86の個室寝台列車で西安へ

2023-04-13 00:04:14 | <陝西省>

中国の個室寝台車に一度は乗ってみたいとずっと思っていました。

今回、西安旅行に行くために初めて利用しました。

 

 

杭州駅から西安までの間を約16時間半かけて移動するZ86は、蘇州駅にも停車します。

蘇州の出発時間は19時18分、金曜日の夜に乗ると土曜日の午前中から西安観光が可能です。

蘇州から西安までの所要時間は、13時間54分です。

 

 

中国の列車の種類はおおまかに、G(高鉄)、D(動車組)、C(都市間高速)、

Z(直快)、T(特快)、K(快速)があります。

G、D、Cは高速鉄道と呼ばれる新幹線タイプ、それ以外は普通車(慢車)とも呼ばれます。

 

 

中国の鉄道料金は日本とは比べ物にならないぐらい安いです。

特に普通車の場合は、普通座席だと蘇州から西安まで1000km以上の距離で、

173.5元(日本円で3370円)。

三段ベッドの硬臥は296.5元、2段ベッドの軟臥は464.5元(上中下段で値段は変わります)。

なので、普通車の改札はいつも多くの乗客で大混雑します。

 

 

この列車の編成には1両だけ高級軟臥と呼ばれる、2人用個室寝台車があります。

ただし、蘇州から西安の料金は、上段のベッドが857.5元、下段のベッドが893.5元と、

料金は、飛行機(エコノミー)より、高速鉄道よりも高いです。

 

 

中国の寝台列車の等級ごとの値段は、大雑把に言うと専有面積と考えて差し支えありません。

蘇州~西安間を例にすると、

3段ベッドの硬臥は6人で使用するので、その面積の値段は296元×6人で1776元。

2段ベッドの軟臥は4人で使用するので、1776元÷4人で、1人あたり444元。

高級軟臥は2人で使用するので、1776元÷2人で、1人あたり888元。

ざっくりこんな感じになります。

 

 

お目当ての列車は蘇州駅に15分ほど遅れて到着。

乗客が乗るまで部屋には鍵がかけてあり、乗車してすぐには部屋に入れません。

発車後に車掌が来て、乗客の身分証と予約を確認後に鍵を開けてくれます。

蘇州駅より前に乗客がいた部屋は一部屋だけで、蘇州でほぼ満室になりました。

今は長距離の普通列車でも紙の切符はありません。(紙の切符が必要な場合は、発券機か窓口で入手)

 

 

Z86の個室寝台車の設備はあまり新しいものではなく、

おそらく最もオーソドックスなタイプだと思います。

洗面所とトイレが付いていますが、あまり綺麗ではありません。(もちろん清掃はされています)

 

 

2段ベッドとテーブル、洗面所とトイレ、1人掛けソファー、クローゼットがあって、

大きな荷物を持っていても全く問題ないぐらいの広さです。

乗車後に乗務員が使い捨てスリッパも持ってきてくれます。

 

 

電源コンセントは、高鉄と同じでした。

日本と同じ2つ穴が1口、中国の3つ穴が一口あります。

もし、1口では足りないと思うなら、変換プラグをひとつ持って行く方がよいです。

 

 

蘇州駅を出発すると無錫、南京と停車します。

南京を過ぎると終点の西安まで、乗客が乗り降りする停車はありません。

 

 

南京駅の発車時刻は21時過ぎで、その後はほとんど停車しないので、

停車、発車時の衝撃がなく寝やすい列車だと思います。

車両自体の振動も少ないです。

でも、今まで日本でも中国でも寝台列車で熟睡できたことは一度もなく、

やっぱり今回も殆ど眠れませんでした。

 

 

夜の車内販売の弁当は30元。麺とご飯の2種類あったので両方買ってみました。

飲み物とアルコール類の車内販売もあります。

高鉄の弁当は、長期保存可能な電子レンジで加熱するタイプですが、

普通列車の弁当は手作り感たっぷりの弁当です。

味の方はもともと全く期待していませんでしたが、予想通り美味しくはないです。

唐辛子がたっぷりの割には、激辛ではありません。

中華弁当が無理な方は、食料の持ち込みが必要です。

 

 

夜が明けて明るくなってきたのは7時ごろ。

列車は河南省、山西省、陝西省の省境にある三門峡のあたりを走っています。

有名な黄河の三門峡ダムがある場所です。

 

 

車窓には黄土高原の黄色い景色が広がっていました。

時折、窰洞(ヤオトン、窯洞)と呼ばれる、崖に穴を掘った住居も見ることができます。

 

 

車内販売の朝ごはんは15元で、お粥、ゆで卵、饅頭、おかずが3品ついています。

去年の今頃、隔離ホテルで出されていた朝食を思い出す内容でした。

 

 

高級軟臥の隣の車両は食堂車です。

朝のぞいてみると、座って食事をしているのは全て乗務員。

食堂として営業しているのか、ここで食事ができるのかどうかは分かりませんでした。

 

 

Z86は予定より1時間遅れて西安に到着、長距離普通列車だとこの程度の遅れはよくあります。

乗客のほとんどが旅行者のよう見えます。

今回の西安旅行、世界的に有名な兵馬俑を見てみたいというのはもちろんですが、

目的の半分はこの寝台車に乗るためでした。

 

 

初めて個室寝台車に乗った感想は、高いけれどとても快適。揺れも振動も少ないです。

飛行機を使う方が安いし早いし合理的だとは思いますが、移動も旅行だと思えばこれも楽しいです。

小さなお子さん(運賃無料のお子さん)と一緒なら家族で一部屋という使い方もできます。

 

個室寝台車の編成がある列車は少なくて、もともと利用し難いのですが、

もっと難しい理由は、もし1人でこの切符を買った場合、知らない人と同じ部屋になるから。

なので、この無駄遣い?企画に賛同してくれる人がいないと安心して乗車できません。

もちろん、旅先で新しい友人を作りたいと思う方にとっては何の問題もないのでしょうが、

私は見ず知らずの人と、ましてや2人きりで一晩同じ部屋で過ごしたいとは思わない性格なので。。

 

 

コメント
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