1本のわらしべ

骨肉腫と闘う子供とその家族とともに

プライオリティゲストサポート

2010-11-16 19:42:43 | Weblog
さっそくJALのプライオリティゲストサポートに電話をかけた。
「車椅子の娘を連れて小浜島まで行きたい。」と希望を伝えると
「お席を手配いたしますが、実際に乗っていただけるかどうかは出発の2,3日前までわかりません。」とオペレータの返答。

車椅子といっても娘の場合、寝たきりで座席に座ることができないためストレッチャーが必要だった。
ストレッチャーは、担架のようなベッドで、座席の背もたれの上の高い位置に取り付け体をベルトで固定する。
ストレッチャー1台は座席約6席分。朝、ストレッチャーを取り付けた飛行機は、その日ストレッチャーを付けたまま飛ぶので、実際の利用便だけでなく、その機材の運航に関係するほかの区間にも座席の確保が必要となる。
たとえば、当日その飛行機が中部国際空港→那覇。那覇→羽田。羽田→釧路と運航する場合、その3区間すべての便で6席を確保する必要がある。
那覇行きで席が確保できても、那覇→羽田便で席が取れなければストレッチャーを取り付けることができない。
中部国際空港から那覇まではJALの飛行機が飛ぶ。JALの場合、出発の3週間前には席の確保ができるらしい。しかし、那覇から石垣に飛ぶ飛行機は日本トランスオーシャン航空なので、
出発の2,3日前にしか席の状況がわからないというのである。
今回の旅の事情を話すと、オペレータのMさんは申し訳なさそうに「JALの手配なら、私達にも何とかできるのですが、トランスオーシャン航空のことはどうしようもないんです。」と言われた。
とりあえず、希望の日程を伝えて電話を切った。

楽しみにしている旅が、2日前に中止になるかもしれない。
娘は悲しむだろう。残された日は、わずかだった。
あの部屋はあきらめて、沖縄本島に変更したらどうだろう。
そう思って、沖縄本島のホテルを探した。
海に面したホテルは沢山あったが、部屋のベッドから海が見えるホテルはなかった。
それでも行けないよりはマシだろうと決心して、JALプライオリティゲストサポートに電話をかけた。
オペレーターのMさんに、「小浜はあきらめて、沖縄本島にしようと思うんですが」と伝えると
Mさんは強い口調で「お母さん、あきらめないでください。私たちもできる限り頑張っています。きっと、小浜島にお嬢さんを連れて行けると信じましょう。」

それから数日後、Mさんから電話があった。「席が確保できました。小浜島に行けますよ。」
それは出発の3週間まえだった。
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旅の始まり

2010-11-16 07:42:15 | Weblog
雑誌の1ページから始まった旅。
「当然行ける」ものだと思っていた。
近くの旅行会社に行き、「車椅子で小浜島へ」と伝えた。
受付の人が検索してくれると「車椅子に対応しているのはJALだけですね。
そしてここでは受付ができないので、こちらでご相談ください。」と言って
教えてくれたのがJALの「プライオリティゲストサポート」だった。
呑気な私は、この先の煩雑な手続きを予想することができなかった。
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