赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

日本の電力供給事情

2024-04-19 00:00:00 | 政治見解



日本の電力供給事情 :240419情報


経済産業省の国内の電源構成の速報値(23年11月)が発表されました。

――2022年度の国内の発電電力の割合は、化石燃料による発電、いわゆる火力発電が70%以上を占めており、次いで太陽光(9.2%)、水力(7.6%)、原発(5.6%)、バイオマス(3.7%)、風力(0.9%)、地熱(0.3%)という順で構成されています。――

国際政治学者の解説です。




■EUの電力事情

2023年のEUの電力が水力を含む自然エネルギーの総発電量が1200テラワット/時になって、化石燃料による総発電量788テラワット/時を大きく上回りました。それだけではなくて太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電などの自然エネルギー発電がEU全体の発電量の45%を占めたと言っているのです。この比率はEUで過去最高となりました。

スペインでは2023年に史上初めて水力を含む自然エネルギー発電量が全体の発電量の半分を超えました。スペインは太陽光が豊富なところですから、ソーラーパネル発電が順調だったと思いますが、全発電量の50.3%になったそうです。EU全体でも水力を含む自然エネルギー発電の発電量が45%であったということで、世界はそこまで来ていると思っていてください。ソーラーパネルによる発電には、それなりの問題もあります。


■Made in ChinaかMade in Japanか

特に問題はMade in Chinaが多いということです。10年前は世界のソーラーパネルメーカーのベストテンの中に日本が3社入っていました。それが今は3社が全て落ちて日本は1個も入っていません。そして、アメリカの会社が1個だけ入っているような状態で、ほとんどが中国の企業です。

世界一処理も簡単で毒物も使わない、かつ効率の良いソーラーパルは多少高くても良いから日本国内で作ってほしいと願います。Made in Japanで作る、あるいは少なくとも自由主義圏での国のサプライチェーンで作るということをやらないといけないでしょう。日本の技術ならやればできると、私は思っているのです。

向こうがダンピング(不当兼売)をしてきたら仕方ありませんが、合理的な価格で勝負すればできます。このようなものは輸入禁止にしてもいいわけです。これは国家安全保障上・経済安全保障上、非常に重要なものである電力に関しては外国のものは入れないと言っても話が通るでしょう。そういう政策をやってほしいです。そして、日本初のMade in Japanのソーラーパネルであれば、それをどんどんやっても全然問題ないと思います。

今の綺麗な森林を伐採して禿山にして、そこにMade in Chinaのソーラーパネルを沢山設置することが大問題です。そういうことはやってはいけません。日本の美しい緑を破壊して、何が環境問題のためのソーラーパネルや自然エネルギー発電なのかという矛盾が生じます。風力発電もそれなりに大きな問題が一部あると言って良いでしょう。

特に洋上風力はほとんど駄目だと考えています。これから洋上風力が駄目だという話が世界的にもどんどん出てくるでしょう。陸上風力でさえも低周波の問題や「バードストライク」と言われるような鳥が飛んできて死んでしまうといった問題がないわけではありません。しかし、陸上風力は人家から遠いところでやっていれば、それほど大きな問題はないと思います。


■効率の良い発電方法は日本の技術で

こういったことでも、より効率の良い発電方法は日本人ならやればできるでしょう。そういうところに政府も、補助金などを積極的に出していただきたいです。それによって世界に輸出できるような技術やノウハウを、これからの時代は日本が開発していくべきではないでしょうか。いろんな物の小型化や効率化というのは、かつて日本が最も得意とする分野でした。だから、日本人が総力を結集すればできないはずがないと思っています。そうすると、無理やり危険な原子力を恐る恐る使わなくても済むのです。

地球は人間が出した二酸化炭素で温暖化していると思っていませんから、そもそも二酸化炭素排出削減は必要ないと私は思っています。そして、自然エネルギー発電というのは、増えたり減ったり、曇りになったらソーラー発電できないし、風が吹かなくなったら風力発電はできません。大体、夜は太陽光発電ができないのですから、それを補うためにも大量に電力が生まれるときに蓄電することが大事です。

この蓄電も大型のリチウムイオン電池ではなく、既に最高の蓄電池が存在していて、それが揚水発電と言われているものになります。電力が余っているときに下の水をポンプで持ち上げておいて、それを電力が足りなくなったときに落として発電する仕組みです。元来原発は定量の発電しかできませんから、原発で出力を上げたり下げたりすると非常に危険ですから、夜間で原発の電力が余っているときにこれを使ったら良いのではないかということで普及していったのですけど、世界中の発電所レベルの蓄電方法では97%が揚水発電であります。

しかも、日本は非常に恵まれているのです。例えば、サウジアラビアで揚水発電をやろうとしても平地だらけの国では難しいでしょう。日本は山・川があって水も豊富ですから、下の方から上に引き上げる水も沢山あり、そういう山なりの落差のある地形が日本中にはいっぱいあるからやりやすいです。この揚水発電が最大の蓄電池となります。これもやろうと思えば簡単にできることです。

そして、この電力網を各地で効率化させておかないで、余っているところから足りないところに電力を融通するシステムを日本中でしっかり作っておくと良いでしょう。これを今まで給電体制でバラバラにやっていましたが、それも必要なかったのです。そういったものを作るために公共投資をしっかりとしていけば、日本の電力の未来は非常に明るいと思います。無理に震え慄きながら原発を使っている必要もないと思うのです。

さらに、天然ガスを中心とする火力発電が補うこともできます。太陽光発電が急に曇って駄目になったら即火力発電で補うことができるのです。急に太陽が出てきたり、風が吹いたりして電力が出てきたら、火力発電で機動的に電力の出力を減らすということもできるわけです。これが電力のゴールデンコンビネーションと言って良いでしょう。そういうふうに考えると、電力問題というものが大きな問題ではないと私は考えています。


■安全保障上、注意すべきこと

当面の間、二酸化炭素を減らせるということで世界的にお付き合いしないといけないと言われたら、天然ガス・火力発電を中心にやっておけば、二酸化炭素の排出量は減らせるのです。日本には非常に効率の良い発電用のタービンがあり、それは世界一のものだと言えます。こういう形でやっていけば、日本の電力の将来は非常に明るくなり、安価な電力を豊富に供給することができるようになるでしょう。

今、危ないのは中国の方で日本に対する謀略があるということです。アジアのスーパーグリッド構想と言って電力網を繋いで、ロシアや中国から電力を買わせようと企んでいます。日本の国内で電力を供給させないようにしようという事に容易く乗ってしまってはいけません。いざというときに日本の電力を切れたら終わりです。日本は安全保障上、それは絶対にやったらいけないことだと思います。




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