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続・米印接近の意味するもの :230722情報
7月11日付の当ブログでは、『米印接近の意味するもの』を台湾独立運動家の目を通して語っていただきましたが、今度は、その続編というべきものを国際政治学者に分析していただきました。中国の孤立化は避けられないようです。
米印急接近と中国の孤立
インドのモディ首相が国賓としてアメリカを訪問し、6月22日に首脳会談を行いました。これは、経済や軍事と安全保障両面で米印関係が本格的な提携関係に入ったということです。
反日米路線か反中露路線かはっきりした態度をとらずに八方美人外交を続けていたインド。
インドは中国とは対立関係にありますが、武器の大半をロシアに頼っていたこともありロシアとは割と仲が良いのです。また、インドは人口大国です。IT技術者も多数輩出しており、かつ経済大国になりつつあります。
「曖昧な態度を続けるインドをこちら側に惹きつける必要がある」
そう考えた安倍晋三元首相がQUAD(クアッド)を提唱しました。
QUADとは、日米豪印4ヶ国による集団安全保障の枠組みです。
BRICS路線で反米か? QUAD路線で反中露か?
二つの路線の選択を迫られていたインドは、「自国の経済を発展させるためには世界の先進国と仲良くした方が得策」と判断しました。モディ首相の訪米が結果として物語っていると言えるでしょう。
そして、軍事的に大変なことが決まりました。戦闘機用のジェットエンジンをインドで生産することになったのです。これはインドにとって、非常に大きな意味を持っています。なぜなら、モディ首相の目標はインドを製造業大国にすること。
今のインドは、技術開発においては素晴らしい国ですが、製造技術が不足しています。そこで、軍事的に非常に重要な戦闘機のエンジンを製造することは、その目標に大きく近づくということです。
さらにアメリカは軍事補給や修理拠点をインドに確保すると言っています。また、Amazonはインドに2.1兆円を投資してデータセンターを作るそうです。Appleもスマホの拠点を作り、インド生産比率を現在の5-7%から
25%まで引き上げるとのこと。テスラもイーロンマスク氏がインドに大工場を作ると話しています。ウォルマートも2027年までに100億ドル上回るものをインドから調達しようとしています。
すべてが中国からインドへシフトしているのです。防衛と民間経済両方で米印が急接近していることがわかります。
インド洋に米海軍の補給所? 中国に残された選択肢
米印急接近により、中国の一帯一路は大きなダメージを受けました。一帯は陸路、一路は海路を表しています。
アメリカから見るとインドは地球の真裏にある国でインド洋は一番遠い海となります。インドがもし反米や親中路線をとった場合、インド洋は中国の海となり米国艦隊はもはや入ることができません。
これが今回まさに真逆の態勢となり、つまり、アメリカから一番遠い海で空軍、海軍の修理や補給ができるようになりました。これはアメリカのグローバル戦略ではとても大きなポイントです。
一方の中国としては、一路が絶たれたわけですから、その分陸路にこだわることになります。
ロシアからイラン、ペルシア湾まで3,000kmの鉄道を繋ぎ、中央アジアの国を抱き込んでいく方向で強化せざるを得ません。繋いだ先にあるドイツには今なお一部で根強い親中路線があります。
ドイツの世界的化学メーカーであるBASFは100億ユーロを投じて中国に大工場を作るそうです。ロシアの安い天然ガスを狙ってのことですが、中国の鎖国態勢にも怯まず進出する動きがあるということ。これは日本としても警戒が必要です。
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