赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

報道では見えない安倍外交 コラム(80)

2015-11-19 00:00:00 | 政治見解



コラム(80):報道では見えない安倍外交


安倍総理はG20出席のために11月14日から17日の日程でトルコ・アユタヤを訪問中、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相、欧州委員会のユンカー委員長、イギリスのキャメロン首相、ロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相、サウジアラビアのサルマン国王と個別の首脳会談を行いました。

日豪首脳会談

オーストラリアは、日本を「アジアにおける最良の友」と評していたアボット氏にかわり、中国に対して「オーストラリアと抗日で戦った最も長い同盟国だ」と発言したターンブル氏が首相になりました。一部マスコミからはオーストラリアの対日政策変更かとの観測が流れていました。

しかし、安倍総理との会談では、「日豪の戦略的協力の重要性を確認」「日豪に加え、日豪米、日豪印等の協力の強化」「東シナ海、南シナ海の、法の支配に基づく海洋秩序を守るべく連携の重要性」などが改めて確認されました。国家としての外交政策は一貫性が求められるので、メディアによる目先の報道に杞憂してはなりません。


日英首脳会談

中国の習近平主席がイギリスを訪問した際、「中国はイギリスを人民元で支配した」などという報道がありました。しかし、イギリスは19世紀の半ばから100年間にわたり、世界の海を支配していた歴史もあり、簡単に外交政策がブレることはありません。

安倍総理は東シナ海や南シナ海の問題で、「法の支配の観点から国際社会が連携して対応する必要がある」と述べ、キャメロン首相も「中国を透明なルールに基づくシステムに取り込んでいくべき」と返答しています。

また、キャメロン首相は日本の国際社会における位置づけが重要であるとし、「日本は国連安保理常任理事国になるべき」と述べています。

日本はアジアとアメリカを結ぶ架け橋であり、イギリスはヨーロッパとアメリカを結ぶ架け橋です。その意味で、日英両国は国際社会に安定をもたらす極めて重要な関係にあるのですが、この点をメディアはほとんど報道していません。


日露首脳会談

日露関係については悲観論をよく見かけます。多くは意図的なものや主観に基づくもので、正しい見解ではありません。日露首脳会談の内容を見るとプーチン大統領は、経済関係の強化をし、日露関係の関係改善を図ることに意欲を示しています。

会談でプーチン氏は、日露間で様々なプロジェクトが始まっていることを例に挙げ、「建設的な対話が行われていることを歓迎する」「日本と国際場裏での協力も進めたい」など積極的な意見を述べています。また、平和条約締結交渉についても「互いの立場を理解する上で良い議論が行われた」と評価しています。

一方、安倍総理は「国際社会の喫緊の課題に一層積極的に取り組む考えであり、ロシアとよく意思疎通したい」「日露関係を前に動かすために重要なことは、こうした形で二人で話し合っていくことである」と述べています。

日露間については、北方領土の問題を含めて山積する課題は多々ありますが、安倍総理とプーチン大統領の信頼関係は良好です。二人の関係の良さが、ロシアが直面している外交問題にも良い影響を与えることになりそうです。マスコミが報じるほど暗い材料ばかりではないのです。



今回のG20サミットで安倍総理は、中国の覇権主義についても言及しています。日本は実際の脅威に直面しているだけでなく、国際社会への貢献度の高い日本の発言には説得力がありました。

テロに苛まれる各国首脳陣は、国際社会の平和と安定のあり方を強く訴える安倍総理の姿勢に強く共鳴しているのです。

安倍総理はこのあと開催されるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議と、続けて開催されるASEAN関連首脳会議に出席します。

引き続き、当ブログではしっかりとした情報をお伝えしていきたいと思います。


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