ちくわブログ

ちくわの夜明け

千葉刑務所に行ってきた

2014-03-20 17:11:07 | 映画制作
先日、取材で千葉刑務所に行ってきました。


連合赤軍の元幹部で、革命左派のメンバーであった吉野雅邦さんは逮捕後、その千葉刑務所に服役しています。

いわゆる「最初の二人」を殺害した『印旛沼事件』から始まる一連の『連合赤軍事件』に関わっており、その過程において我が子を身篭った恋人である、金子みちよさんを『山岳ベース事件』の総括リンチにより亡くした吉野さん。

文筆家の大泉康雄さんは事件前、吉野さん・金子さんと友人関係にありました。そのことからここ数年、毎週千葉刑務所に通い、吉野さんと面会を重ね、事件の聞き取りを続けています。
大泉さんによる『あさま山荘銃撃戦の深層』には、近しい友人が起こし、経験した事件についての複雑な心境をこう綴っています。

“吉野雅邦は、愛知揆一外相の訪ソ訪米阻止羽田突入事件、栃木真岡市の塚田銃砲店での猟銃強奪事件、印旛沼事件(同志二名を殺害)、山岳ベース事件(同志十二名を殺害)、あさま山荘事件(警察官二名、民間人一名が死亡)……六九年から七二年にかけて起きた一連の連合赤軍事件でこれらの凶暴な犯罪を犯した者として裁かれ、いまも償いの日々を送っている。
 けれども私にはいまもって、彼が行った行為、犯した犯罪に対しての現実感が持てないことがある。後味の悪い夢のように、いつまでも生理的に厭な感じは残っているのだけれど、それは夢で起きたことであって現実のことではない、と自分を封じ込めるオブラートのようなもの、それが私を支配し続けている。
 むしろ「事件の人間」となる前の吉野雅邦の方が、像としてはずっと鮮明で近しいものに感じられる”


大泉さんの資料から。あさま山荘から連行される吉野雅邦




というわけで、聞き取りに行く時連れてって下さい、とお願いしていたのでカメラ持って同行しました。

千葉刑務所はたいへんアクセスのよい場所にあり、車で行くと京葉道路・貝塚I.C.降りてスグ、です。
ちなみに刑務所のまん前にはバス停もあるのですが、なぜか「千葉刑務所前」ではなく「県職員能力開発センター入口」となっております。








滞在時間は少なく、大泉さんが吉野さんに面会する30分ほどでした。
したがって周りの様子などあまり見れませんでしたが、東京拘置所にあったような独特の雰囲気、威容があまり感じられず、赤レンガの瀟洒な建物だなあ、と思うにとどまりました。

しかし、大泉さんの言葉を借りれば「『左』『右』の大物を収監していたこともある『名門』刑務所としても名が通っている」のです。

待合室には差し入れの売店他、全国の刑務所内で作られたものを売る小さな売店もあり、良心的なお値段で購入が可能です。
わたしが買ったのは、皮製判子ケース(780円)、ぐい飲み(330円)です。




千葉刑務所を後にし、大泉さん宅へ。

様々な資料を拝見しているとその中に、まだ事件が起こる前…純粋に恋人関係にあった吉野さんから金子さんに宛てた手紙のコピーがありました。





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