ちくわブログ

ちくわの夜明け

『延示』関係者向上映会アンケート

2006-02-15 13:33:07 | 映画 『延示』
『延示』関係者向上映会でご記入いただいたアンケートと、後日メールでいただいた感想をもとに、この映画がみなさんにどう写ったか、またそれに対するわたし自身の見解なんぞを書いてみようと思います。
あらためてみなさん、上映会のご参加及び、アンケート回答、感想ありがとうございました!

ではまず会場で配りましたアンケートの内容をば。
○どのシーンが一番良かったですか?
○どのシーンが一番良くなかったですか?
○お気に入りの登場人物は?
○端的に、ずばりどうでしたか?
○その他、感想などあればお願いします。

以上です。
自分が聞きたくて、さっと書ける質問を選んだつもりです。
では質問の順をおって、ざっとではありますが、アンケート及び感想から切り取らせていただいた文の要約、その後にわたし自身の見解で。
レッツゴー。



○どのシーンが一番良かったですか?
 『水葉唯が電車に乗って昔を思い出すシーン』
 ・光の使い方が良かった
 ・風景きれい
うれしい!です。
Bパートは光の使い方とか意識した面があったので、それが表れたのだなぁと思いました。人って、不思議なことに目で直接見る光よりも、映像を介した光に特別な情緒を感じることがあるようです。それを大事にしたのがこのシーンです。
ちなみに「電車からの風景」はこちらの『擬制の終焉』から動画でご覧いただけます。

 『廃団地での拷問シーン』
 ・すごく痛そう
 ・拷問する教育官(穂摘)のキャラがいい
このシーンは「この映画で一番汚いシーン」にする、というコンセプトで演出しました。
特にロケ地となった廃団地がいい味出してて、劇中でやってることと相まって汚さ、さらにUP!って感じです。

 『水葉の自殺シーン』
 ・生きている感じがしなかった
このシーンがいいという回答は1件しかなかったのですが、個人的にとてもうれしかったので。「生きている感じがしない」というのは最高の褒め言葉かも。
とにかく、映画を観ていただいて分かってもらえるとこれまたうれしいのですが、「ヒロインを最初に殺す」という点に重きがあるので、ここはやはりこだわりました。


○どのシーンが一番良くなかったですか?
 『クライマックス後の都市景観』(主人公、祠木とその同僚、加波の会話が重なる)
 ・セリフが多い
映画のセオリーに照らし合わせると、決してよいシーンとは言えないかも知れません。でも、「都市景観を見せる」というのもひとつの重要なテーマであったため、このような形になりました。
自分としては気に入っているので、ここで賛否分かれるかも。

 『アクションシーン全般』
 ・ヌルい。
痛。

 その他、シーンとしてではなく多かった意見が
 ・字幕が見づらい
 ・AパートとBパートの関連性が掴みにくい
 ・Bパートの割合をもっと少なく、効果的に
 等。
字幕が見づらいのはモニターが小さかったから?かもです。すいませんすいません!
A、Bパートはすごく対照的な演出で撮られているので、ただでさえ分かりにくいストーリーなのに、一回観ただけではやはり理解しにくいかもしれません。また、ヤな感じかもしれませんが人によっては「分からなくて正解」な映画でもあります。
Bパートは「これ以上割合を多くしたら、あやうくアイドル映画に!」という恐れていた一言もいただきました。

はい。そうです。
水葉役が長谷川恵美さんに決まってからBパートのシーンを増やしました。
・・・・なんだっ!!監督がいちばんエライんだぞ!文句あるのか!!


○お気に入りの登場人物は?
これは・・・何と言ったらいいのかな。なぜか教育官・穂摘が第一位でした。え?なぜ?確かに演じたこうこうすけさんは名演だったし、キャラが立ってたけど、なぜに一位?
とっても不思議さ。

(左が穂摘です)
こうこうすけさん、おめでとうございま-す。パチパチパチ
・・・・んん~?腑に落ちない・・・・ちなみに二位が水葉でした。・・・・おお、おかしいなー!おかしいよ!!


○端的に、ずばりどうでしたか?
 『話が難しい、分かりづらい』
結局は「分かりやすくする」という点にはこだわりませんでした。それより映像そのものから「感じて」もらおう、と思ったのです。

 『全体としては・・・・う~ん』
え?なに?なんなんです?なんなんなん?!?

 『完成度が高い』
この一言も目指していたものでした。「ちゃんと観れる映画を作ろう」というのを念頭に置いていたので・・・。よかったです!

 『分かる人には分かる映画』
そうですね。そういう意味ではすごく不思議な映画になったと思います。



○その他、感想などあればお願いします。
 『音楽が良かった』
まったく同感です。サントラ担当の水流ともゆきさんに深謝!

 『CGが良かった』
街のネオンやビルの合成、パソコンモニターなんかでCGを使ってます。これは相方、コンちきの努力の賜物ですね。
自分達では技術的な客観視ができなかったので、この回答にはホッとしました。

 『キャスティング大成功』
恵まれすぎなほど恵まれました。今回、制作にあたって心がけたことは「ダメもと」です。案外なんとかなるなぁ、と思いました。



と、だいたいですがこんな内容です。
好意的な意見が多かったのは身内向けの上映会だったからだと思います。でも皆さん、それをふまえても真摯に回答していただけました。

さて、こうしていただいた感想の中で一番うれしかったのはこちらです。

(以下、メールから要約)
『当日、アンケートを書いたけど後から効いてきたので・・・なんか、こう、がっちりしがみついて離れないというか。まとわりついて侵食されるというか。不快感にも似た感情がぐるぐると・・・』

まさに「こういう感想が聞きたいな」と思っていた内容のものでした。
作る側としてこの『延示』という作品は、観る側に一種の禍々しさ、毒を残すことが出来たら、と常に考えながら制作した映画でした。
こういう感想をひとつでもいただけたことは光栄であり、上映会を開催して心から良かったと思えるものでした。



みなさん、ちゃんと観てくれて本当に有難うございました。
ひとりひとりのアンケート、そして感想メールもプリントアウトして大事に保管しておきます。

お疲れさまでした!!
コメント (6)
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