先日、所要で札幌に出た際、JRタワー7Fの札幌シネマフロンテイアで、映画「剣岳~点の記」を見ました。
ここ2~3年、時々、ここで映画を見ていますが、この現代的なシネマコンプレックスは、世の中の動きに疎い熟年世代には、必ずしも居心地のよい場所ではありません。ただ、格安(60歳以上1,000円)で入場できるのが魅力です。
さて、掲題の映画ですが、率直に言って「まずまずの出来」という印象でした。ただ、かって剣岳に登り、その苦労を(そこそこ)知っている身としては、当時の大変さはいかばかりかと共感するところも大でした。
物語は、新田次郎の同名の小説を監督の木村大作氏らが脚色したもので、明治40年(1907年)前人未踏の名峰・剣岳(2,999m)に、参謀本部陸地測量部の測量隊が三等三角点を設置するため、初登頂に挑戦するところから始まります。
しかし、古来、山岳信仰の対象となっていた剣岳は、地元の人々からは「死の山」と恐れらていて、協力が得られない中、一人、宇治長次郎という案内人だけは、登攀の意義を理解し、測量隊の登頂に協力します。
一方、近代的装備を誇る日本山岳会のパーテイも初登頂をめざしており、あたかも、登頂レースの様相を呈して行きます。
悪天候や雪崩など様々な困難と闘い、難行苦行の末、測量隊は遂に山頂に至りますが、そこで見たものは・・・。
映画は、かって撮影技師でもあった木村大作氏が造っただけに、険しい山なみや登攀シーンなど、この映画の見所ともなっているダイナミックな映像は、山岳ファンならずとも楽しめます。また、案内人を演じた香川照之氏のしぶい演技に好感が持てました。 写真は、関連サイトからお借りしました。