田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

岩崎宏美さんの「PRAHA」

2009年07月03日 | 音楽三昧

伸びやかな歌声と歌唱力の高さで人気の岩崎宏美さんのアルバム「PRAHA」を聴きました。

このアルバムのことは、「ステレオサウンド」誌に掲載されたオーデイオ評論家小林吾郎氏との対談で知りました。

岩崎さんのベストヒットを中心に収録されていますが、何と言っても、ドヴォルザーク・ホールのチェコフィル及び、エクストンの江崎友淑氏(著名な録音技師)とのコラボレーションというのが、オーデイオファイル(愛好家)にとっても魅力です。

果たして、で出しの「聖母たちのララバイ」から、雄大なオーケストラをバックに、岩崎さんの美しいボーカルが響きます。

収録曲

 1.聖母たちのララバイ
 2.シアワセノカタチ
 3.思秋期
 4.夢やぶれて(ミュージカル「レ・ミゼラブル」から)
 5.手紙
 6.ロマンス
 7.好きにならずにいられない
 8.シンデレラ・ハネムーン
 9.万華鏡
10.すみれ色の涙
11.ただ、愛のためにだけ
12.つばさ~Dedicated to 本田美奈子~

耳に馴染んだ「聖母たちのララバイ」や「すみれ色の涙」などは勿論、今度のアルバムで最も気に入ったのが、本田美奈子さんの「つばさ」でした。この曲は、詩も曲もすぐれていますが、何といっても本田さんの挽歌となっているという思いもあります。

また、このアルバムには、阿久悠氏の作詞になる岩崎さんデビュー直後の曲が3曲入っています。「思秋期」、「ロマンス」と「シンデレラハネムーン」ですが、いずれも、同氏特有の場面を切り取ったようなすばらしい詩がお楽しみになれます。以下、「思秋期」のみご紹介します。

思秋期

 ”足音もなく行き過ぎた
 季節をひとり見送って
 はらはら涙あふれる私十八

 無口だけれどあたたかい
 心を持ったあのひとの
 別れの言葉抱きしめやがて十九に

 心ゆれる秋になって涙もろい私
 青春はこわれもの愛しても傷つき
 青春は忘れもの過ぎてから気がつく

 ふとしたことではじめての
 くちづけをしたあのひとは
 ごめんといったそれっきり声もかけない

 卒業式の前の日に
 心を告げに来たひとは
 私の悩む顔見て肩をすぼめた

 誰も彼も通り過ぎて二度とここへ来ない
 青春はこわれもの愛しても傷つき
 青春は忘れもの過ぎてから気がつく

 ひとりで紅茶のみながら
 絵葉書なんか書いている
 お元気ですかみなさん
 いつか逢いましょう

 無邪気な春の語らいや
 はなやぐ夏のいたずらや
 笑いころげたあれこれ思う秋の日”

「思秋期」。どんな曲かイメージがわきませんでしたが、「青春はこわれもの~」というフレーズを聞いて思い出しました。いい歌ですね。