桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

大地震とPCモニタ

2011年03月18日 11時52分12秒 | 日録

 ブログを更新していなかったので、ご心配いただくメールやメッセージを頂戴しました。ありがとうございます。
 体調を崩していたわけではありません。体調は決して良好とはいえませんが、そのことでブログ更新を滞らせていたのではないのです。

 十一日の大地震 ― 。
 日が経てば経つほど沈痛な思いが深くなって行きます。
 付き合いをつづけているのは一人もいませんが、私の大学時代の同級生は仙台市とその周辺の出身者が一番多く、ほか大部分も東北出身者でした。
 大学生だったころから四十年も経ったいまでも、生まれ故郷に住んでいるかどうかもわからないのに、死者・行方不明者の数が日増しにふえて行くのを知ると、居ても立ってもいられない気持ちに駆られ、私と同年齢、もしくは(浪人して入学した者もいたので)一つ二つ上という年齢だけを頼りに、死者の名簿を目で追っています。
 同じ学科の大半は女子学生だったので、苗字では探せないからです。かといって旧姓(結婚していればですが)は思い浮かぶけれども、名前まで憶えているのは何人もおりません。

 いまのところ、思い当たる名前と年齢が一致した人物はありません。しかし、見落としているかもしれぬと思うと、何日も前の新聞を再び読み返したりしています。
 それにしても夥しい数の死者……。当日、津波が家や車を浚って行くのをテレビで視ながら、避難できなかった人がこんなに多かったとは思いもよりませんでした。

 地震がきたのは、塩茸をつくろうと椎茸とエリンギを千切りにしているときでした。
 我がアパートは地盤が弱いのか建て付けが悪いのか、大型トラックが通ると、ギシギシと音を立てて揺れます。最初はそのテの揺れだろうと思いました。しかし、そのテの揺れなら、一秒か二秒で収束します。
 大型トラックが隊列を為して、次から次へとやってくるようでした。
 恐怖というより不気味でした。あとで、とっさに怖いと思うものより、そういう不気味さのほうが怖いものだったと知らされました。

 茸を湯通しするために点けていたガスの火を消し、台所を出てダイニングルームに回り込み、食器棚を押さえました。押さえたり支えたりすべきものはいろいろありましたが、とっさには何をしたらいいのかわからず、食器棚を押さえたのです。

 何十分も揺れていたように思われました。
 収まったように思えたので、居間に行くと、姿見が倒れ、柱に掛けていた掛け時計がぶっ飛んで、床に叩きつけられていました。
 姿見はチェストの角にぶつかったはずなのに、幸いなことに割れませんでした。掛け時計は縁が欠けましたが、動きつづけていました。見渡したところ、ほかに被害はないようです。

 夕方、余震も間遠になったようであったし、買い物の必要があったので、外に出ました。
 富士川べりに降りると、常磐線を東京方面に向かって歩いている人影が見えました。眼鏡をかけていなかったので、人が歩いている、とわかるぐらいで、服の色まではわかりません。てっきり線路を点検をしているのだと思いました。
 ところが、近づいて行くと、線路点検にしては歩く人たちの数が多過ぎる。それに作業服姿ではないことがわかってきました。



 跨線橋に上ってカメラを構えました。上方が柏方面。電車は北小金の駅から1キロほど柏寄りで停まってしまったみたいです。
 小さな男の子を抱いて歩いている父親がいました。すぐ後ろを勤め人ふうの男性がベビーバギーを持って歩いていました。
 行きずりの関係のように見えました。日本もまだ棄てたものではないと、ちょっとした感動に涙がこぼれそうになりました。

 



 いつもは人のいない北小金駅のコンコースがかなり混雑の様相を呈していました。



 前ヶ崎の香取神社では燈籠が倒壊していました。

 翌日、もっと重大な被害があったことに気づきました。
 な~んと、落下していた掛け時計は(多分)パソコンのモニタに当たって液晶画面を破壊したあと、床に落ちていたのです。
 当たったのは右隅だったので、その日のうちは気づきませんでした。その夜、短時間であったと思いますがパソコンを点けており、支障はなかったのです。

 気づいたのは翌朝です。
 いつまで経ってもパソコンが立ち上がらない。
 電源が入っていなかったのかと思えば、電源ランプは点灯しているし、モータも回って、パソコンは立ち上がっています。地震のショックで接続ケーブルが緩んだのかと思って、すべて外して繋ぎ直しましたが、画面は明るくなりません。
 よくよく見ると、モニタに小さな罅(ひび)割れが入っていました。ここにぶつかったものは何か……と考えても、ペン立てが倒れていたのを除けば、何もない。すなわち掛け時計しかないのです。
 画面が見えないので、パソコンの強制シャットダウンを何度か。ダメだと諦めても諦め切れず、夜も何度かチャレンジ……。諦めるしかなくなりました。

 そのモニタを買ったのは数年も前のことなので、値段がいくらであったか憶えがありませんが、少なくとも数千円で買えるものではないだろうと考えると、心は沈んでしまいました。
 壊れかけていたのに、いまだに棄てずにいたノートパソコンを引っ張り出しました。いざとなればこれで凌ぐほかないが、こちらも液晶の具合が悪く、ときどき思い出したように明るくなってくれるだけなのです。

 モニタを買ったのと同じころ、中古のネットMDを買った店が北千住にあったのを思い出したのは地震から二日目、日曜日の夜でした。翌朝、電話を入れたら、15インチのモニタなら一台だけ在庫があるという。価格は五千円以下でした。
 その値段なら買えなくもないが、仕事捜しは諦めて、代わりにつましい生活を送るのだ、と決意を新たにしたばかりです。我ながら、じつに情けないことながら、五千円の出費は沈痛です。

 家にいることが多くなると考えると、パソコンが宝の持ち腐れになってしまうのは耐えがたい。かといって、五千円……。
 鈍い頭を巡らせたところでなんの解決策も生まれませんが、究極の決断を迫られているような気になると、夜も眠りが浅い。
 ウトウトしかけたところに、ビェーッビェーッビェーッと携帯電話の緊急地震速報が鳴って目が覚めます。
 震源が千葉県東方沖だったり茨城県沖だったりすると、鳴ると同時に揺れがきますから、何かするという時間もありません。

 エェーイ、あとのことはなるようになれと、モニタを買ってしまう決意を固めた月曜日、常磐緩行線は計画停電で松戸以北は運休。翌火曜日も運休。
 運休だと思っていた火曜日の午後、買い物に出たら、前日は閉まっていた駅のシャッターが上げられて、電車は動き出しているようではありましたが、一時間に一本程度、とのことだったので、私にとっては緊喫の課題ではあっても、不要不急のお出かけは自粛。

 昨日、莫迦みたいな風が吹くのと、電車は動いているようでも本数が尠ないということだったので、出かけるのをためらっていましたが、一週間近くもパソコンを見ていないという寂しさに耐え切れず、やっと買いに行ってきました。

 こうしてようやく復活しましたが、身体のほうはどうも情緒不安定気味で、いつまでも身体が揺れているようなのです。地震酔いという症状であるようです。

 いまのところ、私の存じ寄りの中では、知人の母上(福島県)が亡くなられたと知りました。
 それと去年二月、九十九里浜矢指ヶ浦で出会った白の野良猫殿。浜は津波に襲われたようなので、多分……。


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4 コメント

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地震 (うー太)
2011-03-18 16:39:27
私も、とっさにしたことは食器棚を押さえる事でした。本当に怖かったですね…
水槽の水がこぼれて水浸しになりました。連日のニュースも、悪夢のようです…
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安心しました (Maas)
2011-03-18 17:12:36
被害に遭われてお気の毒ですが、お身体に支障がなくてよかったと言わざるを得ません。
ご無事でなによいでした。
少しだけ安心しました。
なにか困っておられることがあればどうぞおっしゃってください。
こういうときは持ちつ持たれつですから、遠慮はご無用です。
メッセージ欄へ住所を書いて下されば物資を送ります。
幸い、関西はまったく問題ありませんでした。
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桔梗さんへ (風月)
2011-03-19 09:53:18
コメント有り難うございました。いつも風月庵だよりをお読み頂いているとのこと、有り難うございます。
お互いにこの地震では、他人事とは思えず、毎日心を痛めています。
勿論明日は我が身になる地震大国に暮らしているのです。
お互いにこれからも余談を許さない状況ですが、自衛にも心がけて乗り越えましょう。くれぐれもお気を付けください。
返信する
桔梗さんへ (風月)
2011-03-19 09:54:11
コメント有り難うございました。いつも風月庵だよりをお読み頂いているとのこと、有り難うございます。
お互いにこの地震では、他人事とは思えず、毎日心を痛めています。
勿論明日は我が身になる地震大国に暮らしているのです。
お互いにこれからも余談を許さない状況ですが、自衛にも心がけて乗り越えましょう。くれぐれもお気を付けください。
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