6日の李肇星会見、日本の新聞各社は「慰安婦問題の安倍発言批判」ばかりをクローズアップしている。この話題が読者受けするのだろうが、外交部の発表を読むと批判よりはむしろ関係改善に重点をおいた発言に見える。
全文を読んでいて、日本のマスコミが報道していない一文が引っかかったので抄訳しておく。毎日新聞記者の質問に答えたもの。
<<抄訳>>
あとは安保理改革問題を想定しておられるのだと思う、是は多辺的な問題で、我々は日本を含めた各方面との民主的な議論に参加したいと思います。日中両国外交部門もこれらの問題について接触と協議をすることができます。
・外交部(中文)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/zxxx/t301647.htm
確か、今年の頭までは日本の常任理事国入りを妄言扱いしていたはず。それが(いつものようにいつのまにか)話し合いを始める、というニュアンスに変わったのは、裏でなにか動きがあるように思える。
どうも擦り寄り方が気持ち悪い。
中国がなんとかしたいと思われるのは
・中国脅威論
・円借款廃止
・日本の首相のお参り
くらい?
どれをとっても常任理事国入りとトレードしてもいい話ではない。
追加:
朝日を除く日本の新聞各社も報道している通り、表向きの中国国防費が日本の防衛費を上回り、中国はなりふりかまわず軍拡路線を驀進中。中国は必死になって言い訳しているようだが、朝日が記事にしない他は「中国脅威論」は収まる気配がない。
・中国:国防費、前年度当初比23%増 日本の防衛費上回る--19年連続2けた(和文、毎日)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/china/news/20070305ddm001030016000c.html
以前にも書いたが、予算が不透明なだけではなく、核ミサイルは他国に向けているわ、中古の空母は買いあさるわ、原潜には他国の領海を侵犯させるわ、ミサイルで衛星はぶち落とすわ、戦闘機の設計図とジェットエンジンを買ってきて自分で作るわ、やっていることが露骨にきな臭い。
今のところ渡洋侵攻能力がないからいいようなものの、このまま軍備を整えられたらそれもどうかわからない。
日本としてはこれまで中国に貸し付けた金を返して貰って、防衛予算をいまより少しは増やさないといけない。