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例え話

「この件については別の場所で何度もお話しましが、思うところのある人には伝わらないようですね。では分かりやすい例え話をしましょう。
 もし隣の人がドアの隙間から家の中をのぞきこんでおり。なぜドアを開けないのだ、ドアを開けて家の中を見せろといつも叫んでいたらどうです?どう思います?警察を呼びませんか?」

 たかだか53文字の質問
「アメリカや日本の一部の官僚が、最近中国軍備の不透明性と衛星破壊試験を批判し、中国は外国の脅威となっていると述べた。どのように思うか?」
に対する、一国連常任理事国の外交報道官の回答。

 この、論点ずらしが見え見えな例え話に続き、文字にして849文字の熱弁をふるっている、この日の回答で次に多い回答は416文字なので、いかに必死になっているかがわかろうというもの。
 内容的には、いかに中国は平和を愛する国家かということを、事実を否定する形で切々と述べる。

 最後に我に返ったのか
「回答が少し長くなりました、みなさんの根気良さに感謝します。国際では一部の人がいつも中国を脅威といっているので、私は中国の外交理念を系統だてて説明することで、みなさんが中国の外交政策と平和発展路線を理解してもらえると思うのです」
などと言い訳を重ねてしまっているあたり、各国の記者もドン引きだったのだろうと想像にかたくない。

http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t300431.htm(中文、外交部)


 スポークスマンに限らず外交官というのは、時には意地悪な質問もペーソスを交えて切り返す余裕が必要だと思うのだが、この報道官は必死すぎて痛々しい。これが記者の勘違い質問に対して、真実を説明するという立場であればここまで必死になる必要もない。
 実際問題として世界中から流れ込んできた資本を軍拡に回しているのは事実であり、なぜかは知らないがそれを認めたくないようなのでこのように言い訳をしなければならない。
 筆者も例え話をするなら「後ろめたいところがないのなら、ドアを開けて家の中を見せればよい」。まあそれをいうと「半世紀以上前、三代前の隣人がうちのモノを盗ったことがある」と言い出すのだろう。
 
 いずれにせよ、中国として脅威論をなんとかしたいと本気で思うのならば、つい最近まで日本がしていたように外国に対して自国が脅威ではない旨を態度で示す必要がある。

 具体的には、
・平和憲法を制定
・第二砲兵を解散
・海軍は海防艦程度に縮小

 最低でもこのくらいはしないと信用はしてもらえない、中国の軍事ドクトリンからしたらまず無理だとは思うが。


 人民網日本版に和文がのっている
http://j.people.com.cn/2007/03/02/jp20070302_68328.html
 興味深いことに、例え話と最後の言い訳は訳されていない。
 同じ事象について、国内向けと国外向けで表現が違うなどというのは、筆者のような野次馬には堪らない現象である。この場合は純粋に報道官の健康を心配するべきではないか。


 あとは明日から全国政協会が、5日から全人代がはじまります。とりあえず。

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