妄想による愉快な国際時事ネタ解釈
四生の盲者日記
光華寮
1967年台湾が日本の京都に所有する留学生寮(1952年取得)から、当時反体制だった中国共産党を支持する寮生に立ち退きを求めた訴訟を起こしたのが発端。1972年に中国大陸における正当政府を中華人民共和国と日本が認めたことから話がややこしくなり、塩漬けにされていた訴訟。
最高裁第三小法廷が1月23日、「原告国家として訴訟権を持つのは中国か台湾か」釈明手続きに入っていた。
3月2日
中国人寮生が意見書を提出。
意見書要旨:
台湾は1972年の日中共同声明によって中国を代表する地位を失い、訴訟を行う権限はなくなっている。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070303AT1G0202Y02032007.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070303&j=0022&k=200703039774
3月9日
台湾外交部が意見を表明。
要旨:
「中華民国は1952年に光華寮を取得した際にすでに台湾を管轄しており、その事実に全く変化はない。台湾は訴訟権限を当然持ち続けている
http://www.shikoku-np.co.jp/national/social/article.aspx?id=20070309000457
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070309AT1G0902P09032007.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070309ic27.htm
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20070310/20070310_007.shtml
さっさと差し押さえて競売にでもかけておけばこんな面倒もなかっただろう。まるで釈明手続きを待っていたかのように、2月から公企業名から「中国」を払拭しつつある台湾。日本の判例が国際社会に影響を与えるものとは考えられないものの、最高裁も絶妙のタイミングで釈明を始めたものだと思う。まるで熟成したネタのようだ。
素人目には寮生側が『日中共同声明』を持ち出してきたのは作戦ミスではなかろうか。たしかに共同声明は「日本国政府が、中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府であることを承認した」根拠たりえるが、同時に「日本国政府は、中共の台湾に対する表明を、理解し尊重する」にすぎない根拠にもなりえる。
今は最高裁がどんな判断を示すかに注目。台湾という島を実効支配しているのは台湾当局なので、個人的には正当性は台湾当局にあるような気がする。
日中共同声明
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html
ポツダム宣言
http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j06.html