時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

大したことはない大企業の「赤字」決算

2009年05月02日 | 経済問題
経済情勢の悪化に伴い、上場企業なども「赤字」に転落したと騒いでいる。
しかし、「黒字」の時は、ひっそりと鳴りをひそめて、株主への配当を増やし、経営陣へのお手盛りのボーナスを奮発していたに違いない。
「赤字」になったからといって、経営者はもちろん、マスコミなども大騒ぎすべきではない。
もっとも、経営者にすれば、「赤字だ」、「赤字だ」と騒ぎ立てて、それを口実に、非正規雇用者を切り捨て、正社員に対しても希望退職を募り、さらに人件費などの固定費を削減しようという思惑がある。現実に、自動車、家電業界は、そういう行動に出ている。
しかし、「赤字」などは大したことではない。家計だって同じだ。5年、10年の間、毎年貯蓄ができていれば、子供たちの入学が重なって、単年度で赤字になっても別にどうということはない。一般家庭でもそうなのだから、ましてや、企業では万一に備えて、十分な資金も確保しているだろうから、単年度の赤字などは別にどうということはない。
さて、雇用統計によると、雇用者数は計5159万人で、このうち正規が3399万人、非正規は1760万人だった。前年に比べ、正規は42万人減で3年ぶりに減少、非正規は28万人増で6年連続増加した。
実に、3分の1以上が非正規雇用者である。異常な事態ではなかろうか。
この中には、夫が正規雇用で、妻がパートで働いているといった場合もあるだろうが、やはり、正規雇用を希望しながらもやむを得ず、非正規雇用を強いられている人たちも多いに違いない。
景気が悪化すれば、真っ先にその調整弁にされるのが、こういう非正規雇用者である。
内需拡大などと声高に叫んでいるが、多くの国民の雇用を奪っておいて、消費が増えるはずがない。
雇用の安定とそれに伴う所得の増加、医療や福祉、教育などの制度充実により、子育てや老後不安を解消することこそ、内需拡大の決め手であろう。