時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

年金で老後の生活はまかなえない

2007年12月22日 | 政治問題
国民年金や厚生年金などの公的年金では老後の日常生活費をまかなえないと考えている人が82%(前回比2.8ポイント増)に達していることが、生命保険文化センターのアンケートでわかったと報じられている。
今年の4~6月に、全国の18~69歳の男女4059人の調査結果によるという。
まぁ、当たり前の調査結果であろう。
国民年金は、40年間かけ続けて満額もらって月に6万6千円である。生活保護基準よりも少ないことから、不平等だというので、生活保護費の金額を減額しようというたくらみもあるくらいの低額である。自営業などで、仮に、65歳を超えて働くとしても、これで生活できるわけがない。
一方、厚生年金も、掛け金は毎年のように上昇しているが、給料の伸び悩みなどもあって、標準世帯で月に約22万円ということだから、病気になったり、特別な支出があれば、たちまち生活費が足りなくなるような額である。しかも、60歳で定年退職し、年金支給年齢である65歳までの生活費などを考えると、多くの国民が不安を抱くのは当然である。
しかも、現在のように、年金をかけていてもその記録が不明になったり、規定どおりに支払われないような状態があれば、国民としても不安は拭いようもないではないか。
国民年金、厚生年金、共済年金の統合はそれほど簡単ではないが、自営業であってもサラリーマンであっても少なくとも平均的な老後の暮らしが保証されるような仕組みを整えることが必要であろう。
また、介護保険や医療保険を含む社会保障制度全般への不満や不安が高まっていることも裏付けられたという。
公的な社会保障で「まかなえるとは思わない」という回答は、介護保険でも86.1%(同5.9ポイント増)、医療保険は65.5%(同1.7ポイント増)と、いずれも増えた。
老後の生活について、「不安を感じる」と答えたのは84.6%。これらの人に不安の内容を複数回答で尋ねたところ、「公的年金があてにならない」が81.8%で最多。「健康を害して日常生活に支障が出る」48.4%、「自助努力による経済的準備が不足」40.7%といった経済的不安が続いた。
老後に夫婦2人で暮らす場合の生活費については、「最低限必要」とする月額は平均23.2万円で、前回より1万円下がった。「ゆとりある老後生活に必要」と考える月額は平均38.3万円で、4000円高くなったという。
介護保険も、保険料負担が増えると同時に、自己負担額が増え、介護サービスの切捨てが行われている。また、医療保険については、来春からは75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度がスタートし、わずかばかりの年金から保険料を強制的に徴収する制度となる。
国民の生活の不安を解消するのが政治の役割である。
国会会期を2度までも延長して、給油新法を通すことに時間や税金をを費やすことほど無駄なことはない。このことだけは、確実である。