時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

イージス艦がミサイル迎撃に成功?

2007年12月18日 | 政治問題
海上自衛隊のイージス艦「こんごう」が、米ハワイ沖の太平洋上で、初の弾道ミサイル迎撃実射訓練を行い、迎撃ミサイルが、目標となる模擬弾道ミサイルを大気圏外で直撃、破壊することに成功したという。今回、実射訓練が成功したことで、日本は、ノドンやテポドン1などわが国を標的とする北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗し得る手段を手に入れたことになると報じられている。
カウアイ島の米海軍太平洋ミサイル射場から、1発の模擬弾道ミサイルが発射され、同島北部海域で待機していた「こんごう」は、発射と同時に、模擬弾の探知、追尾を開始。発射から約4分後、迎撃ミサイルを発射し、その約3分後、高度100キロ以上の宇宙空間で模疑弾の弾頭に命中、破壊したという。
しかし、こんなことがそれほど喜ぶようなことだろうか。
小泉政権時代に、北朝鮮がテポドンを発射した時、一体どのようなミサイルが何発発射されたかもわからず、翌日になってアメリカから情報をもらうような日本の自衛隊に、果たしてミサイルを迎撃できる能力があるだろうか。
アメリカでさえ、13回の実験で2回の失敗があるという。もしかりに、一度に10発、20発というミサイルが日本に向けて発射されたら、それらをすべて迎撃できるだろうか?
また、今回は事前にミサイルが発射されることがわかっていたから成功したかもしれないが、いま、この瞬間に(たとえば北朝鮮から)ミサイルが発射されたら、これがロケットなどではなくミサイルであると認識し、しかも日本に対する攻撃であるかどうかを見極め、数分以内に迎撃ミサイルを発射できるだろうか?
はっきり言って無理だろう。
だからと言って、1隻1400億円もするイージス艦を20隻、30隻保有し、日本全国にレーダー基地やミサイル基地をハリネズミのように建設しても結果は同じである。
それどころか、そんなことをすればかえって諸外国から日本の軍備拡張を非難され、近隣諸国からますます危険な国と認識され、攻撃の対象になることだろう。
とすれば、他国からミサイルが飛んでこないような外交努力こそが重要ではなかろうか。
ミサイルと打ち落とすというような設備や訓練に多額のお金をかけ、無駄な時間を過ごすことが求められているのではなく、平和的な外交努力、経済的な支援などこそが近隣諸国より求められていることは明瞭である。
日本の高い技術力や生産性を生かし、軍事費を大幅に削減したお金を近隣諸国の経済発展や医療や福祉の充実に用いれば、諸外国から尊敬され、感謝されるような支援が行えると考えるのは編集長ばかりではあるまい。