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●「自民党総裁選を嗤(わら)う」新聞求む…《明治から大正、戦前期の昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒鋭く批判し続けました》

2021年09月24日 00時00分11秒 | Weblog

(2021年09月12日[日])
東京新聞の記事【<社説>新聞の存在理由を問う 桐生悠々を偲んで】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129825?rct=editorial)。

 《気骨のジャーナリスト、桐生悠々=写真=は八十年前のあす十日に亡くなりました。破滅的な戦争へと向かう時代、古巣の新聞界にも批判の矛先を向け、奮起を促し続けた悠々を偲(しの)び、今の時代にも通じる教訓を読み取ります。悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知新聞」や、長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です》。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふは日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任を
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行」だからである》と〆ています」


   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
    《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練
     行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った
     桐生悠々
なら何と評するでしょうか》

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「東京新聞の社説【週のはじめに考える 権力と向き合う覚悟】…
     によると、《全米の新聞、一斉に社説言論の自由への危機感
     …桐生悠々の奮闘を偲ぶ…あす九月十日は、四一年に亡くなった
     悠々を偲(しの)ぶ命日です。百年という時を隔て、また日米という
     太平洋を挟んだ国で同じように、新聞が連帯して時の政権に毅然(きぜん)
     と向き合ったことは、民主主義社会の中で新聞が果たすべき使命を
     あらためて教えてくれます。私たちは今、政権に批判的な新聞との
     対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。悠々ら先輩記者や
     米国の新聞社で働く仲間たちの奮闘は、私たちを奮い立たせ、
     権力と向き合う覚悟を問い掛けているのです》。
      《権力と向き合う覚悟》…無しなニッポンのマスコミではなかろうか…」


   『●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、
     犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》
    「《「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが
     「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、
     「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」》と。《桐生悠々…に
     とって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う
     義務の履行だった》。この度、アノ高市早苗氏が総務相に復活。
     アベ様の政で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロールの下、
     《権力と向き合う覚悟》がマスメディアにはあるのだろうか? 
     《義務の履行》を果たしているか?」

 《新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか》。アベ様およびカースーオジサンによる9年近くの《メディアコントロール》の頚木の打破を。《悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます》…箕部幹事長の言う「他山の石」ならぬ、「自」山での「石」だらけ。例えば、腐敗した政権や数多のアベ様案件の責任をとらせてほしい。また、《平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です》。

   『●まだまだ続くのか、ウルトラ差別主義者の失言・暴言
         …福岡8区の皆さん、いい加減に落選させてください
   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)
   『●癒(ゆ)党・《菅義偉の別動隊がいよいよ動き出した》―――
     《部分連合》などと言わずに、スッキリと自公お維で一体化してほしいもの
   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の

     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
   『●総合科学技術・イノベーション会議(菅義偉議長)…《「稼げる大学」へ
         外部の知恵導入 意思決定機関設置、来年法改正》(時事通信)
   『●COVID19対策に「せんにん」するため粛々と政権を無責任に放り
     出してアベ様を《継承》し、一体どこが「国民のために働く。」政権か?

   『●《国会も開かず党の選挙が優先》な自民党…違憲にも国会を開きも
     しない自公お維の暴政を許してはいけない [#投票倍増委員会 会員]
   『●醜悪…《安倍晋三や…麻生太郎が偉そうに派閥の領袖として力を
     行使し、それに対して首相になりたい…や…が上目遣いでご機嫌を…》
   『●《フジロック批判の珍奇さ…ギスギスさせて、失政を自分以外の
     誰かのせいにする、あの技術に、加担してはいけない》(武田砂鉄さん)
   『●山添拓議員の《送検》、八代英輝弁護士の《野党共闘に対する意図的な
      攻撃》とそれに群がるお維議員たち、中村格氏の警察庁長官へ昇格…

   『●《国会を開かなければ、それもできない。これを政治空白と言わず
     して、何と言う。…国権の最高機関である国会の軽視も甚だしい》…

 東京新聞の記事【消費税減税、原発ゼロを追求 4野党、衆院選へ共通政策合意】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/129603?rct=politics)によると、《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の4野党党首は8日、安全保障関連法廃止を求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き、消費税減税や、原発のない脱炭素社会の追求などを盛り込んだ次期衆院選に向けた事実上の共通政策に合意した。合意後、立民の枝野幸男代表は「次期衆院選で共通の政策を掲げ戦えば、必ず政権交代できる。国民の命と暮らしを守る政権をつくる」と語った。共産党の志位和夫委員長も「共通の旗印が立った。選挙に勝利し、政策を実行する政権をつくりたい」と強調した。立民、共産両党は、これを契機に衆院選小選挙区の候補者一本化に向けた調整を加速させる構えだ》そうだ。

   『●《立憲民主、共産、社民、れいわ新選組…安全保障関連法廃止を
     求めるグループ「市民連合」と国会内で会合を開き…共通政策に合意》

 野党の動きをもっと報じて! 何度でも言いますが、自民党総裁は誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/週明け石破茂・元幹事長の出馬あるぞ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202109100000208.html)によると、《★前首相・安倍晋三、元首相・麻生太郎、党税調会長・甘利明のいわゆる3Aが守りたいものが図らずもわかってきた。前政調会長で総裁選挙に出馬を決めた岸田文雄森友学園について触れただけで過剰に反応したようで岸田はすぐさま修正した。元幹事長・石破茂は党内で嫌われているのか。石破をどうしてもだめだという党内の理由はこの3Aが嫌っているからであり、党の議員として特別、異彩を放つ政策を持っているわけではない。こちらも森友・加計事件だけでなく、桜を見る会などに疑問を持っているだけで3Aから見ればけしからん存在ということのようだ。 ★つまりほじくり返すやつは全部だめということなのだろう。また3回生までは安倍・菅政治しか知らない議員たちで、この2人ににらまれたら怖いと思って同調しているのだろう。だからもともと魅力的な候補者が少ないこの総裁選がどんどんつまらなくなる。すべてが長老議員たちの代理戦争になるからだ。意中の候補を当選させ操りたいというのは、過去の事件を掘り起こさせないためか、それともすべての権力を維持掌握していたいからか。 ★それを問うメディアも長老の介入は迷惑だという候補者もいない。そんな中で29日まで総裁選挙をやり続けても国民の関心は薄れるだろう。9日には政調会長・下村博文、外相・茂木敏充は総裁選への不出馬を発表した。これで党内最大派閥細田派と竹下派は候補者を出さないことになった》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/129825?rct=editorial

<社説>新聞の存在理由を問う 桐生悠々を偲んで
2021年9月9日 07時49分

 気骨のジャーナリスト、桐生悠々=写真=は八十年前のあす十日に亡くなりました。破滅的な戦争へと向かう時代、古巣の新聞界にも批判の矛先を向け、奮起を促し続けた悠々を偲(しの)び、今の時代にも通じる教訓を読み取ります。

 悠々は、本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ「新愛知新聞」や、長野県の「信濃毎日新聞」などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた言論人です。

 明治から大正、戦前期の昭和まで、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を筆鋒(ひっぽう)鋭く批判し続けました。その報道姿勢は、今も私たち新聞記者のお手本であり続けます。

 悠々は信毎時代の一九三三(昭和八)年八月十一日付の評論「関東防空大演習を嗤(わら)う」が、軍部の怒りや在郷軍人会の不買運動を招いて、信毎を追われます。


◆政府の提灯持ちと批判

 新愛知時代に住んでいた守山町(現名古屋市守山区)に戻った悠々は個人誌「他山の石」の発行で糊口(ここう)をしのぎます。軍部や権力への旺盛な批判がやむことはなく、同誌の発行は、悠々が喉頭がんで亡くなる直前の四一(同十六)年九月五日号まで続きました。

 ただ、この号は発行に至りませんでした。原稿を活字に組み込んだものの、病状が悪化して、校正作業をするための「校正刷り」段階にとどまったためです。悠々は八日、友人や読者に「他山の石」廃刊の辞を発送し、十日に息を引き取ります。六十八歳でした。

 悠々の「遺言」とも言える最後の九月五日号に掲載されているのが「科学的新聞記者」という記事です。抜粋して紹介します。

 《この頃の新聞に至っては、…全然社会を無視して、時の政府の反射鏡たらんとしている。輿論(よろん)を代表せずして、政府の提灯(ちょうちん)を持っているだけである。そして彼等(かれら)は矛盾極まる統制の名の下に、これを彼等の職域奉公と心得ている》
 《今日の新聞は全然その存在理由を失いつつある。従って人はこれを無くもがなのものとしているけれども、他に代(かわ)ってその機能を果たすものなきが故に、彼等は已(や)むを得ずなおこれを購読しつつある。…今日のだらしない状態である》
 《将来の新聞は科学的でなくてはならない。現在に於(おい)て、全くその態度を一変しても、決して早くはあるまい》《神秘主義を尊奉するに至っては、その存在理由を失うのは明である。見よ、彼等は既にその存在理由を失わんとしつつある。試みに街頭に出て、民衆の言うところを聞け、彼等は殆(ほと)んど挙げて今日の新聞紙を無用視しつつあるではないか》

 軍部が政治の実権を握り、すでに日中戦争に突入し、国家総動員で日米開戦に向かう時代です。

 残された時間の短さを自ら感じ取った悠々は、言論統制や戦争協力に甘んじる新聞や記者の現状を憂い、最後に、書き残しておかねばならないと考えたのでしょう。

 それは、悠々にとって「言いたいこと」ではなく「言わねばならないこと」だったはずです。


◆今の時代に通じる警鐘

 私たちが暮らしている今の日本は当時と違い、憲法で言論、報道の自由が保障されています。しかし、悠々の指摘は、今の時代にも通じる警鐘に思えてなりません。

 新聞などメディアは社会に寄り添い、世論を代表しているか政府の言い分を垂れ流し、報道を規制されても公益のためと思考停止に陥っていないか。ネット時代に新聞は本当に求められているか。存在理由はどこにあるのか−。

 悠々が亡くなったのは日米開戦の三カ月前でした。「他山の石」廃刊の辞では「唯(ただ)小生が理想したる戦後の一大軍粛を見ることなくして早くもこの世を去ることは如何(いか)にも残念至極に御座候」と、戦後の軍縮をも予想しています。

 悠々が理想とした一大軍縮は、日本では戦後、戦争放棄戦力不保持平和憲法に結実し、日本は戦争のない時代を過ごします。

 しかし、平和憲法の下、歴代内閣が憲法違反としてきた「集団的自衛権の行使」は、安倍晋三前政権によって容認に転じました。防衛費の増額も続きます。新聞などのメディアが声を上げ続けなければ、平和主義は一瞬にして骨抜きにされるのは歴史の教訓です

 生涯言論人であり続けた悠々は私たちの新聞にとって、進むべき方向を示す「極北の星」のような存在です。《今日の新聞は全然その存在理由を失いつつある》。悠々が最後に書き記した一節は、没後八十年の新聞を担う私たちにも自問自答を迫ります。
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●辺野古は単なる破壊「損」…《普天間飛行場の危険性を除くためだとしても、同じ県内に基地を移しては負担軽減にならないにもかかわらず》

2020年07月27日 00時00分07秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]



東京新聞の社説【本土復帰から48年 「沖縄の心」届く日は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020051402000144.html)。
週刊朝日のコラム【室井佑月「絶対に必要だった?」】(https://dot.asahi.com/wa/2020070800014.html)。

 《沖縄県が日本に復帰してから四十八年がたちますが、県内には在日米軍専用施設の約70%が残り新しい基地すら造られようとしています。「基地なき島」を切望する県民の心は、いつになったら日本政府に届くのでしょうか。…政府の枢要を占める政治家や官僚にはぜひ、かつて岸氏のような官僚がいたことを思い起こしてほしい。本土に住む私たちも同様に、沖縄の現実から目を背けてはならないのは当然です》。
 《(てか、戦争になったら、イージス・アショアが配備されている地域が真っ先に敵のミサイルに狙われるだろうしな)…もうこうなったら、「絶対に必要だ」と言い張った人たちの今の意見が知りたいよ。…軟弱地盤の改良で、いくらかかるかわからない辺野古の新基地も、怪しい》。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
     従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
    「『マガジン9』に鈴木耕さん…【風塵だより 鈴木耕/番外編:
     大田昌秀さんへの、さびしい最終便】…《1999年、21世紀を
     目前にして、ぼくは集英社新書の創刊準備に大忙しだった。その中で、
     ぼくがどうしても作りたかった本の1冊が『沖縄、基地なき島への道標
     だった。沖縄の新書、それは絶対に大田昌秀著でなければならないと、
     ぼくは思い定めていた。……沖縄は、大田さんの思い描くような
     進み行きとは、まったくほど遠い現状だ。「基地なき島への道標」を
     あれほどしっかりと示してくれたのに、
     それを無視して基地を押しつける日本政府。》」

   『●「敗戦後」も戦争は続き、「唯一の地上戦があった沖縄は
                  いわば「捨て石」同然だった」
    《風塵だより 鈴木耕 沖縄熱風篇:大田さんへ、花を捧げに……
     7月23日~27日、ぼくは沖縄へ行ってきた。26日の
     「大田昌秀元沖縄県知事県民葬」に参列したいと思ったからだ。
     …新書『沖縄、基地なき島への道標』(集英社新書=これはいま
     読んでもとても示唆に富んだ名著だと思う)の編集担当としてから
     だから、もう18年ほどのおつき合いになる》

   『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
      城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」
    「琉球新報の【<社説>「沖縄のこころ」 基地なき島の実現誓おう】
     …によると、《戦後73年の沖縄全戦没者追悼式の平和宣言で、
     翁長雄志知事は昨年に続いて「沖縄のこころ」という言葉を口にした。
     それは悲惨な戦争の体験から戦争の愚かさ、命の大切さという教訓を
     学び、平和を希求する県民の思いのことだ》。
     大田昌秀さんは、「軍隊は人を守らない」と。
     そして、島袋文子さんも「基地を置くから戦争が起こる」と。」

   『●《沖縄が切り捨てられた日であり、名護市出身の女性が米軍属の男に
     殺害された日でもある。いまも沖縄にとって「屈辱の日」は続いている》
   『●《「慰霊の日」を迎えた。…鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊の悲劇が
     伝わる一方、護郷隊の過酷な運命は長年ほとんど知られていなかった》

 沖縄で切望されている《基地なき島》とは程遠く…《差別的な構造は…今なお続く》。

   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
         宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を
          着て宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●直ぐに辺野古破壊の中止を! 《最悪の場合、埋め立てた盛り土が
          崩れ、護岸が崩壊する恐れ…安全な施工は保証できない》
   『●防衛省と「技術検討会」による《ずさん》な《「結論ありき」の
     出来レース》…《軟弱地盤調査せず…何のための「検討会」か》?
   『●地上イージス計画停止、遅すぎる《当然の帰結》…辺野古の工事は
     中止してください! 海を殺すな! 辺野古も白紙にして原状回復を!
   『●どうしたらいいんですかね? 沖縄で、アベ様や最低の官房長官らが
     やることなすことがデタラメばかり…選挙が終われば、辺野古破壊再開
   『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
        ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている
   『●「敵基地攻撃能力」保有、《安倍首相はアショア断念を「反転攻勢と
          したい。打撃力保有にシフトするしかない」》…狂った発想
   『●COVID19人災でさらけ出され、ここでも《政治家や官僚が国防を
     語れば語るほど、自らの無為無策がさらけ出される》(吉川毅記者)

 #辺野古の工事は中止してください! #海を殺すな! #辺野古も白紙にして原状回復を#辺野古は破壊損! 《にもかかわらず、日本政府は新しい米軍基地を名護市辺野古沿岸部に建設中です。貴重なジュゴンやサンゴ礁が生息しようとも、海底地盤が軟弱でどんなに工期や税金がかかろうとも、お構いなしで土砂を投じます。米軍普天間飛行場の危険性を除くためだとしても、同じ県内に基地を移しては負担軽減にならないにもかかわらず、です》…普天間は返還されることはありません。辺野古は、単なる破壊「損」なんです

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020051402000144.html

【社説】
本土復帰から48年 「沖縄の心」届く日は
2020年5月14日

 沖縄県が日本に復帰してから四十八年がたちますが、県内には在日米軍専用施設の約70%が残り新しい基地すら造られようとしています。「基地なき島を切望する県民の心は、いつになったら日本政府に届くのでしょうか。

    ×    ×

 昨年十二月二十五日、外務省が公開した外交文書の中に、一九六九年十一月二十二日、当時、米軍施政下にあった沖縄から愛知揆一外相に宛てた公電がありました。発信者は日本政府沖縄事務所長の岸昌(きしさかえ)氏。旧自治省から初代所長として派遣され、復帰準備に当たっていました。


対話と理解求める公電

 公電発信は、佐藤栄作首相とニクソン米大統領がワシントンでの日米首脳会談で、七二年に沖縄を「核抜き・本土並み」で返還することに合意し、共同声明を発表した直後。現地沖縄の反応を政府に報告するためのものでした。

 岸氏は公電で「沖縄百万の県民は予想通り『共同声明』を平静裡(り)に受け止めた」としつつ、県民の心には「二十四年間にわたる米国の統治から、いよいよ解放される解放感」や「復帰後も現実に米軍基地が残ることから来る不安」などが「雑然と混在し、平静さの底に複雑な陰影を作り出している」と指摘しています。

 その上で、「政府としてはこのような『沖縄の心』にきめ細かな配慮」をしつつ、(1)本土と沖縄との間の「対話」を広げ理解を深めること(2)祖国復帰を「第二の琉球処分」視されてはならないこと(3)沖縄を政治的、財政的な「重荷」と受け取らず、沖縄の復帰を全国的視野から積極的に活用すること-の三本柱を中心に具体的政策の決定を急ぐよう進言しています。

 当時、政府内には沖縄への特別の措置は不要との意見がありましたが、岸氏は「束(つか)の間の特例措置を惜しんで、復帰を琉球処分の再現と思わせるのは、当を得たこととは思えない」と退けます。


変わらぬ基地への不安

 岸氏は自著に「大学を出ていらい特権に擁護されて、立身出世のエリート・コースを走ってきている日本の官僚に真の沖縄の心がわかるだろうか。困窮と挫折と不安のなかから祖国を呼びつづけてきた沖縄の心が――」と記します。

 岸氏が、当初拒んでいた沖縄赴任を決心したのは、太平洋戦争末期、戦艦大和の沖縄特攻に参加できなかった負い目、そして心の支えとなったのが戦局が悪化した沖縄県に最後の官選知事として赴任し、戦火に倒れた内務官僚の大先輩、島田叡(あきら)氏の存在でした。

 岸氏は沖縄事務所長の後、旧自治省の官房長や大阪府副知事を経て、大阪府知事を三期十二年務めます。この間、府の財政赤字解消や関西国際空港を手掛ける一方、「憲法否定の発言をしたり、太平洋戦争を『聖戦』と呼んだり」(岡田一郎「革新自治体」)して批判もされます

 それでも岸氏の言動から読み取れるのは、戦争で県民に多大な犠牲を強いたことへの贖罪(しょくざい)意識と、県民の苦悩を理解しようとする公僕としての良心です。琉球処分が沖縄県民の傷となって残っていることにも思いを寄せています。

 今、日本政府の官僚や政治家に岸氏が沖縄に対して抱いたほどの心情があるのでしょうか

 確かに、四十八年前のあす施政権が返還された沖縄県は日本に復帰し、苛烈な米軍統治は終わりました。しかし、沖縄には今なお在日米軍専用施設の約70%が残り、米軍による訓練や運用中の事故や騒音、米兵らの事故や事件も後を絶ちません。県民は変わらず重い基地負担を強いられています。

 にもかかわらず、日本政府は新しい米軍基地を名護市辺野古沿岸部に建設中です。貴重なジュゴンやサンゴ礁が生息しようとも、海底地盤が軟弱でどんなに工期や税金がかかろうとも、お構いなしで土砂を投じます

 米軍普天間飛行場の危険性を除くためだとしても、同じ県内に基地を移しては負担軽減にならないにもかかわらず、です。

 県民が選挙で新基地建設反対の民意を繰り返し示しても耳を傾けようとしません。県知事が異議を申し立てても、政府は法の趣旨をねじ曲げてでも退けます。


第二の琉球処分を懸念

 県民の抵抗を排し、新基地建設を強行する姿勢は、岸氏が懸念したように「第二の琉球処分」を想起させます。故翁長雄志知事は、軍政下の沖縄を強権的に統治し、「沖縄の自治は神話」と言い放った米陸軍軍人、キャラウェイ高等弁務官に例えたこともあります。

 「沖縄の心」はいつになったら本土に届き、理解されるのでしょうか。政府の枢要を占める政治家や官僚にはぜひ、かつて岸氏のような官僚がいたことを思い起こしてほしい。本土に住む私たちも同様に、沖縄の現実から目を背けてはならないのは当然です。
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https://dot.asahi.com/wa/2020070800014.html

室井佑月絶対に必要だった?
連載「しがみつく女」
室井佑月 2020.7.9 07:00 週刊朝日 #室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中


 作家・室井佑月氏は、イージス・アショア配備計画の停止を受けて、導入当時のことを振り返る。

この記事のイラストはこちら
イラスト/小田原ドラゴン

*  *  *

 河野太郎防衛相が陸上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアの配備計画を停止すると発表した。山口県と秋田県の反発と、費用の高騰からそうなったといっていた。

 そりゃあ、反発するよね。ミサイル発射後に切り離されるブースターが、落ちてくる可能性が否めないんじゃ(てか、戦争になったら、イージス・アショアが配備されている地域が真っ先に敵のミサイルに狙われるだろうしな)。

 忘れられない出来事がある。2017年12月にイージス・アショアを導入すると安倍政権は閣議決定するんだけど、それに前後して、安倍首相やその応援団がテレビなどに出まくって、「イージス・アショアは絶対に必要なもの」といいまくっていた

 そのとき、テレビに出ていたあたしは、「破片が落ちたりしないのか?」と質問し、共演していた専門家に鼻で笑われ、その後、ネットやユーチューブで、「あんな無知な女を出すな」とか、さんざんいわれたのだ。

 結局、時間を置いたら、あたしの質問はまっとうだったわけである。

 もうこうなったら、絶対に必要だと言い張った人たちの今の意見が知りたいよ

 ちなみに、6月23日の日刊ゲンダイDIGITAL、「イージス・アショア計画中断 肝心のレーダーにも問題あり」という記事によれば、

「1基800億円から始まった取得費は、2基で2474億円と膨らみ、30年間の維持・運営費を含めて4459億円。それに(略)実験費、造成費や建屋、1発30億円のミサイル取得費……。さらに2000億円もの改修費となれば1兆円を超えるのは確実で、導入時、『約800億円で最新鋭イージス艦より安いという訴えが、まるでウソだったことになる」という。

 けど、1兆かかろうがいくらかかろうが、この国に絶対に必要ならば、絶対に必要なのだろう。しかし、そうではなかったということではないの?

 安倍応援団の声の大きさや、メディアの報道のされ方によって、多くの人がだまされるのが怖い。

 2017年にテレビのワイドショーは北朝鮮の脅威という報道が過熱し、毎日のように北朝鮮がミサイルをぶっ放すXデーとやらを予測。

 Jアラートを鳴らし、地域によっては道の隅っこに頭を抱えてうずくまる避難訓練もされた。

 ミサイルが飛んできたとき、道の隅っこで頭を抱えるって、誰が考えたのだか斬新すぎる防護方法だが、そんなことをいえないような空気が作られていった。

 

 そして、その年の秋に、安倍首相は臨時国会の冒頭で「国難突破解散」。北朝鮮の脅威をうたって。

 これらすべてに正しかったことってあるのか? 安倍政権は自分たちを守りたいだけでしょ。

 軟弱地盤の改良で、いくらかかるかわからない辺野古の新基地も、怪しい

※週刊朝日  2020年7月17日号
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●東京新聞《桐生悠々…にとって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》

2019年09月21日 00時00分42秒 | Weblog


東京新聞の社説【週のはじめに考える 桐生悠々と言論の覚悟】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019090802000159.html)。

 《戦前、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を痛烈に批判し続けた言論人、桐生悠々。その生きざまは、言論や報道に携わる私たちに、覚悟を問うています。…信毎時代の一九三三(昭和八)年、「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」と題した論説が在郷軍人会の怒りに触れ、信毎を追われます。…大先輩を偲(しの)ぶとともに、業績や遺訓を思い起こし、私たち新聞のなすべきことを考え続けたいと思います》。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふは日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないことを言い続ける責任
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行だからである》と〆ています」


   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
           嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」
    《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練
     行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った
     桐生悠々
なら何と評するでしょうか》

   『●阿部岳さん、《基地問題への見解の違いも…
     デマで攻撃された因縁も関係ない。今回は…産経の側に立つ》
    「東京新聞の社説【週のはじめに考える 権力と向き合う覚悟】…
     によると、《◆全米の新聞、一斉に社説…◆言論の自由への危機感
     …◆桐生悠々の奮闘を偲ぶ…あす九月十日は、四一年に亡くなった
     悠々を偲(しの)ぶ命日です。百年という時を隔て、また日米という
     太平洋を挟んだ国で同じように、新聞が連帯して時の政権に毅然(きぜん)
     と向き合ったことは、民主主義社会の中で新聞が果たすべき使命を
     あらためて教えてくれます。私たちは今、政権に批判的な新聞との
     対決姿勢を強める安倍晋三政権と向き合います。悠々ら先輩記者や
     米国の新聞社で働く仲間たちの奮闘は、私たちを奮い立たせ、
     権力と向き合う覚悟を問い掛けているのです》。
      《権力と向き合う覚悟》…無しなニッポンのマスコミではなかろうか…」

 どんどんと《飛翔体》が発射されていますが、あのJアラート狂騒曲は何だったでしょうね…。諸外国からは《「嗤…」…あざけりわら》われている。
 《「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」》と。《桐生悠々…にとって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だった》。この度、アノ高市早苗氏が総務相に復活。アベ様の政で〝唯一うまく行っている〟メディアコントロールの下、 《権力と向き合う覚悟》がマスメディアにはあるのだろうか? 《義務の履行》を果たしているか?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019090802000159.html

【社説】
週のはじめに考える 桐生悠々と言論の覚悟
2019年9月8日

 戦前、藩閥政治家や官僚、軍部の横暴を痛烈に批判し続けた言論人、桐生悠々。その生きざまは、言論や報道に携わる私たちに、覚悟を問うています。

 桐生悠々は本紙を発行する中日新聞社の前身の一つ、新愛知新聞や、長野県の信濃毎日新聞などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた、私たちの大先輩です。

 信毎時代の一九三三(昭和八)年、「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」と題した論説が在郷軍人会の怒りに触れ、信毎を追われます。

 その後、新愛知時代に住んでいた今の名古屋市守山区に戻った悠々は、三四(同九)年から個人誌「他山の石」の発行を始めます。


◆日米開戦は「無謀の極」

 悠々が亡くなったのは四一(同十六)年九月十日でした。その三カ月後、悠々が無謀の極(きわみ)とした米国との戦争が始まります。

 戦後、悠々が再び注目されるきっかけは五一(同二十六)年、信毎が紙齢二万五千号を記念し、悠々ら同紙で活躍した言論人を紹介した特別紙面でした。

 これを小説家で文芸評論家の正宗白鳥が読み、東京新聞(現在は中日新聞社が発行)に寄せた「人生如何(いか)に生くべきか」と題する随筆で、信毎の論説や「他山の石」などの悠々の言論活動を振り返りながら、こう評したのです。

 「彼はいかに生くべきか、いかに死すべきかを、身を以(も)つて考慮した世に稀(ま)れな人のやうに、私には感銘された。これに比べると、今日のさまざまな知識人の賢明なる所論も、たゞの遊戯文学のやうに思はれないでもない」

 それは、戦後間もない時期の知識人たちの言論活動が、悠々の覚悟に比べれば、いかに腰の据わっていない浅薄なものか、と正宗は問いたかったのでしょう。

 悠々の言論活動は海外にも視野を広げた豊富な知識に基づいて、過去の習慣や時流に流されない、開明的かつ激越なものでした。


◆言わねばならないこと

 まずは一二(大正元)年、明治天皇の死去に伴う陸軍大将、乃木希典の殉死に対してです。

 信毎主筆として書いた社説「陋習(ろうしゅう)打破論-乃木将軍の殉死」では「殉死もしくは自殺は、封建の遺習である」「野蛮の遺風である。此(こ)の如(ごと)き陋習は、一刻も早く之(これ)を打破せねばならぬ」と指摘しました。自刃をたたえるものが目立つ中、異色の社説です。

 新愛知時代の一八(同七)年に起きた米騒動では米価暴騰という政府の無策を新聞に責任転嫁し、騒動の報道を禁じた当時の寺内正毅内閣を厳しく批判します。

 悠々は新愛知社説「新聞紙の食糧攻め 起(た)てよ全国の新聞紙!」の筆を執り、内閣打倒、言論擁護運動の先頭に立ちます。批判はやがて全国に広がり、寺内内閣は総辞職に追い込まれました。

 そして信毎論説「関東防空大演習を嗤ふ」です。敵機を東京上空で迎え撃つ想定の無意味さを指摘したことは、日本全国が焦土と化した戦史をひもとけば正鵠(せいこく)を射たものですが、軍部の台頭著しい時代です。新聞社は圧力に抗しきれず、悠々は信州を離れます。

 それでも悠々は名古屋に拠点を移して言論活動を続けました。軍部や政権を厳しく批判する「他山の石」は当局からたびたび発禁や削除処分を受けながらも、亡くなる直前まで発行が続きました。

 悠々は「他山の石」に「言いたいこと」と「言わねばならないこと」は区別すべきだとして「言いたいことを言うのは、権利の行使」だが「言わねばならないことを言うのは、義務の履行」であり、「義務の履行は、多くの場合、犠牲を伴う」と書き残しています。

 悠々にとって一連の言論は、犠牲も覚悟の上で、言うべきことを言う義務の履行だったのです。

 正宗が言う「いかに生くべきか、いかに死すべきかを、身を以つて考慮した」悠々の命懸けの言論は戦争への流れの中では顧みられることはありませんでしたが、戦後再評価され、今では私たち言論、報道活動に携わる者にとって進むべき方向を指し示す、極北に輝く星のような存在です。


◆嵐に鳴く蟋蟀のように

 <蟋蟀(こおろぎ)は鳴き続けたり嵐の夜>

 悠々のこの句作が世に出た三五(昭和十)年は、昭和六年の満州事変、七年の五・一五事件、八年の国際連盟脱退と続く、きなくさい時代の真っただ中です。翌十一年には二・二六事件が起き、破滅的な戦争への道を突き進みます

 もし今が再び<嵐の夜>であるならば、私たちの新聞は<蟋蟀>のように鳴き続けなければなりません。それは新聞にとって権利の行使ではなく義務の履行です。

 来る十日は悠々の没後七十八年の命日です。大先輩を偲(しの)ぶとともに、業績や遺訓を思い起こし、私たち新聞のなすべきことを考え続けたいと思います。
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●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》

2019年09月06日 00時00分08秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



志真秀弘氏による、レーバーネットの書評【〔週刊 本の発見〕「成長している」という嘘を暴く〜金子勝『平成経済 衰退の本質』】(http://www.labornetjp.org/news/2019/0815hon)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/北に鈍感…今は韓国が敵!?】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908260000109.html)。
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260895/3)。

 《過去30年の日本経済を分析・総括して、「成長している」というこのを暴いている。たとえばGDPひとつとっても1995年をピークに日本は停滞、アメリカは95年に日本の1.4倍だったのが17年には約4倍、中国は95年に日本の7分の1だったのが17年には日本の2.5倍である。日本企業は1989年に世界50社ランキング中32社(yahooファイナンス)であったのが、2019年ではトヨタ1社のみ(ダイヤモンド社)である》。
 《★約2年前の9月25日、首相・安倍晋三は官邸で会見し、臨時国会の冒頭に衆議院の解散に踏み切ることを表明。北朝鮮が連日のようにミサイル実験を続け緊張が続く中、首相はこの解散を「国難突破解散」と位置付け、「国民の皆様は北朝鮮の度重なる挑発に関しまして大きな不安を持っておられることと思います。…北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」とまで語った。…今は韓国が敵で北朝鮮は友好国か》。
 《見ていて目を覆いたくなるのは、この問題を語る時の政権首脳らの面相が、どうにも卑しくてならないことだ。…こんなものは外交でも何でもない。それをまたマスコミ、特にテレビのワイドショーがはやし立てる。過去の過ちなど何もなかったと開き直る、いわゆる“歴史戦”の毒が、官民一体のコラボで日本中に回ってしまった。安倍政権がやりたいのはただひとつ、「差別」ではないのか。…安倍政権における“国家安全保障”とは、どこまでも「戦争ごっこ」であるらしい》。

   『●《経済の素人》ても分かる《無理筋な政策》…
      バ「ズ」ーカたちによるドアホノミクスの《虚像と実像》

 「ズ」抜けたバ「ズ」ーカたちのドアホノミクス(©浜矩子さん)…永遠の道半ば。《「成長している」というこの》。
 2017年10月衆院選に際し、アベ様は「国難突破解散」を宣託。《「国民の皆様は北朝鮮の度重なる挑発に関しまして大きな不安を持っておられることと思います。政府として、いついかなるときであろうとも危機管理に全力を尽くし、国民の生命と財産を守り抜く。むしろ私は、こういう時期にこそ選挙を行うことによって、北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」とまで語った》…。《安倍首相という「国難」を突破》するはずが…キトのおかげで…。それら積み重なった「ツケ」が、いま現在のこの無残な有様。日韓関係の、振り上げた拳をお互いが下げられない無残な姿。《今は韓国が敵で北朝鮮は友好国か》。

 《日本は差別を外交に優先》《安倍政権がやりたいのはただひとつ、「差別」ではないのか。…安倍政権における“国家安全保障”とは、どこまでも「戦争ごっこ」であるらしい》。ひたすら醜悪だ…。

   『●《平和なアジアという井戸…先人の掘った井戸の水を
     濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊
   『●《KKK…20世紀になり移民全体を敵視する組織として復活》
              …《偏狭な世界のその先に何を見るのか。》
   『●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、
      あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩
   『●外交音痴な害遊・害交のアベ様ら…《互いの利益を
      考えながら、全身全霊で相手に対峙》したことなんてあるの?
   『●青木理さん《ちょっと冷静になって、
     ちょっと中長期的に考えたら、日韓共に得なことがひとつもない》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、
     国民を政権の意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》


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http://www.labornetjp.org/news/2019/0815hon

〔週刊 本の発見〕金子勝『平成経済 衰退の本質』
毎木曜掲載・第122回(2019/8/15)

「成長している」という嘘を暴く
『平成経済 衰退の本質』(金子勝、岩波新書、820円、2019年4月刊)/評者:志真秀弘

 8月15日は終戦の日ではなく、やはり敗戦の日である。政府やマスコミが「終戦」と言い慣わしている間に、日本が侵略戦争を起こし連合国に敗北した歴史まで消されかねない。正確に認識することは、歴史であれ、現状であれ大切なことだ。今も日本経済はデフレを脱却して成長軌道に乗りつつあるなどという言説が、まことしやかに流されている。本書は、過去30年の日本経済を分析・総括して、「成長している」というこの嘘を暴いている。

 たとえばGDPひとつとっても1995年をピークに日本は停滞、アメリカは95年に日本の1.4倍だったのが17年には約4倍、中国は95年に日本の7分の1だったのが17年には日本の2.5倍である。日本企業は1989年に世界50社ランキング中32社(yahooファイナンス)であったのが、2019年ではトヨタ1社のみ(ダイヤモンド社)である(手持ち資料による)。産業の衰退はこの数字からもうなずける。他方農業をみても販売農家は05年の265万から15年の132万に半減し、農業従事者は60歳以上が77パーセントで10年後の見通しが立たない。労働者の4割は非正規であり、世帯の平均所得も90年代半ばをピークに下がったままである。「成長」どころかやはり「衰退」だろう。本書は日本経済のこの現状を、世界的な視野からも捉えようとしている。

 この30年間、資本主義は大きく変わった。その特徴はグローバリゼーションと「金融革新」である。グローバリゼーションを著者は「情報通信技術と結びついた金融自由化を軸に展開されたもの」と定義している。実体経済以上に金融が肥大化して、過剰ドルが世界をめぐり、投機対象となった国々を金融危機に陥れる。変質した資本主義はバブルを作り出し、それの破綻を繰り返す「バブル循環」をもたらしている。その結果2008年に「100年に一度」(グリーンスパン)と言われるリーマンショックが引き起こされ、資本主義は長期にわたる停滞の時代に入りつつある。それがトランプに代表される極右・ナショナリズムを登場させている。日本の現状はこの資本主義の変容の産物でもある。

    (*「安倍やめろ!」国会前集会で訴える著者(2018年4月))

 では、日本の政治はどう対応してきたか。1991年に始まるバブル崩壊後の過程を覆ったのは「新自由主義」イデオロギーで、市場原理任せの無責任政治が横行したと著者は厳しく批判する。小泉・竹中の政策が今日の「格差」の源であることは付け加えるまでもない。そして新自由主義イデオロギーと自己責任論によって人々を縛り、無力感に追い込んだのが第二次安倍政権だった。アベノミクスはデフレ脱却どころか、むしろ危機を広げている。超低金利政策によって、日銀の保有する資産が異常に膨らみ、国債市場、株式市場は麻痺しかねない。といってこの異常な政策に企業も依存している状態でやめることができない。もし金融危機が来たら日銀の抱える国債やETFなどの資産は巨大な損失と化す。現在の日本が抱える問題を解き明かそうとした本書は、コンパクトであって、しかも、読み応えのある力作評論である。


 二点付け加えておきたい。タイトルだが経済情勢が「平成」で区切られるとは思わない。が、バブル崩壊後あるいは社会主義崩壊後30年という意味ではひとつの区切りだろう。帯にインパクトがある。シャッター通りと化した商店街の写真の脇に「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」とある。

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美、根岸恵子ほかです。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908260000109.html

コラム
政界地獄耳
2019年8月26日7時33分
北に鈍感…今は韓国が敵!?

★22日、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表すると、北朝鮮は間髪入れず24日に弾道ミサイル発射実験を実施。翌25日には北朝鮮の国営朝鮮中央通信社(KCNA)が金正恩朝鮮労働党委員長が「超大型多連装ロケット砲」の実験を指揮したと伝えた。まさにGSOMIA破棄は北朝鮮に利すると言えそうだ。

★約2年前の9月25日、首相・安倍晋三は官邸で会見し、臨時国会の冒頭に衆議院の解散に踏み切ることを表明。北朝鮮が連日のようにミサイル実験を続け緊張が続く中、首相はこの解散を「国難突破解散」と位置付け、「国民の皆様は北朝鮮の度重なる挑発に関しまして大きな不安を持っておられることと思います。政府として、いついかなるときであろうとも危機管理に全力を尽くし、国民の生命と財産を守り抜く。むしろ私は、こういう時期にこそ選挙を行うことによって、北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」とまで語った。

★首相は今ではミサイルが発射されてもゴルフに興じているが当時、学校などではミサイル攻撃に避難訓練が行われ、その会見直前の15日には北朝鮮によるミサイル発射でJアラートなる全国瞬時警報システムが発動された。その対応のために購入するとしたイージス・アショアの設置が計画されている秋田の自民党衆院議員、冨樫博之(秋田1区)までもが「防衛省の説明が誠意を欠いた。もうダメだとはっきり言ってある。前に進めることはできない」とインタビューに答えているという。一方、25日、日本政府は韓国軍が島根県の竹島で軍事訓練を始めたことに対して、「極めて遺憾であり訓練の中止を求める」と抗議した。今は韓国が敵で北朝鮮は友好国か。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260895/3

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか
2019/08/28 06:00

     (GSOMIAの破棄とほぼ同時に「竹島」で防衛訓練を始めた
       韓国海軍の特殊部隊/(韓国海軍提供・共同))

 いよいよ末期症状である。日本は差別を外交に優先し、その報いで手痛いしっぺ返しを食らった。

 韓国にGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を一方的に破棄された。大変なことである……はずなのだ。北朝鮮の軍事情報が、彼らを最もよく知る国から直接には入ってこなくなるのだから。

 もともと韓国では日本とのGSOMIAに反対の世論が強い。一度は署名寸前で延期され、2016年に朴槿恵前大統領が締結を強行した経緯もある。当時は野党だった文在寅政権が今回の措置に踏み切る流れは、自然の成り行きでもあった。

 最近の対立の契機は、昨秋の韓国最高裁判決だった。戦時中の徴用工をめぐる裁判で、新日鉄住金(現日本製鉄)と三菱重工業が相次いで賠償を命じられた。1965年の「日韓請求権協定」が個人の請求権まで消滅させたとは言えず、91年8月27日の参院予算委員会でも外務省の柳井俊二条約局長(後に外務事務次官)がそう答弁しているのに、日本政府は「解決済みだ」の一点張り。

 騒動を商取引の領域にまで拡大したやり方は、“どっちもどっち”ではあった。見ていて目を覆いたくなるのは、この問題を語る時の政権首脳らの面相が、どうにも卑しくてならないことだ。

 頭ごなしに相手の責任だけをあげつらうことさらに冷笑してみせ、かと思えば恫喝じみた態度を取る

 「よりよい解決策を」と切り出した駐日大使を「無礼だ!」と怒鳴りつけた7月の河野太郎外相など、弱いくせにほえたがるチンピラ以外の何物でもなかった。こんなものは外交でも何でもない。それをまたマスコミ、特にテレビのワイドショーがはやし立てる過去の過ちなど何もなかったと開き直る、いわゆる“歴史戦”の毒が、官民一体のコラボで日本中に回ってしまった。

 安倍政権がやりたいのはただひとつ、「差別」ではないのか。さすがは“明治150年”。朝鮮半島や中国の人々を蔑むことイコール愛国心とされ、帝国主義への原動力とした近代史を、彼らはまたしても繰り返そうとして、肝心の情報ルートを絶たれてしまうというド醜態。

 困った政府やマスコミが、救いの手を米国に求めているのも恥ずかしく、おぞましい。ポンペオ国務長官が「失望した」と言ったの、ワシントン・ポスト紙が「最大の勝者は北朝鮮」と書いたのと、こんな時まで植民地根性丸出しとは。安倍政権における“国家安全保障”とは、どこまでも「戦争ごっこ」であるらしい。
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●『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』? 普天間で起きている、辺野古で起きようとしていること

2018年06月01日 00時00分11秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>学校は戦地より「危険」?】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-725443.html)。

 《▼新年度、普天間第二小既に146回の避難が行われた米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認されると運動場から児童が避難する元気な声が響き渡るはずの場所ごう音が響く…「飛ばないでという一言がなぜ出ないのだろう…「…『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」》。

   『●トランプ氏「学校の先生たちを銃で武装させる」…
       アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」に

 《トランプ氏が打ち出した対策は、学校の先生たちを銃で武装させるというもの。「銃には銃を」「もっと銃を」というわけだ》。全米ライフル協会NRA)も大喜びでしょうよ、きっと。「銃には銃を」「もっと銃を」…哀しい発想だ。

   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》』 
    《事実かどうかは二の次弱い立場の者をに仕立てて暴言を吐く
     基地に反対する沖縄の人たちを一方的にたたき、留飲を下げる
       基地問題でヘイトスピーチ(憎悪表現)まがいの言説があからさまに
     表面化したのは13年1月。全市町村長らがオスプレイ配備の撤回などを
     求め、東京・銀座でデモ行進した。沿道から浴びせられたのは
     「売国奴」「中国のスパイ」などの罵声だった

   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』: 
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
                     アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる
    《しかし、これが沖縄の現実なのだ。そして、米軍によっていとも簡単に
     約束は破られ、さらには飛行の事実を事実とも認めようとしないのである。
     …この暴力を許しているのは、言うまでもなく日本政府、安倍政権だ
     …なにせ安倍首相は、小学校や保育園での落下事故後にも
     「沖縄が我慢すればいいこと」という無神経極まりない暴言
     吐いているからだ》

   『●「米軍機接近による児童の避難は…
      39日間に合計242回」、「最も多い日は一日に29回」…異常な現実

 《大人たちが『銃を持つ権利がある』という言葉は銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる》…辺野古で、今現在まで、ずっと起き続けていること、そして、辺野古で確実に起きること、起きつつあること。普天間飛行場の撤収か、辺野古移設か、という二者択一を迫るアベ様や最低の官房長官ら。普天間を撤収し、番犬様に本国へお引き取り頂けば、「森」を殺すこともなく、辺野古の「美ら海」を殺すこともない沖縄の人々を分断することもないし、基地から出撃したん番犬様が「人殺し」することもない。沖縄の大幅な「負担削減」が実現できるというのに。「本土」では大騒ぎされないが、沖縄の人々があれ程の反対運動をしている辺野古では、生物多様性の破壊が引き返せないところまで来てしまいつつある。
 「在日米軍特権」を放置する「日米共犯」。「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」、そんな極当たり前のことなのに…《愛僕者》達のやることときたら。何が愛国者か! ヘイト者・ヘイト屋やデマ者・デマ屋らに支えられた、トンだ《愛僕者》達。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-725443.html

<金口木舌>学校は戦地より「危険」?
2018年5月25日 06:00
テキサス 銃乱射 銃乱射事件 普天間第二小 銃規制 辺野古 エマ・ゴンザレス 金口木舌

 また起きてしまった。米テキサス州の高校での銃乱射事件。生徒ら10人が亡くなり1週間がたつ

▼容疑者は17歳の男子生徒。銃は父親の物だった。テキサスは米国でも銃規制の緩い州の一つ。銃所持の権利拡大を提唱する州副知事は「銃の問題ではないと主張し、暴力的なゲームや妊娠中絶による命の軽視、家庭環境が問題だと続けた

▼米紙ワシントンポストは今年、戦闘地域で死亡した米軍人は13人、学校での銃乱射事件で死亡した生徒らは27人と伝えた。今、学校は戦地より「危険」なのか。米国内は銃乱射に備えた避難訓練を行う学校も多い

▼新年度、普天間第二小既に146回の避難が行われた米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認されると運動場から児童が避難する元気な声が響き渡るはずの場所ごう音が響く

▼同校の避難を伝える記事に、ネット上で「辺野古に移せばいい」「基地の近くに学校を造る方がおかしい」という声が飛び交う。「飛ばないでという一言がなぜ出ないのだろう

銃規制強化を求め、米国の高校生が立ち上がった活動は「March For Our Lives命のための行進)」。「大人たちが『銃を持つ権利がある』という言葉は銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」というフロリダの高校生、エマ・ゴンザレスさんの言葉をかみしめる。
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●「米軍の活動にもイタリアやドイツの国内法が適用される」…「日米地位協定」「日米合同委員会」の異常

2018年02月04日 00時00分50秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018012602000151.html)。

 《▼イタリアでは昼寝にも気配りしているのに、沖縄では学校の安心さえないがしろにされる。何とも、「クレイジー」な話である》。

   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』: 
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
                     アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる

 「在日米軍特権」な番犬様は沖縄を、どうやら「植民地気分」らしい…それを見て見ぬふりどころか、積極的に沖縄を切り捨てる「日米共犯」ぶりなアベ様ら。あまりの酷さな与党・自公や癒党・お維キト。《沖縄では学校の安心さえないがしろにされる》悲惨な状況。

 琉球新報の記事【独や伊の地位協定を調査へ 沖縄県、「日米」の不平等性を検証】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-629203.html)によると、《米国がイタリアやドイツと結んだ米軍駐留に関する2国間協定では、米軍の活動にもイタリアやドイツの国内法が適用される。またイタリアでは米軍基地の管理権をイタリア軍が持ち、イタリア軍司令官は米軍施設内に制限なく立ち入ることができる。ドイツでも連邦政府や地元自治体による米軍基地への立ち入り権が明記されている。NATO加盟国では米軍の航空機事故などが発生した際には、受け入れ国の軍隊が米軍と合同で調査委員会を立ち上げ、共同で調査を行う仕組みがある。…その上で「わが国の地位協定がいかに他国と比べて不利なのかをつまびらかにすることが重要だ」と説明した。また「法律の条文を比較列挙するだけでは難解になるし、国民にも分かりづらい。事例を比較することでわが国と他国の協定の差を明らかにできるのではないか」とした》。
 《米軍の活動にもイタリアやドイツの国内法が適用される…米軍施設内に制限なく立ち入ることができる米軍基地への立ち入り権が明記…米軍の航空機事故などが発生した際には…米軍と合同で調査委員会を立ち上げ、共同で調査を行う仕組みがある》…「日米地位協定」「日米合同委員会」の異常さ。《事故の検証すらできない日本はむしろ、法的従属を“放置”した国家》。

   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
        そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●沖縄市民の民意: 民意を何度明確にすれば、 
      アベ様や最低の官房長官らは理解しようとするのか?
    「「住民分断」「沖縄差別」に明確なNo!が示されたわけです。
     辺野古破壊にNo!、「在日米軍特権」問題(これこそまさに存在する、
     番犬様による「在日特権」でしょうに)にNo!、を突き付けました」

   『●室井佑月さん「金をバラまくだけの日本…
      米国の手下ですよ、という世界中へのアピール」…恥ずかしい
    「《県議会当選者の96%が地位協定の改定を求めている
     「在日米軍特権」問題一つとっても、《金をバラまくだけの日本》、
     世界を呆れさせるニッポン、《「性暴力に脅かされないで
     当たり前に生きる権利すら保障できないような政府はもはや
     政府とはいえない》ニッポン。どこを向いて「思いやって」いるのか?、
     「思いやら」されているのか?、《金をバラまくだけの日本》」

   『●「まん延する差別」な、「御持て成し」どころでない
       「うらあり」だったニッポン…「病んだ空気」が蔓延
    「「沖縄差別」については、「在日米軍特権」にはダンマリな《過激団体》。
     ありもしない「在日特権」には大騒ぎし、ヘイトな言動や行いを
     垂れ流すのに、実在する「在日米軍特権」では、アベ様や番犬様
     シッポを振る情けなさ。どうやら真の「右翼」ではないらしい。
     単なる「暴力集団」」

   『●「在日米軍特権」…《事故の検証すらできない日本はむしろ、
                 法的従属を“放置”した国家》<金口木舌>

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018012602000151.html

【コラム】
筆洗
2018年1月26日

 英語の「クレイジー」は、スカンディナビア半島の言葉「クラーサ」に由来するという。クラーサとは「バラバラ、粉々になる」という意味。英語のクレイジーも古くは「砕けた、ひびの入った」という意味で使われていたが、やがて正気を失ったさまを示すようになったそうだ▼今、心配なのは米軍の規律に、ひびが入っていないかということだ。沖縄では今月に入って米軍ヘリの不時着が三回も起きた▼在沖縄米軍トップはこの事態を「クレイジーだ」と評しているが、日本側の飛行停止要請にかかわらず、知らん顔でヘリを飛ばし続けているのだから、信頼関係がバラバラになってもいいのだろう▼琉球新報によれば、日本では政府の管理権は米軍基地内に及ばないが、イタリアでは同国軍が米軍基地の管理権を持つ。緊急時を除き深夜や早朝の飛行を行わないなど周辺住民に配慮し、かの国の人々が大切にする昼寝の時間に、飛行を自粛している米軍基地さえあるという▼沖縄では先月、小学校の校庭に米軍ヘリの部品が落下する事故も起きた。この小学校が校庭で避難訓練をしていたら、学校の上空を避けるはずの米軍ヘリが飛来し、日米で「上空を飛んだ、飛ばない」で議論になっている▼イタリアでは昼寝にも気配りしているのに、沖縄では学校の安心さえないがしろにされる。何とも、「クレイジー」な話である。
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●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる

2018年01月25日 00時00分13秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



リテラの記事【相次ぐ米軍事故に約束反故…それでも国会審議を拒否する安倍政権、安倍首相は「沖縄は我慢して受け入れろ」と暴言!】(http://lite-ra.com/2018/01/post-3744.html)。

 《しかも、この日、普天間第二小では米軍機が学校上空に接近したときを想定して避難訓練をおこなっていた…──まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練だが、しかし、これが沖縄の現実なのだ。そして、米軍によっていとも簡単に約束は破られ、さらには飛行の事実を事実とも認めようとしないのである。…この暴力を許しているのは、言うまでもなく日本政府、安倍政権だ。…なにせ安倍首相は、小学校や保育園での落下事故後にも「沖縄が我慢すればいいこと」という無神経極まりない暴言を吐いているからだ。》

 「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練…沖縄の現実」に加えて、《受け入れてくれる人がいて初めて、いざというときに対応できる》とアベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる。《本土決戦の時間稼ぎのために沖縄を捨て石にした、戦時中の発想そのもの》…唖然、アベ様ときたら…「在日米軍特権」「日米共犯」。最早、沖縄イジメ。取巻き連中は、ヘイト・デマを浴びせ、《子どもを園庭で遊ばせたい》《当然の日常がほしいだけ》という望みさへ否定し、《子どもたちの日常にある「異常」を放置》して恥じない。名護市をはじめ、与党・自公のなりふり構わぬ汚い選挙戦…負けるな、沖縄!
 《いかに安倍首相が国民の命を軽視しているか》、あるいは、「沖縄は米軍の植民地」で、アベ様は沖縄の市民は「ニッポンの国民」ではない、とでも思っているのだろう。

   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』:
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」

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http://lite-ra.com/2018/01/post-3744.html

相次ぐ米軍事故に約束反故…それでも国会審議を拒否する安倍政権、安倍首相は「沖縄は我慢して受け入れろ」と暴言!
2018.01.19

    (首相官邸HPより)

 完全に舐められているとしか思えない。昨日18日、昨年12月13日に米軍海兵隊の大型輸送ヘリCH53Eのコックピットの窓枠が校庭に落下した沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校の上空を、米軍ヘリ3機が飛行した問題だ。その飛行した機体には、1月6日にうるま市の伊計島の砂浜に不時着したUH1Yヘリも含まれていた。

 米軍は事故後、「運動場や校舎上空を飛行しないで」という普天間第二小に対して「最大限、飛ばないようにする」と歯切れの悪い回答を寄せていたが、たったの1カ月でこの約束を反故。挙げ句、今回の飛行の事実を否定している。だが、設置されたカメラには同日13時半ごろに小学校上空を米軍ヘリ3機が飛行する模様がおさめられており、防衛省が公開したその映像を見れば米軍の嘘は一目瞭然だ

 しかも、この日、普天間第二小では米軍機が学校上空に接近したときを想定して避難訓練をおこなっていた。琉球新報によれば、沖縄防衛局が配置した監視員も参加し、避難経路などを確認。監視員が米軍機の接近を知らせ、拡声器で生徒たちに「逃げてください」と避難させるという内容だった。

 ──まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練だが、しかし、これが沖縄の現実なのだ。そして、米軍によっていとも簡単に約束は破られ、さらには飛行の事実を事実とも認めようとしないのである。そもそも、昨年12月7日、普天間基地近くの緑ケ丘保育園の屋根に「US」などと書かれたプラスチック製のCH53Eの装置カバーが落下するという事件が起こった際も、米軍は落下の事実を認めていない

 さらに、小学校上空を飛行した昨日、米軍は前述した伊計島に不時着したUH1Yヘリを使って津堅島訓練場水域でパラシュート降下訓練を実施。地元市議会がこれまでも訓練の中止を求めてきたにもかかわらず、だ。その上、ハリス米太平洋軍司令官小野寺五典防衛相との会談で、この事故について「いちばん近い安全な場所に降ろす措置に満足している」と発言している。

 頻発するヘリの墜落に、突如、凶器と化した落下物が子どもたちの頭上に降って落ちてくる恐怖。2016年には米軍属による強かん殺人事件も起こった。それでも平然と、自分たちの植民地であるかのように横柄な態度をとりつづける米軍──。この暴力を許しているのは、言うまでもなく日本政府、安倍政権だ


安倍首相は「受け入れてくれる人がいて初めて、いざというときに対応できる」

 事実、立憲民主、希望、民進、共産、自由、社民の野党6党は、今月15日に相次ぐ米軍機事故を受けて調査団を沖縄に派遣。これに先立って12日の与野党国対委員長会談で安全保障委員会での閉会中審査をおこなうよう要求したが、与党はこれに応じていなかった。

 だが、それも当然なのだろう。なにせ安倍首相は、小学校や保育園での落下事故後にも沖縄が我慢すればいいことという無神経極まりない暴言を吐いているからだ。

 それは、新年早々の1月5日にネットテレビ「言論テレビ」で放送された『櫻LIVE 新春スペシャル「安倍首相に華やかさくら組が迫る!」』という番組でのこと。本サイトではその醜悪な内容を詳しく伝えたが、この番組は、安倍首相が櫻井よしこと気象予報士の半井小絵、産経新聞の田北真樹子記者、沖縄の活動家でデマを喧伝しつづけている我那覇真子という女性ネトウヨ論客4名を昨年12月25日に首相公邸に招き、収録されたものだ。

 そして、この番組のなかで安倍首相は、こう明言したのである。

   「(在沖米軍の)訓練はときとして迷惑になることもありますが、
    それを受け入れてくれる人がいて初めて、いざというときに対応できる」

 米軍の訓練が住民の生活に支障を与えているだけでなく、命の危険さえ生じさせている事実が歴然と沖縄にはあるというのに、“いざのときのために我慢して受け入れろ”と安倍首相は投げつけているのだ。これは、本土決戦の時間稼ぎのために沖縄を捨て石にした、戦時中の発想そのものではないか。

 さらに、この安倍首相と同じ考えをネトウヨ論客たちが振りまき、拡散させている。たとえば、竹田恒泰は、『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)11日放送で、米軍事故についてこのように米軍をかばい立てた。

   「ちゃんと不時着させてるわけですから、これは拍手喝采ものなんですよね」


「米軍は称賛されるべき!」と叫ぶ自称愛国者の実態

   「たしかにヘリのトラブル多いですけども、でもこれは朝鮮有事に
    向けて、これまで以上に練習のステージ段階が上がっている
    ということなんですよ。(中略)いざとなっても迷惑をかけないように
    という彼ら(米軍)の姿勢は、称賛されるべきだと思いますよ」

 普段から、憲法は「GHQに押しつけられたものだ!」と言って改憲を主張するくせに日本の主権が奪われている日米地位協定には文句もつけない。その上、「日本の領土」である沖縄が米軍に植民地のような扱いを受けているにもかかわらず、「称賛されるべき」などと言う。……これが安倍首相を筆頭とする自称愛国者似非右翼の実態だ。

 ともかく、安倍首相は、22日に召集される通常国会において、ネットテレビで述べたように、国会ではっきりと「沖縄は米軍事故を我慢して受け入れろ」と言えばいい。そうすれば、いかに安倍首相が国民の命を軽視しているか、その正体が多くの人に伝わるだろう

(編集部)
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●委縮へのアラート…何に怯えているのか? 「頭を抱えてしゃがむか? その道の真ん中を歩けるか?」…

2018年01月07日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



週刊朝日の室井佑月さんのコラム【連載「しがみつく女」/「なにが怖いのか?」】(https://dot.asahi.com/wa/2017122000015.html)。

 《だが、飢えている国民がいると聞けば、率直に可哀想にと思ってしまう。それすらも、なんとなく口に出していいづらい。…路地猫みたいに縮こまる。そういうことが積み重なり、同調のハードルも徐々に下がって、気づかずに、自分ではない別の人間、それまで軽蔑していたような人になっていた、自分もまわりも……という展開が、北朝鮮のミサイルよりあたしは恐ろしい》。

   『●アベ様による血税4億円のトンチンカン・トンデモ 
        「ミサイル避難CM広告」によるメディア買収!?
    《この国から倫理観が失われつつある。なにしろ、倫理観ゼロの
     安倍さんが総理だしな。…内容はミサイルが飛んで来たら
     「屋内に避難」「物陰に隠れる」というトンデモだ。そんなに緊急に
     ミサイルの心配をしなくてはならないのなら、まず全国にある原発を
     どうにかしなくていいのか? が、そういうことじゃない、きっと。
     このCMには4億円もの金をかけている。…そんな中、メディアに
     4億円という金が配られる。それはいったい、どういうことを意味するのか?》

   『●「「危機が迫っている」とあおり、時の政権の求心力を高める手法」
                       …メディア買収と国内に向けての圧力
   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
   『●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を
              嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」

 「頭を抱えてしゃがむか? その道の真ん中を歩けるか?」…はっ、としたよ。「歩ける」と自信を持って言えるか…。同調圧力の高まりの中、桐生悠々氏の様に「嗤」えるか? 委縮へのアラート。《北朝鮮のミサイルよりあたしは恐ろしい》。《黒猫っぽく、しなやかに動きたい》…もの。

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https://dot.asahi.com/wa/2017122000015.html

室井佑月 「なにが怖いのか?」
連載「しがみつく女」
2017.12.22 07:00 週刊朝日 #安倍政権 #室井佑月

 今年は核・ミサイル開発、アメリカとの対立など北朝鮮をめぐるニュースが相次いだ。作家・室井佑月氏は経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏との対談でこう感じたという。

     【「なにが怖いのか?」イラストはこちら
                ((c)小田原ドラゴン)

*  *  * 

 12月初旬は、濃くて面白い仕事がつづいた。一昨日は古賀茂明さんと、昨日は共産党の小池晃さんと対談。

 お二人と話をしていて、自分が現在、なにに対して仔猫のように怯えているのかわかったと思う。

 古賀さんとはメディアのあり方みたいな話をした。古賀さんといえば『I am not ABE』。3年ほど前、報道ステーションでそう書かれたボードを出した。そして、番組を降ろされた。

 あたしたちは当時のことを振り返った。

 安倍首相がエジプト訪問の際に「ISがもたらす脅威を少しでも食い止めるため、ISと闘う国々に2億ドルを出す」と表明した。日本人の後藤健二さんらが、ISに人質として拘束されているときに。

 この発言から日本もISに名指しで敵国扱いされるようになり、後藤さんらの解放は絶望的になった

 当時のテレビでは、安倍さんの決断ってどうなの? そう発言しようものなら、「そういう発言はISを利するだけ」、この非国民が!みたいな感じ。そんな中での古賀さんの『I am not ABE』発言だった。

 古賀さんのなにが悪かったのか、今でもそう思う。そう考えている人は多いはずだが、古賀さんが番組を降ろされただけで、なんら世の中は変わらなかった。

 今年は、北朝鮮の問題を多く扱った年だった。国民が飢えているのにミサイル実験を繰り返す、金正恩はとんでもない、と思う。

 だが、飢えている国民がいると聞けば、率直に可哀想にと思ってしまう。それすらも、なんとなく口に出していいづらい

 アメリカと北朝鮮が衝突するようなことが起これば、大概の一般国民が被害者だ。加害者はどの国っていうよりも、そこまで問題を膨らました国のトップ。だけど、これもなんとなく口に出していいづらい。

 古賀さんにそういったら、「とにかく声を出さないと」「一人でも多くの人が声を上げることが大切なんだからさ」といわれた。

 おっしゃる通り。

   「でもさ、自分の住んでる自治体でJアラート鳴らしてミサイルが飛んできた
    場合の避難訓練するとすんじゃん? しゃがみこんで頭を抱えても
    仕方ないって思っていても、みんなが道端でしゃがみこんでいるところ、
    古賀さんは道の真ん中を歩ける?

 古賀さんは「歩ける」と答えた。あたしはその地域で子育てをしていたら、阿呆らしいと感じていても、そのくらいはと思って、数分間ならお付き合いでしゃがんでしまうんじゃないだろうか? 路地猫みたいに縮こまる

 そういうことが積み重なり、同調のハードルも徐々に下がって、気づかずに、自分ではない別の人間、それまで軽蔑していたような人になっていた、自分もまわりも……という展開が、北朝鮮のミサイルよりあたしは恐ろしい

 黒猫っぽく、しなやかに動きたい

※週刊朝日  2017年12月29日号
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●Jアラート狂想曲: 「かつて関東上空での防空演習を嗤った桐生悠々なら何と評するでしょうか」

2017年09月18日 00時00分04秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の社説【週のはじめに考える 桐生悠々と防空演習】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017091002000138.html)。

 《北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練も行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った桐生悠々なら何と評するでしょうか》。

   『●「軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、
      外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割」
   『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」…
          「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」
   『●高畑勲監督より三上智恵監督へ、
      「あなたがつくっているような映画が、次の戦争を止める」
   『●山内康一氏「『米国の軍事力行使を日本は支持する』
          …戦争を積極的に肯定…重大かつ危険な発言」
   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
   『●「平和憲法」が風前の灯火: 壊憲の坂道を転げ落ち、
         アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる

   『●戦争法なんて要らない! 「武力による威嚇や武力の行使を
                …永久に放棄した日本の役割」を見失っている
   『●「我が軍」的自衛隊の「違憲」状態を「合憲」へと改めず、
                憲法を「壊憲」して「違憲」を解消する!?

   『●戦争で唯一得た平和憲法を壊憲…「日本は自由と民主主義を
                   失うだけで、代わりに得るものは何もない」

   『●立憲主義も理解できず…「行政の長である総理大臣が
       具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反」

   『●アベ様による血税4億円のトンチンカン・トンデモ 
        「ミサイル避難CM広告」によるメディア買収!?
    《この国から倫理観が失われつつある。なにしろ、倫理観ゼロの
     安倍さんが総理だしな。…内容はミサイルが飛んで来たら
     「屋内に避難」「物陰に隠れる」というトンデモだ。そんなに緊急に
     ミサイルの心配をしなくてはならないのなら、まず全国にある原発を
     どうにかしなくていいのか? が、そういうことじゃない、きっと。
     このCMには4億円もの金をかけている。…そんな中、メディアに
     4億円という金が配られる。それはいったい、どういうことを意味するのか?》

   『●「「危機が迫っている」とあおり、時の政権の求心力を高める手法」
                       …メディア買収と国内に向けての圧力

 北朝鮮による核実験やミサイル乱射、それに対する「国内に向けての圧力」としてのCMや「避難訓練」、Jアラート狂想曲。《かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った桐生悠々なら何と評するでしょうか》? 《悠々の評論の核心は、非現実的な想定は無意味なばかりか、有害ですらある、という点にある》。

   『●ガジュマル:瀬長亀次郎さん「不屈」の精神…
      「忖度政治を危ぶむ全国の多くの人々の心に響くに違いない」
   『●ささやかな核兵器廃絶の願い…高校生の言論封殺:
        アベ様のメンツを守るための外務省の横やりという大愚
   『●石破茂氏「日本への核拡散」発言と山尾氏「私事」による離党の
                   事の軽重…マスコミはわきまえているか?
   『●トランプ氏、「私は、日本と韓国に対して、
     アメリカの高性能の軍事装備を大量に購入することを認める…」
   『●《差別の歴史、力の差を無視して「どっちもどっち」論に
            持ち込む》(阿部岳さん)低民度…抗い続けねば
   『●人治主義国家ニッポンの人事考査: 証拠隠滅で国税庁長官、
                    犯罪揉消しで警察庁組織犯罪対策部長…
   『●「戦死を美化」することではなく、いま必要なことは
             「同じことを二度と繰り返さないという誓い」
   『●「日米の軍事一体化はますますエスカレート」し「兵站」
          =「イージス艦に給油」…「自衛隊は格好の餌食」

 「裸の王様」や自公政権、「我が軍」がやっていることを嗤う」《反骨のジャーナリスト》や《気骨の新聞人が少な過ぎやしまいか…。下足番新聞読売最早新聞と呼べない広報紙サンケイが幅をきかせているようではね。
 阿部岳記者は、《桐生悠々は訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた》と言います。いま、日米朝、《頭を冷やせ》と言いたい。そして、志位和夫さんの言う通り、ニッポンは《平和的努力こそ政府がすべきことだ》。挑発するな、挑発に乗るな…決して戦争の泥沼に足を踏み込んではいけない。朝韓日、いずこも《一挙に焦土たらしめるだろう》し、お互いに《阿鼻叫喚の一大修羅場》が待っているだけだ。本社説も、《外交努力を惜しんではなりません軍事的な対応は憎悪が憎悪を呼び、問題の根本的な解決にならないからです》…と。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふ日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?: 
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行だからである》と〆ています」

   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
    「《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを
     訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
       壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。
     ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017091002000138.html

【社説】
週のはじめに考える 桐生悠々防空演習
2017年9月10日

 北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返し、国内では避難訓練も行われています。かつて関東上空での防空演習を嗤(わら)った桐生悠々なら何と評するでしょうか。

 きょう九月十日は明治後期から昭和初期にかけて健筆を振るった反骨のジャーナリスト、桐生悠々の命日です。太平洋戦争の開戦直前、一九四一(昭和十六)年に亡くなり、七十六年がたちます。

 本紙を発行する中日新聞社の前身の一つである新愛知新聞や、長野県の信濃毎日新聞などで編集、論説の総責任者である主筆を務めた、われわれの大先輩です。


◆非現実の想定「嗤う」

 新愛知時代には、全国に広がった米騒動の責任を新聞に押し付けようとした寺内正毅(まさたけ)内閣を厳しく批判する社説の筆を執り、総辞職に追い込んだ気骨の新聞人です。

 その筆鋒(ひっぽう)は軍部にも向けられます。信毎時代の三三(同八)年八月十一日付の評論「関東防空大演習を嗤う」です。

 掲載の前々日から行われていた陸軍の防空演習は、敵機を東京上空で迎え撃つことを想定していました。悠々は、すべてを撃ち落とすことはできず、攻撃を免れた敵機が爆弾を投下し、木造家屋が多い東京を一挙に焦土たらしめるだろうと指摘します。

 「嗤う」との表現が刺激したのか、軍部の怒りや在郷軍人会の新聞不買運動を招き、悠々は信毎を追われますが、悠々の見立ての正しさは、その後、東京をはじめとする主要都市が焦土化した太平洋戦争の惨禍を見れば明らかです。

 悠々の評論の核心は、非現実的な想定は無意味なばかりか、有害ですらある、という点にあるのではないでしょうか。

 その観点から、国内の各所で行われつつある、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えた住民の避難訓練を見るとどうなるのか


◆ミサイルは暴挙だが

 まず大前提は、北朝鮮が繰り返すミサイル発射や核実験は、日朝平壌宣言や国連安保理決議などに違反し、アジア・太平洋地域の安全保障上、重大な脅威となる許し難い暴挙だということです。

 今、国連を主な舞台にして、北朝鮮に自制を促すさまざまな話し合いが続いています。日本を含む関係各国が「対話と圧力」を駆使して外交努力を惜しんではなりません軍事的な対応は憎悪が憎悪を呼び、問題の根本的な解決にならないからです。

 その上で、北朝鮮のミサイル発射にどう備えるべきなのか。

 政府は日本に飛来する可能性があると判断すれば、全国瞬時警報システム(Jアラート)を使って避難を呼び掛けます。八月二十九日早朝の場合、発射から四分後に北海道から関東信越までの十二道県に警報を出しました。

 とはいえ、日本の領域内に着弾する場合、発射から数分しかありません。政府は、屋外にいる場合は近くの頑丈な建物や地下への避難を呼び掛けていますが、そうしたものが身近にない地方の都市や町村では短時間では避難のしようがないのが現実です。

 八月の発射でも「どこに逃げるか、どのように身を隠せばいいか。どうしていいか分からない」との声が多く出ています。

 住民の避難訓練も同様です。ミサイル発射を想定した国と自治体による合同の避難訓練が今年三月以降、すでに全国の十四カ所で行われていますが、専門家からは訓練の想定や有効性を疑問視する声が出ています。

 北朝鮮は、在日米軍基地を攻撃目標にしていることを公言していますし、稼働中であるか否かを問わず、原発にミサイルが着弾すれば、放射線被害は甚大です。

 しかし、政府は米軍基地や原発、標的となる可能性の高い大都市へのミサイル着弾を想定した住民の避難訓練を行っているわけではありません。有効な避難場所とされる地下シェルターも、ほとんど整備されていないのが現状です。

 訓練の想定が現実から遊離するなら、悠々は防空大演習と同様、論難するのではないでしょうか。


◆原発稼働なぜ止めぬ

 戦力不保持の憲法九条改正を政治目標に掲げる安倍晋三首相の政権です軍備増強と改憲の世論を盛り上げるために、北朝鮮の脅威をことさらあおるようなことがあっては、断じてなりません。

 国民の命と暮らしを守るのは政府の役目です。軍事的な脅威をあおるよりも、ミサイル発射や核実験をやめさせるよう外交努力を尽くすのが先決のはずです。そもそもミサイルが現実の脅威なら、なぜ原発を直ちに停止し、原発ゼロに政策転換しないのでしょう

 万が一の事態に備える心構えは必要だとしても、政府の言い分をうのみにせず、自ら考えて行動しなければならない。悠々の残した数々の言説は、今を生きる私たちに呼び掛けているようです。
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●「「危機が迫っている」とあおり、時の政権の求心力を高める手法」…メディア買収と国内に向けての圧力

2017年08月01日 00時00分10秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の半田滋さんによるコラム【【私説・論説室から】「備えよ」とあおる政府】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017071902000135.html)。

 《何の説明もないまま、「ミサイルに備えよ」との政府広報はテレビCMに進出した。自治体による避難訓練も続出している。北朝鮮に対する政府方針は「対話と圧力」。圧力を国内に向けてどうするのか。 (半田滋)》。

 《日本政府は民間施設への落下を想定して警戒を呼びかける》…《危機が迫っているあおり、時の政権の求心力を高める手法》。
 《北朝鮮に対する政府方針は「対話と圧力」》だそうですが、《対話》の「た」の字も無く、一方で、国内に向けて「圧力」を掛け、危機感をあおり、しかも、マスコミへの賄賂。

   『●「軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、
      外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割」
   『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」…
          「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」
   『●高畑勲監督より三上智恵監督へ、
      「あなたがつくっているような映画が、次の戦争を止める」
   『●山内康一氏「『米国の軍事力行使を日本は支持する』
          …戦争を積極的に肯定…重大かつ危険な発言」
   『●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも
     「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」
   『●「平和憲法」が風前の灯火: 壊憲の坂道を転げ落ち、
         アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる

   『●戦争法なんて要らない! 「武力による威嚇や武力の行使を
                …永久に放棄した日本の役割」を見失っている
   『●「我が軍」的自衛隊の「違憲」状態を「合憲」へと改めず、
                憲法を「壊憲」して「違憲」を解消する!?

   『●戦争で唯一得た平和憲法を壊憲…「日本は自由と民主主義を
                   失うだけで、代わりに得るものは何もない」

   『●立憲主義も理解できず…「行政の長である総理大臣が
       具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反」

   『●アベ様による血税4億円のトンチンカン・トンデモ
        「ミサイル避難CM広告」によるメディア買収!?
    《この国から倫理観が失われつつある。なにしろ、倫理観ゼロの
     安倍さんが総理だしな。…内容はミサイルが飛んで来たら
     「屋内に避難」「物陰に隠れる」というトンデモだ。そんなに緊急に
     ミサイルの心配をしなくてはならないのなら、まず全国にある原発を
     どうにかしなくていいのか? が、そういうことじゃない、きっと。
     このCMには4億円もの金をかけている。…そんな中、メディアに
     4億円という金が配られる。それはいったい、どういうことを意味するのか?》

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017071902000135.html

【私説・論説室から】
「備えよ」とあおる政府
2017年7月19日

 「Jアラートで緊急情報が流れたら、慌てずに行動を」。弾道ミサイルの落下に備えるよう呼びかける政府広報が先月二十三日、新聞各紙に掲載された。

 この日は東京都議選の告示日。危機が迫っているあおり、時の政権の求心力を高める手法は、古くから政治のイロハのイ。それにならったのかは不明だが、結局、自民党は歴史的大敗を喫した

 北朝鮮は、米国に攻撃されたリビアやイラクの二の舞いにならないよう強力な抑止力を持てば、米国との交渉に臨めるとして核兵器とミサイル開発を進めてきた。度重なるミサイル発射は米国へ向けたメッセージである

 そのミサイルがなぜ、日本に落ちるのか政府の説明はゼロに等しい

 教えてほしい。米国による北朝鮮攻撃が迫っているのか、一兆四千億円かけた自衛隊の迎撃システムは無力なのか、原発に被害が出た場合、どこへ避難するのか

 北朝鮮はわが国同様、軍事行動の対象は軍事目標のみとするジュネーブ条約第一追加議定書の締約国だが、日本政府は民間施設への落下を想定して警戒を呼びかける

 何の説明もないまま、ミサイルに備えよとの政府広報はテレビCMに進出した。自治体による避難訓練も続出している。北朝鮮に対する政府方針は「対話と圧力」。圧力を国内に向けてどうするのか。 (半田滋
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●阿部岳記者「桐生悠々は訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた…先見の明は…」

2017年05月02日 00時00分23秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



沖縄タイムスの阿部岳記者のコラム【[大弦小弦]「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」という論説が信濃毎日新聞に載ったのは…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/94575)。

 《▼桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している。(阿部岳)》

 東京新聞のコラム【筆洗】では、この「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」という論説は「日本の新聞史上、特筆すべき名論説」と言っています。

   『●政権交代の意義が完全に消えた日
    《▼「听う」は口を大きく開けてわらうことで、「莞う」は感じよく
     ほほえむこと、「嗤う」はあざけりわらうことだ。軍国主義が台頭し、
     言論弾圧が厳しさを増していた一九三三年、軍の空襲への備えを
     嗤った新聞人がいた▼その人、桐生悠々が書いた
     「関東防空大演習を嗤ふ日本の新聞史上、特筆すべき名論説
     として、記憶される。首都上空で敵機を迎え撃つ作戦など滑稽極まる。
     数機撃ち漏らせば、木造家屋の多い東京は炎上すると、彼は書いた
     ▼<阿鼻叫喚(あびきょうかん)の一大修羅場を演じ、
     関東地方大震災当時と同様の惨状を呈するだらう…しかも、
     かうした空撃は幾たびも繰返へされる可能性がある>。
     この指摘が現実のものとなり、大空襲で東京の下町が壊滅、
     十万の犠牲者を出したのは、四五年三月十日のことだ》

 《桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた。…先見の明は、その後の空襲被害が証明している》訳です。
 壊憲が進み、戦争できる国、戦争したい国へとひた走るニッポン。ジャーナリズムの劣化もそれに拍車をかける。

   『●自公支持者を「嗤う」、あれで「採決」「可決」!?:
       自公支持者も「听う」ことが出来なくなる日は近い
    「先の『読売』や『産経』、『アベ様の犬HK』などの
     「アベ様の広報機関」とは違う、『東京新聞』の新聞人の矜持
     示す社説をご覧ください。2番目の記事の、つまり、
      《桐生悠々の言葉。…「言いたい事」と「言わねばならない事」は
       区別すべきだとし「言いたい事を言うのは権利の行使」だが、
       「言わねばならない事を言うのは義務の履行」で「多くの場合、
       犠牲を伴う」と書き残している》
     ……の部分を受け、社説の末尾には、《憲法を再び国民の手に
     取り戻すまで、「言わねばならないこと」を言い続ける責任
     自らに課したい。それは私たちの新聞にとって
     「権利の行使」ではなく義務の履行だからである》と〆ています」

 《あくまでも非軍事的解決の道を探るべき》《軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割》だというのに、デンデン王国の「裸の王様」アベ様は、危険な火遊びを続けている。

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
               …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
               …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
   『●「外交音痴、政治音痴、もう政治家とは呼べない領域」な
            失言王・萩生田光一氏…成果無しなアベ様外交
   『●歴史学者らの公開質問状に、「侵略の定義は  
       国際的にも定まっていない」というアベ様はどう応えるのか?
   『●「軍事的対応ではなく、緊張緩和に知恵を絞り、
      外交努力を重ねることこそが平和国家を掲げる日本の役割」
   『●番犬様を諌めることもなく「海自、米空母と訓練検討」…
          「あくまでも非軍事的解決の道を探るべきである」
   『●高畑勲監督より三上智恵監督へ、
      「あなたがつくっているような映画が、次の戦争を止める」
   『●山内康一氏「『米国の軍事力行使を日本は支持する』
          …戦争を積極的に肯定…重大かつ危険な発言」
    「《★元民進党議員・山内康一は…この発言を「普通の日本語に
     翻訳すると『米国の軍事力行使を日本は支持する』という意味。
     『米国の戦争に巻き込まれる』というレベルではなく
     戦争を積極的に肯定しているレベル
です。サラッと報道している
     メディアはどうかしていると思います。重大かつ危険な発言です。
     嘆かわしいことです」》とのこと。
      アベ様らときたら、もう既に大きく一線を越えようとしている。
     《あくまでも非軍事的解決の道を探るべき》はずなのに…」

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/94575

[大弦小弦]「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」という論説が信濃毎日新聞に載ったのは…
2017年4月24日 07:44 阿部岳 北朝鮮 ミサイル

 「関東防空大演習を嗤(わら)ふ」という論説が信濃毎日新聞に載ったのは太平洋戦争開戦の8年前、1933年。主筆の桐生悠々は陸軍による大演習を「パッペット・ショー(人形劇)に過(す)ぎない」と断じた

▼首都上空に敵機が来た時点で「敗北そのもの」。市民に冷静な行動を求めても実際は一大修羅場になる。灯火管制で闇夜の混乱に輪をかけるのは滑稽でなくて何であろう

▼北朝鮮がミサイルを連発した3月、政府は秋田県で全国初の住民避難訓練を実施した。今後他府県に広げるという。避難方法を載せた「国民保護ポータルサイト」もアクセスが急増している

▼国民保護と言っても頑丈な建物に逃げる、窓からは離れるといった内容。ミサイルが実際に着弾すれば遠く離れた所の被害をわずかに減らせる程度だろう

▼北朝鮮は在日米軍基地が攻撃対象だと明言している。基地に囲まれた沖縄では、特に逃げ場は限られる。訓練は効果がゼロではないとしても、外交の失敗で攻撃を受けても被害は抑えられるという誤解を広め、市民の意識を有事に慣れさせてしまう副作用もある

桐生悠々訓練よりも「実戦が、将来決してあってはならない」ことを訴えた。在郷軍人会の不買運動によって社を追われ、開戦直前に亡くなった。先見の明は、その後の空襲被害が証明している。(阿部岳
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●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長

2017年04月06日 00時00分32秒 | Weblog


東京新聞の記事【伊方3号機の差し止め認めず 広島地裁決定】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017033102000139.html)と、
社説【伊方仮処分却下 何をそんなに急ぐのか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017040102000181.html)。

 《四国電力 伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めるよう瀬戸内海を挟んだ広島県の住民らが申し立てた仮処分について、広島地裁は三十日、却下する決定…吉岡茂之裁判長は東京電力福島第一原発事故後に策定された原発の新規制基準について、教訓を踏まえ最新の知見を反映しているとして「不合理とは言えない」と指摘》
 《目前に世界最大級の地震の海しか逃げ場がない人たち。それでも、四国電力伊方原発に差し迫った危険はないという。「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さる》。

   『●予想されたこととはいえ、大津地裁山本善彦裁判長の
         「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」を破棄…
    《稼働中の原発を止めた全国初の司法判断は約一年で覆った…
     高裁の山下郁夫裁判長》。
    《「画期的な司法判断」は、またもすっかり覆された。関西電力
     高浜原発3、4号機を止めておく法の鎖は解き放たれた。
     3・11以前へのあと戻りを懸念する多くの住民の不安と不信を
     募らせて。「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」 昨年三月、
     稼働中の原発を初めて止めた大津地裁の決定を、私たちはそう評価した》

 忖度に次ぐ、忖度。ニッポンは、忖度社会。核発電所再稼働関連の訴訟で、連敗。

   『●「原発さえなければ…」:  
       それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」

   『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
                     放射線測定器で測ることはできない」
   『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
                    地震国日本では、これこそ社会通念」
   『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
             いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき
   『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
       川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…
   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
                            …「規制緩和」委員会(©東新)
   『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
       穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…
   『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ 
      いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?
   『●熊本大分大地震の最中、
      伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ

 《伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている》…なのに、プルサーマル核発電所を再稼働。その運転停止の仮処分について、対岸の広島の市民の申し出は、あっさりと却下。地裁レベルで「司法判断」することなく、既にアベ様らに忖度し、「政治判断」。
 吉岡茂之裁判長も「ヒラメ」さんだったようです。大変に残念。《新規制基準について、教訓を踏まえ最新の知見を反映しているとして「不合理とは言えない」》…裁判長は、真面目に検討したのでしょうか? ヒロシマの地だからこそ、「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できるはずなのに。《「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さ》らなかった広島地裁吉岡茂之裁判長。《ヒロシマやフクシマの不安と嘆きを置き去りに、誰のため、何のために、今再稼働を急ぐのか》?

   『●吉永小百合さん、「核と人は共存できない」
            「ゲームやコミックスで知っている戦争ではないか?」』 

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    「「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが
     二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ!
     「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、
     「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要」
    「「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが攻撃を開始しても、
     怯まぬ吉永小百合さん。あらゆる核を否定し、
     「核なき世界」への願いを次世代」へ、と言う吉永さん。
     そういう「未来図」は可能だと信じる」

   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
         放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
    「「核兵器なき世界」ですら、デンデン王国「裸の王様」アベ様は
     ヤル気がないということが明白。ましてや、核発電「麻薬」中毒であり、
     「原発は『プルトニウムをつくる装置』」な訳で、
     「核なき世界」など全く眼中になし」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017033102000139.html

伊方3号機の差し止め認めず 広島地裁決定
2017年3月31日 朝刊

     (四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分
      申し立てが却下され、掲げられた垂れ幕=30日午後3時5分、
      広島市中区の広島地裁前で(沢田将人撮影))

 四国電力 伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めるよう瀬戸内海を挟んだ広島県の住民らが申し立てた仮処分について、広島地裁は三十日、却下する決定をした。住民側は広島高裁に即時抗告する方針。 

 同様の仮処分では、大阪高裁も二十八日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めていた昨年三月の大津地裁決定を取り消しており、住民側には再び厳しい判断となった。

 吉岡茂之裁判長は東京電力福島第一原発事故後に策定された原発の新規制基準について、教訓を踏まえ最新の知見を反映しているとして「不合理とは言えない」と指摘。四国電は、安全の基準となる地震の揺れや津波を詳細な地盤調査をした上で不確かさも考慮しており、適正だと判断し「住民が放射線被ばくにより重大な被害を受ける具体的な危険はない」と結論付けた。

 一方、四国電による地震想定の合理性には慎重な検討を要する問題もあると言及。こうした問題を検証する際、地震学者や原子力規制委員会の関係者を通じて学説の状況や審査経緯などを調べるのは、仮処分手続きにはなじまないとした。

 四国電は「安全性が確保されているとの主張が認められ、妥当な決定」とコメントした。

 住民らは伊方原発が南海トラフ巨大地震の震源域にあり、基準地震動を過小評価していると訴えていた。


◆広島地裁決定骨子

▼原発の新規制基準の内容が不合理だとはいえない

▼四国電力は詳細な地盤構造などの調査を行い、安全性の基準となる地震の揺れや津波の規模を適正に定めている

▼これらを新基準に適合するとした原子力規制委員会の判断にも不合理な点はない

▼四国電は伊方原発の安全性を一定程度立証しており、住民らの人格権侵害の恐れはない



◆対岸に原発 被爆者「引き下がらぬ

 「このまま引き下がるわけにはいかない」。三十日、四国電力伊方原発3号機の仮処分で運転差し止めを認めなかった広島地裁決定。並行して地裁に係属する訴訟の原告団長を務める堀江壮(そう)さん(76)=広島市佐伯区=は、七十二年前の被爆体験を原動力として、仲間らの闘いを見守ってきた

 「自分たちのような原子力の被害者はもう出さない」との思いで裁判に参加。決定後の記者会見では「次の世代のために頑張りたい」と神妙な面持ちで話した。

 広島市で四歳の時に被爆。五十五歳で甲状腺腫を患い原爆症認定も受けた。今も影響を及ぼす原爆の恐ろしさを語ってきた。

 堀江さんを突き動かしたのは東京電力福島第一原発事故ひとたび事故が起きれば、長く被害が続く点は原爆と変わらないと感じる。「自分は放射能の恐ろしさを知っている原爆と原発はコインの裏と表だ。平和利用であっても核と人類は共存できない

 伊方原発の運転差し止めを目指して法的手段に打って出たのは、被爆者としての責任感からだ原爆を実体験として語れる最後の世代。「もしまた事故が起きたとき怖さを知っていたのに何もしなかったのかとは絶対に言われたくない」。堀江さんの闘いは続く。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017040102000181.html

【社説】
伊方仮処分却下 何をそんなに急ぐのか
2017年4月1日

 目前に世界最大級の地震の海しか逃げ場がない人たち。それでも、四国電力伊方原発に差し迫った危険はないという。「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さる。 

 あと戻りが加速する-

 「日本で最も動かしてはいけない原発」。伊方原発を、そう呼ぶ人は少なくない。

 世界最大級の断層帯である中央構造線が間近を走り、南海トラフ巨大地震の想定震源域にも近い。

 三月末で高知大防災推進センターを退任した岡村真・前特任教授は、中央構造線の活動性を指摘し「計算通りに地球は動かない」と警告した。

 地元愛媛新聞が先月までに実施した愛媛県民の世論調査では、再稼働に否定的な意見が七割近くに上る。六割以上が避難計画の実効性に疑問を感じ、過半数が放射線被ばくの不安を訴える。

 伊方原発は、日本一細長い佐田岬半島の付け根にある。半島唯一の国道197号は地滑りの危険地帯。つまり、逃げ場がない

 それでも広島地裁は、原子力規制委員会に地震動の過小評価はなく避難計画の是非は棚上げにして「住民が放射線被ばくにより重大な被害を受ける危険はないと結論づけた人格権も侵害されていないとして住民らの運転差し止めの申し立てを却下した。

 昨年十一月、愛媛県は重大事故を想定し、原発三十キロ圏内の住民ら二万三千人が参加する大規模な避難訓練を実施した。

 重大な被害の危険がないなら、このような訓練をしたり、安定ヨウ素剤を配布したりする必要もないではないか。

 「原子炉施設から放射性物質が放出されることのない安全性を確保することは、少なくとも今の科学技術では不可能だ。わが国の社会がどの程度の危険性であれば容認するかの社会通念を基準とするしかない」。昨年四月、九州電力川内原発1、2号機の運転差し止め請求を退けた、福岡高裁宮崎支部が提示した判断の枠組みだ。

 松山など三つの地裁に同様の請求がなされており、全国各地で原発運転差し止めの裁判が続く中、今回の決定は、現在唯一の高裁判断である福岡高裁の枠組みに従うべきだという考え方の上に立つ。

 電力事業者、政府、そして司法にも、あらためて問い直したい

 ヒロシマやフクシマの不安と嘆きを置き去りに、誰のため、何のために、今再稼働を急ぐのか
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●玄海原発再稼働へ…正気の沙汰じゃなく、もはや「宗教」…「核信者」「核燃料サイクル教信者」

2017年01月26日 00時00分10秒 | Weblog


東京新聞の社説【玄海原発 離島に橋も架けないで】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011902000127.html)。

 《九州電力 玄海原発が再稼働に向かう。重大事故に備えた避難計画をつくれといいながら、離島には逃げ場がない。橋を架ける前になぜ、原発を動かせるのか。人の命が何より大切だとするならば》。

 核発電「麻薬」中毒患者達のやりたい放題。もはや「宗教」=「核発電教」。「核信者」、「核燃料サイクル教信者」達。
 その「安全」に対する自信は一体どこから? 《原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)》や原子力「ムラ寄生」委員会を信じ、つき従う「地元」にもイワシのアタマ的信心ににも呆れる。

   『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
       インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」
   『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…
   『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は 
       「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??
   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
                核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●核発電所「地元」としてマトモな反応…
     九州電力玄海原発「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」
   『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
     3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』
    「『猿の惑星シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
     ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
     宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
     「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017011902000127.html

【社説】
玄海原発 離島に橋も架けないで
2017年1月19日

 九州電力 玄海原発が再稼働に向かう。重大事故に備えた避難計画をつくれといいながら、離島には逃げ場がない。橋を架ける前になぜ、原発を動かせるのか。人の命が何より大切だとするならば。

 玄海原発に併設されるPR館、玄海エネルギーパークの展望室からは、四基の原子炉建屋とともに、玄界灘の島々が見渡せる。

 馬渡島(まだらしま)、そして「島の宝百景」にも選ばれた加唐島(かからしま)、松島…、壱岐島もはっきり見えた。

 原発三十キロ圏内の自治体には、原発事故を想定した避難計画の策定が義務付けられている。暮らしや命が危険にさらされているということだ。

 玄海原発の三十キロ圏には二十の離島があり、二万六千二百人が暮らしている。このうち九州本土と結ぶ橋があるのは、長崎県側の三島だけ。四国電力 伊方原発のある、日本一細長い佐田岬半島の先端部に住む人同様ほとんどの島では海が荒れれば逃げ場がない

 荒波で名高い玄界灘、海路による避難訓練が高波のため中止になったこともある。

 それでも国の原子力防災会議(議長・安倍晋三首相)は先月、三十キロ圏内の広域避難計画を「合理的」とした。

 例えば、本土との間に橋のない長崎県の壱岐島は、南部が三十キロ圏内だ。計画の中に全島避難は含まれず、約一万五千人が、島の北部に移動することになっている。屋内退避施設は未整備のままで、風が北へ向いた場合の対策は定かでない

 放射性物質は風に乗って遠方まで飛散する。福島第一原発事故が証明済みだこれほど多くの人々の安全が保証されないまま原発再稼働を許すのが、どこが合理的だと言えるのだろう。

 壱岐市の白川博一市長は「100%安全と言えない」、ほぼ全域が三十キロ圏内に含まれる佐賀県伊万里市塚部芳和市長は「避難道路や防災無線の整備が不十分」として、再稼働には明確に反対の立場を取ってきた。

 理にかなうとは、こういうことだ。そもそも、避難計画が実行されるようなことが起きてからでは遅いのだ。

 政府が避難計画を了承しても、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると書いても、それが安全を意味するものでないのは、すでに明らかだ。

 再稼働の“お墨付き”が出せるとすれば、そのことで危険にさらされる住民をおいてほかにない。
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●東京電力原発「人災」は未解決なのに、川内原発を再稼働しようという愚行

2015年08月11日 00時00分16秒 | Weblog


東京新聞の二つの社説【フクシマは“人災”か 東電元幹部を強制起訴へ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080102000137.html)、
【原発再稼働 安全とは言わぬまま】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080802000130.html)。

 「福島第一原発事故は東京電力が津波対策を怠ったため起きた-。それが検察審査会の結論だった。“人災”だったのか、公の裁判の場で決着をつけたい」。
 明らかに「原発人災」である。しかも、津波の前に既に破壊・破断が起こっていたのではないか?

   『●予想された東京電力原発人災と裁判官の責任
   『●様々な意味で人災である
   『●東京電力原発人災: 
      津波による天災ではなく、地震で破断していた?
   『●醜悪な構図2:
      原発人災・汚染の原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」

   『●東電原発人災の3.11を再び目前に:
      「原発事故調書 原因不明、責任不在」でも再稼働できる神経を疑う


 「四国電力 伊方原発原子力規制委員会の規制基準に適合し、九州電力 川内原発の再稼働は迫る。多くの不安をのこしたままで、適合すなわち再稼働という短絡を、定着させてもいいのだろうか。川内原発(鹿児島県)、関西電力 高浜原発(福井県)に続いて伊方(愛媛県)は「適合」三件目。ここでもやはり、避難計画の実効性や、地震に対する備えの甘さが不安視されている。にもかかわらず、政府や電力事業者は、それで再稼働の“お墨付き”を得たという」。
 さらに東京電力柏崎刈羽原発を優先審査だそうです・・・・・・あまりの愚行

   『●東京電力柏崎刈羽原発を優先審査: 
      原子力「ムラ寄生」委員会は「規制」のお仕事をしてくれ!

   『●原子力「寄生」委員会の審査に通ったからといって何だというのでしょう?
   『●原子力「ムラ寄生」委員会の机上の空論:
          「大幅に下回」るように計算すれば下回る

   『●東京電力原発人災での「想定不適当事故」を
         想定しなかった教訓が全く活かされていない

   『●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、
     「風船爆弾」が語ることにこそ真実はある ~川内原発再稼働問題~

   『●火山の巨大噴火時の緊急核燃料輸送に
          何時間、何日間? 答えは「2年以上」!

   『●九州電力川内原発を再稼働させてはイケナイ: 
         何のための専門家会合? 市民の意見提出??
   『●「今後の運転期間はせいぜい三十年間。
     その間の噴火はないだろう」との推測下、川内原発規準OK


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080102000137.html

【社説】
フクシマは“人災”か 東電元幹部を強制起訴へ
2015年8月1日

 福島第一原発事故は東京電力が津波対策を怠ったため起きた-。それが検察審査会の結論だった。“人災”だったのか、公の裁判の場で決着をつけたい。

 自然現象に不確実性はある。しかし、原発事故という大災害を招きかねないケースにおいては、「万が一」の事態も事前に想定しておかねばならない

 十一人の市民で構成する東京第五検察審査会は、そのような極めて常識的な立場にたって、福島第一原発事故を検討したといえよう。検察が「不起訴」判断だったのに、東電元幹部らに刑事責任が問えると、ぎりぎりの判断をしたのも、そうした常識観の反映だとみることができる。


◆大津波の試算があった

 もちろん、「想定外」の事態を扱う場合、その安全対策をどこまで考えておけばいいのか、どのような具体的な条件設定をすればいいのか、難しいポイントは数々ある。検察審査会の市民が重視したのは政府の地震調査研究推進本部の長期評価である。

 二〇〇二年の段階で、マグニチュード(M)8・2クラスの津波地震が発生する可能性があると指摘されていた。〇八年の段階では、長期評価を用い、東電側で明治三陸地震をモデルに試算すると、一五・七メートルもの大津波が押し寄せる-。そんな結果も出していた。巨大津波が来れば、原発は水に覆われてしまう。

   「十メートルの敷地高を超える津波がひとたび来襲した場合には、
    電源喪失による重大事故が発生する可能性があることは、
    そのとき既に明らかになっていた」

 検察審査会の議決書では、そう記している。東電元幹部の刑事責任を問うには、まず注意義務違反があったかどうか、重大な事故となる予見可能性があったかどうか、などが焦点になる。市民の感覚は、そのいずれも「あった」と断じるものだった。


◆安全だと「思い込み」が

 そもそも一五・七メートルもの大津波が来るという重大な指摘があったのに、東電側はまるで時間稼ぎをするかのように土木学会に検討を委ね、対策を先送りしていた。

 その点について、検察審査会は「最悪の場合、原発の運転を停止せざるを得ない事態に至り、東電の収支を悪化させることを危惧した」と述べている。

 東電は津波によって非常用海水ポンプが機能を失い、炉心損傷に至る危険性があることや、全電源喪失の危険性があることも分かっていたのではなかろうか。

 「検察審査会は素人判断だ」などと侮ってはならない。国際原子力機関(IAEA)が作成した福島第一原発事故の最終報告書でも、巨大地震や大津波は「想定外」とする東電と国の主張を真っ向から否定しているからだ。

 その報告書では、「『日本の原発は安全』との思い込みにより、関係機関には、安全レベル(向上)に挑もうとしない傾向があった」と明確に記しているのだ。しかも、約二百四十ページにも及ぶ報告書には「思い込み」という言葉を何度も刻み、国や東電の対応のまずさを指摘している。

 原発運転では核分裂を伴う以上、機器の故障や運転ミスだけではなく、地震や津波、洪水などに対しても万全の対策が求められる。それでも対策は突破され、重大事故は起きるものだ。IAEAの報告書はそのような観点にたっている。東電はまさに「思い込み」に陥っていたのではないか。

 ただし、今回の「強制起訴」議決によって、東電元幹部を有罪視するようなことがあってはならない。白黒をはっきりさせるのは、あくまで裁判の場である。

 〇九年に新しい検察審査会の仕組みが出来上がってから、初の強制起訴となった兵庫県明石市の花火大会で起きた歩道橋事故のケースは、時効成立による「免訴」の判決が出た。尼崎JR脱線事故では、JR西日本の歴代三社長は「無罪」判決で、両事件とも最高裁に係属中だ。政治資金規正法をめぐる陸山会事件では、小沢一郎元民主党代表は「無罪」が確定している。


◆法廷で真相に肉薄を

 むしろ、福島第一原発事故のケースでは、当時の東電の幹部たちが、原発事故とどう向き合っていたのか、公の法廷で肉声を聞くことができる。証言や証拠が開示され、われわれ国民の前で明らかにされる意義が極めて大きい。

 少なくとも検察は強制捜査に踏み切ることもなく、業務上過失致死傷罪での刑事訴追について、「想定外だから罪は問えない」と一蹴してしまった。

 「レベル7」の過酷事故は本当に防げなかったのか。天災なのか、人災なのか、被災者も注視している。真相に肉薄することが、今後の裁判に期待される。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015080802000130.html

【社説】
原発再稼働 安全とは言わぬまま
2015年8月8日

 四国電力 伊方原発原子力規制委員会の規制基準に適合し、九州電力 川内原発の再稼働は迫る。多くの不安をのこしたままで、適合すなわち再稼働という短絡を、定着させてもいいのだろうか。

 川内原発(鹿児島県)、関西電力 高浜原発(福井県)に続いて伊方(愛媛県)は「適合」三件目。ここでもやはり、避難計画の実効性や、地震に対する備えの甘さが不安視されている。

 にもかかわらず、政府や電力事業者は、それで再稼働の“お墨付き”を得たという

 規制委の「適合」判断は、再稼働の必要条件ではあるだろう。だが、十分条件とは言いがたい

 多くの原発は半島に立地する。特に伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている。

 愛媛県が策定した事故時の広域避難計画では、原発前の国道を通って松山市などに向かう陸路と、フェリーに乗って大分などに逃れる海路が想定されている。

 だが、南海トラフ地震と原発事故の複合災害が発生すれば、道路は寸断、港が荒れて船も使えず、孤立化する恐れは強い。

 共同通信が六月中旬に実施した調査では、伊方原発から半径三十キロ圏内十二万三千人の避難先になる六県十九市町のうち、受け入れ態勢が「整っている」「どちらかというと整っている」と答えた自治体は一県七市町にとどまった。

 大分県と愛媛県は、愛媛県側住民を船に乗せ、大分県側に運ぶ避難訓練を、秋に実施するという。

 順序が逆だこんな大事な訓練をする前に、再稼働の“許可”が出されて、いいのだろうか

 福島第一原発事故をめぐる検察審査会の起訴議決にも「原発に関する責任者は『万が一』の災害にも備えなければならない義務を負う」とあるではないか。

 そもそも数千人が船で海上に逃れなければならないような大事故は、万が一にもあってはならないことではないか。

 「適合」判定第一号の川内原発は、十一日にも再稼働第一号になるという。だが、規制委も政府も自治体も、誰も「安全」を保証していない

 事故発生時の責任を、誰が、どう取るのかも、あいまいなままではないか

 このような状態で、規制基準「適合」=「再稼働」という図式を定着させてしまってもいいものか。もう一度よく考えたい。
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●アベ様が「原発再稼働、進める方針を明言」・・・・・・世界に向けて「恥」を発信

2014年05月08日 00時00分04秒 | Weblog


東京新聞の記事【原発再稼働、進める方針を明言 安倍首相、ロンドンの講演で】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014050201001077.html)。
CMLの記事【[CML 031105] Fw:30日の政府交渉/火山評価・汚染水問題・防災避難計画について】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-May/031126.html)。
最後に、asahi.comの社説【電力経営―逆境を「変革元年」に】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・

 ドイツ訪問後、イギリスにて「経済成長の実現に向けて原発再稼働を進める方針を明言・・・・・・経済成長のためには安定的で安いエネルギー供給の実現が不可欠とし「世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発を、慎重な手順を踏んで再稼働させる」と表明。英国と原子力技術の開発に取り組む考え」・・・・・・ずかしいー! 「安定的で安いエネルギー」なんてまだ言ってるし!! ドイツに行って何見てきたんだ? おまけに、「世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発」って、よく言えたものだ。逆に、3.11以前はそのレベルではなく、「想定不適当事故」などを許してきた自民党の責任を一体どうするつもりなのか。

 CMLに「参議院議員会館で行われた「川内原発の再稼働審査・汚染水問題に関する政府交渉」について、阪上武さん(福島老朽原発を考える会)の報告」が出ています。川内原発をはじめ、こんな状況で再稼働する心算でしょうか? 電力会社によるヤラセ自己評価を、この先に、原子力「推進」委員会原子力「寄生」委員会)が認めたからといって、何なんでしょうか?

   『●無責任の極み:
        「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」
   『
●「エレファント・イン・ザ・ルーム」:
               原発再稼働・輸出という、「危険なゾウ」の暴走

   『●東電原発人災対策がお粗末すぎる・・・・・・、
             そして「推進」しか出来ない原子力「規制」委員会
   『●トリチウム、使用済み吸着剤の処理・処分、
                ・・・再稼働や輸出なんてやっている場合か?
   『●原子力「寄生」委員会の審査に通ったからといって何だというのでしょう?


 最後に、「福島第一原発の事故が起きた後も、東京電力以外の各社は基本的に、震災以前の路線を踏襲してきた。だが、自民党が政権に戻っても、事態は電力会社の都合のいいようには動いていない。原発維持を打ち出した安倍政権も、安易な再稼働や電気料金の値上げは国民の反発を招くことを承知しているからだ」。言っちゃぁ悪いが、電力会社の経営者は能無し、センス無し。すぐさま、脱原発に転換すれば、こんな体たらくにならずに済んだはずなのに、経営センスが悪すぎる。特に、東京電力九州電力関西電力。そして、なんと言っても経団連城南信金に学べないダメ経営者。

   『●マガイ物ではないモノもある ~城南信金~
   『●財界の総理大臣はもはや大企業の単なる代弁者
   『●経団連は原発推進・復活の第4案を希望?


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014050201001077.html

原発再稼働、進める方針を明言 安倍首相、ロンドンの講演で
2014年5月2日 08時35分

  (ロンドンの金融街シティーで講演する安倍首相=1日(共同))

 【ロンドン共同】 安倍晋三首相は1日夜(日本時間2日早朝)、ロンドンの金融街シティーで講演し、経済成長の実現に向けて原発再稼働を進める方針を明言した。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)に関し、2015年中の交渉妥結に意欲を示した。

 経済成長のためには安定的で安いエネルギー供給の実現が不可欠とし「世界のどこにも劣らないレベルの厳しい安全基準を満たした原発を、慎重な手順を踏んで再稼働させる」と表明。英国と原子力技術の開発に取り組む考えを明らかにした。
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-May/031126.html

[CML 031105] Fw:30日の政府交渉/火山評価・汚染水問題・防災避難計画について
杉原浩司(Koji Sugihara) kojis at agate.plala.or.jp
2014年 5月 2日 (金) 00:29:36 JST

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党・脱原発担当)です。

[転送・転載歓迎/重複失礼]

4月30日に参議院議員会館で行われた「川内原発の再稼働審査・汚染水問
題に関する政府交渉」について、阪上武さん(福島老朽原発を考える会)の
報告を転送します。火山影響評価、避難計画、汚染水問題と重要テーマの
三本立てでした。

重要な内容ですので、ぜひご一読ください。


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みなさまへ
昨日(注:30日)は政府交渉お疲れさまでした。


◆火山影響評価について

参議院議員会館で参加者は70名ほど。鹿児島、佐賀、福岡、関西、首都圏他か
ら参加がありました。テーマは、川内原発の火山影響評価、汚染水問題、原子力
防災・避難計画の3つですが、そのうち、火山影響評価について簡単にご報告い
たします。


川内原発の火山影響評価については、審査の過程で火山学者が全く関与しておら
、火山学者から懸念の声が上がっている中、こちらからは、有識者会合の開催
しその間は審査を止めるべきではないかという旨の事前質問を出していました。


折しも、交渉の前日の毎日新聞に、規制庁は、再稼働後に有識者会合を開催する
方針だとの記事が流れました。交渉は、再稼働後ではおかしいではないかという
点に集中しました。


規制庁は、地震・津波担当の牧野氏が対応しました。牧野氏の回答は、「外部有
識者に意見を聴くというのは、今後行われるモニタリングの結果に関しまして、
事業者の評価が適切かどうかを判断するの際の規制側の考え方を整理するためで
ございまして、許認可時に求めるものではございません。」というものでした。


しかしこれは、前回4月23日の規制委適合性審査会合で、島崎委員長代理の発
言とは異なります。島崎氏は、「火山学者の、専門家の方を集めていただいて、
議論をする。それを九州電力さんが、設定してやるというのは非常にいいことだ
と思いますが、私どもとしましても、ある段階で、しかるべき検討が必要である
ことは自覚しております。判断基準はあらかじめもっておくということは非常に
重要で、それは大切だと思いますけれど、やはり決める場合にはもう少し慎重な
検討が必要だと思います。」と述べていました。ここで判断基準と言っているの
は、火山活動の兆候を把握した場合の対処を講じるための判断条件のことです。


交渉はまず、破局的噴火について、兆候を把握した場合の対処のための判断基準
が現時点でないことを確認し、新規制基準火山審査ガイドに、兆候を確認した場
合の対処方針を定めることが要求されていることを確認した上で、この判断基準
が定められないうちに再稼働を許すのは、火山審査ガイドに違反しているのでは
ないかと問い質しました。牧野氏は、詳細な判断基準は必要ない、有識者会合は
適合性審査とは別だ、などと繰り返すだけでした。


破局的噴火の兆候の把握については、そもそも核燃料の避難が間に合うようなタ
イミングで把握することそのものが可能かどうかも不明確であり、島崎氏の適合
性審査会合でもまさにそこが問題になっています。


大飯原発の断層問題では、有識者会合を開き、その間は再稼働の申請を受け付け
ませんでした。これに比べても明らかに対応が異なります。法的にも問題がある
対応です。有識者会合の開催とその間の審査の中断については、今後も直接の抗
議、要請、議員へのはたらきかけ、署名などで要求していきましょう。


◆汚染水問題について

こちらが問題にしたのは、各地の原発の再稼働審査における重大事故対策の中
に、福島第一原発でいま問題になっているような汚染水事故を防止するような対
策が含まれていない問題と、現在福島第一原発で問題となっている地下水バイパ
スの問題でした。


重大事故対策については、規制庁PWR担当の布田氏が、汚染水対策として九電が
対策を示しているのは、ガス状の放射能を放水砲で叩き落とした際に出てくる汚
染水をシルトフェンスで防ぐというものだけであること、九電は、格納容器の健
全性は保たれると主張していること、そして、福島第一原発事故で発生している
ような汚染水事故の対策については、審査で検討もしておらず、新規制基準でも
要求していないと回答しました。


福島事故を踏まえて新規制基準が定められ、審査が行われているはずですが、そ
れが守られていないことが明確になりました。


地下水バイパスについては、汚染が昨年8月のタンク漏れに起因する可能性につ
いて問題提起をし、計画を中止するよう求めました。対応したエネ庁の柴田氏
は、関係は不明、今後も注視すると回答しました。


◆原子力防災・避難計画

規制庁の防災担当者は、交渉ははじめてとのことでしたが、それにしても答えら
れずに窮する場面が多すぎでした。


交渉で特に問題になったのが、避難途中で放射線計測と除染を行うスクリーニン
グでした。


規制庁の担当者は、スクリーニングの対処方針については、4月に行われた道府
県との連絡会で、自治体側の意向を受けて改定されたとの説明から入りました。
よく聞くとその資料は非公開だとのこと。即座に公開するように求めました。


スクリーニングの場所については、改定により、30キロ圏の近傍1~2キロの地
点とされたことが明らかになりました。しかし現実には、何百台もの車が押し寄
せる場所の確保が問題です。


川内原発で鹿児島県が昨年実施した避難訓練では、40キロ先の姶良市の高校が避
難先で、その避難先でスクリーニングが行われました。このやりかたではスク
リーニングの対処方針に反することになります。


また、スクリーニングでは、時間を短くするとの理由で、車を測って人を測った
ことにしたり、人を測る場合も代表者だけで済ませてしまおうとしています。こ
れは、避難者の安全確保という点でも、避難先への汚染拡大防止という点でも問
題があります。


代表者をどうやって選ぶのかも問題ですが、4月の道府県連絡会で、自治体側か
ら反発があったようで、地域の実情に合わせて行うことをさまたげないという文
言が入ったとのことでした。事実上代表を任命するやり方はやめにした反面地域
の実情にという形で、責任を自治体に押しつける問題も出てきました。


交渉には、佐賀から、そして玄海原発の避難元となる伊万里市の市議さん、そし
て一部が避難元、一部が避難先になる福岡市の市議さんが参加され、避難先にほ
ぼ同じ人口が避難してくることになっている過密避難の問題(しかもそれが避難
先に伝えられていない!)や風下へ避難することになっている件など、具体的な
問題が示されました。


規制庁は、国は援助をするだけで、所掌ではない、計画を立てるのは自治体だと
逃げ回っていました。では一体避難計画の実行性を誰が検証するのか。問い質し
ましたが回答はありませんでした。


引き続き情報を整理し、連絡をとりあいながら、避難の非現実性をリアルに明ら
かにしていきましょう。


阪上 武
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

電力経営―逆境を「変革元年」に
2014年5月4日(日)付

 電力各社にとっては、旧来の思考法から脱し先を読んで攻めていく力が問われる1年になりそうだ。

 電力会社の今年3月期決算は6社が赤字だった。うち5社は3期連続だ。北海道電力と九州電力は日本政策投資銀行から資本支援を受けることにした。

 福島第一原発の事故が起きた後も、東京電力以外の各社は基本的に、震災以前の路線を踏襲してきた。

 だが、自民党が政権に戻っても、事態は電力会社の都合のいいようには動いていない。原発維持を打ち出した安倍政権も、安易な再稼働や電気料金の値上げは国民の反発を招くことを承知しているからだ。

 ここにきて、新しい規制基準に見合うよう資金を投じても回収の見込みが立たない老朽化原発について、ようやく「廃炉」の選択肢を口にする会社が出始めた。

 日本では今後、小さなトラブルでも原子炉を止めての原因究明と対策とが求められるだろう。もはや原発は「安くて安定的」な電源とは言えない

 社内でも原子力部門以外からは「限られた資源を最新鋭火力や送電網の増強に」との声があがり出している。原発にこだわりすぎると深い傷を負うとの危機感は、厳しい状況を考えれば自然の成り行きだ。

 電力改革が与えるインパクトも大きい。経費をすべて電気料金から回収できる総括原価方式や地域独占が撤廃されれば、いま以上に多くの「変数」を見極めながら戦略を立てる力が不可欠になる。

 兆しはすでに東電管内での動きに表れている。

 自力で新たな発電所をつくれない東電は、他社との提携を進める。国内最大の電力消費地である首都圏が今後は草刈り場になる。

 電力業界だけでなく、国内外のガス会社や鉄鋼メーカー、商社といった異業種も関心を寄せる。電力大手が従来の横並びに甘んじていると、致命的な出遅れになりかねない。

 中部電力や中国電力は、それぞれ関係の深いガス会社や鉄鋼メーカーと組んで名乗りをあげる構えだ。原発依存率が高く、経営が苦しい関西電力がどう出るのか。注目が集まる中、悩ましさは人一倍だろう。

 とはいえ、それらは他の産業が自由化やグローバル化の中で失敗や淘汰(とうた)を繰り返しながら経験してきた道である。

 そんな当たり前の経営へ。逆境の14年度を、ぜひ「変革元年」にしてもらいたい。
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コメント
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