Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●《トランプ大統領の移民への差別的な発言が白人至上主義者の憎悪感情を助長させてはいないか》?

2019年10月19日 00時00分37秒 | Weblog


大門雅子記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]「銃の権利より命の方がはるかに重要」】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/454834)。

 《絵本「アリッサとヨシ」は銃のない世界を願って作られた。自費出版したのは1992年に留学先の米国で撃たれて亡くなった名古屋市の服部剛丈(よしひろ)さん=当時(16)=の母美恵子さん(71)…「銃の権利より命の方がはるかに重要」。遺族の言葉は重い》。

   『●トランプ氏「学校の先生たちを銃で武装させる」…
       アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」に
   『●『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』?
      普天間で起きている、辺野古で起きようとしていること
    《▼新年度、普天間第二小既に146回の避難が行われた
     米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認される
     と運動場から児童が避難する元気な声が響き渡るはずの場所で
     ごう音が響く…「飛ばないでという一言がなぜ出ないのだろう
     「…銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」》。
    「《トランプ氏が打ち出した対策は、学校の先生たちを銃で武装させる
     というもの銃には銃を」「もっと銃をというわけだ》。全米ライフル協会
     (NRA)も大喜びでしょうよ、きっと。銃には銃を」「もっと銃を…哀しい発想だ」

 《「大人たちが『銃を持つ権利がある』という言葉は銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」というフロリダの高校生、エマ・ゴンザレスさんの言葉をかみしめる》…『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』のですか?
 「銃には銃を」「もっと銃を」…哀しい発想過ぎる。何度、繰り返されればいいのか。コラム曰く、《トランプ大統領の移民への差別的な発言が白人至上主義者の憎悪感情を助長させてはいないか》? また、以下の記事では、《移民への敵意と偏見をあおる言動を繰り返してきたのはトランプ氏本人》とも。

 東京新聞の記事【米国の乱射事件 銃なき社会へ踏み出せ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019080902000173.html)によると、《銃が氾濫する社会が安全であるはずがない。銃乱射事件が立て続けに起きた米国である。悲劇は相も変わらず繰り返される。米国は抜本的な銃規制に踏み出すべきだ。それが政治の責任である…トランプ大統領は事件を受けて「この国にヘイトの居場所はない」と犯行を非難したが、移民への敵意と偏見をあおる言動を繰り返してきたのはトランプ氏本人である。政権誕生以来、白人至上主義団体は勢いづき、ヘイトクライムは増加した。「大統領が人種間の反目を助長した」との批判をトランプ氏は謙虚に受け止めるべきだ》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/454834

[大弦小弦]「銃の権利より命の方がはるかに重要」
2019年8月6日 08:11

 絵本「アリッサとヨシ」は銃のない世界を願って作られた。自費出版したのは1992年に留学先の米国で撃たれて亡くなった名古屋市の服部剛丈(よしひろ)さん=当時(16)=の母美恵子さん(71)

▼「フリーズ(動くな)」と警告があったとはいえ、ハロウィーンで誤って訪れた家で高校生が撃たれた事件は銃社会の恐ろしさを突き付けた。以来、両親は銃規制を求めて署名活動や米国の若者との交流を続ける

▼事件から27年。銃犯罪がまた、繰り返された。米テキサス州エルパソの大型商業施設で銃乱射があり、20人もの命が奪われた。13時間後にはオハイオ州でも銃撃で9人が犠牲になった

▼メキシコ国境の街エルパソの事件は中南米系移民を標的にした憎悪犯罪の可能性が高いという。トランプ大統領の移民への差別的な発言が白人至上主義者の憎悪感情を助長させてはいないか。銃規制への消極姿勢も問われる

▼絵本では2018年にフロリダ州の高校で起きた乱射事件の犠牲者アリッサ・アルハデフさん=当時(14)=が登場する。剛丈さんと天国で出会い、命を大切にする社会の実現のために取り組む物語に、遺族の願いが凝縮されている

▼米国では乱射事件が起きるたびに銃規制の強化が叫ばれるが、有効な政策につながっていない。「銃の権利より命の方がはるかに重要」。遺族の言葉は重い。(大門雅子)
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●『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』? 普天間で起きている、辺野古で起きようとしていること

2018年06月01日 00時00分11秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>学校は戦地より「危険」?】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-725443.html)。

 《▼新年度、普天間第二小既に146回の避難が行われた米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認されると運動場から児童が避難する元気な声が響き渡るはずの場所ごう音が響く…「飛ばないでという一言がなぜ出ないのだろう…「…『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」》。

   『●トランプ氏「学校の先生たちを銃で武装させる」…
       アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」に

 《トランプ氏が打ち出した対策は、学校の先生たちを銃で武装させるというもの。「銃には銃を」「もっと銃を」というわけだ》。全米ライフル協会NRA)も大喜びでしょうよ、きっと。「銃には銃を」「もっと銃を」…哀しい発想だ。

   『●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか 
         能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?
   『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
      “茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」
   『●普天間米軍のCH53E大型輸送ヘリの窓落下…
      「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」
   『●(コラム【金口木舌】)「沖縄版「今年の漢字」」は『落』…
          「いずれの「落」も県民の命に関わる」、抜本策は「撤兵」

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…《子どもたちの
         日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》』 
    《事実かどうかは二の次弱い立場の者をに仕立てて暴言を吐く
     基地に反対する沖縄の人たちを一方的にたたき、留飲を下げる
       基地問題でヘイトスピーチ(憎悪表現)まがいの言説があからさまに
     表面化したのは13年1月。全市町村長らがオスプレイ配備の撤回などを
     求め、東京・銀座でデモ行進した。沿道から浴びせられたのは
     「売国奴」「中国のスパイ」などの罵声だった

   『●沖縄版「今年の漢字」」も『落』: 
     「県民の命が脅かされ続ける現状より、軍事優先の現実に愕然」
   『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
                     アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる
    《しかし、これが沖縄の現実なのだ。そして、米軍によっていとも簡単に
     約束は破られ、さらには飛行の事実を事実とも認めようとしないのである。
     …この暴力を許しているのは、言うまでもなく日本政府、安倍政権だ
     …なにせ安倍首相は、小学校や保育園での落下事故後にも
     「沖縄が我慢すればいいこと」という無神経極まりない暴言
     吐いているからだ》

   『●「米軍機接近による児童の避難は…
      39日間に合計242回」、「最も多い日は一日に29回」…異常な現実

 《大人たちが『銃を持つ権利がある』という言葉は銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる》…辺野古で、今現在まで、ずっと起き続けていること、そして、辺野古で確実に起きること、起きつつあること。普天間飛行場の撤収か、辺野古移設か、という二者択一を迫るアベ様や最低の官房長官ら。普天間を撤収し、番犬様に本国へお引き取り頂けば、「森」を殺すこともなく、辺野古の「美ら海」を殺すこともない沖縄の人々を分断することもないし、基地から出撃したん番犬様が「人殺し」することもない。沖縄の大幅な「負担削減」が実現できるというのに。「本土」では大騒ぎされないが、沖縄の人々があれ程の反対運動をしている辺野古では、生物多様性の破壊が引き返せないところまで来てしまいつつある。
 「在日米軍特権」を放置する「日米共犯」。「子どもを園庭で遊ばせたい」「当然の日常がほしいだけ」、そんな極当たり前のことなのに…《愛僕者》達のやることときたら。何が愛国者か! ヘイト者・ヘイト屋やデマ者・デマ屋らに支えられた、トンだ《愛僕者》達。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-725443.html

<金口木舌>学校は戦地より「危険」?
2018年5月25日 06:00
テキサス 銃乱射 銃乱射事件 普天間第二小 銃規制 辺野古 エマ・ゴンザレス 金口木舌

 また起きてしまった。米テキサス州の高校での銃乱射事件。生徒ら10人が亡くなり1週間がたつ

▼容疑者は17歳の男子生徒。銃は父親の物だった。テキサスは米国でも銃規制の緩い州の一つ。銃所持の権利拡大を提唱する州副知事は「銃の問題ではないと主張し、暴力的なゲームや妊娠中絶による命の軽視、家庭環境が問題だと続けた

▼米紙ワシントンポストは今年、戦闘地域で死亡した米軍人は13人、学校での銃乱射事件で死亡した生徒らは27人と伝えた。今、学校は戦地より「危険」なのか。米国内は銃乱射に備えた避難訓練を行う学校も多い

▼新年度、普天間第二小既に146回の避難が行われた米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認されると運動場から児童が避難する元気な声が響き渡るはずの場所ごう音が響く

▼同校の避難を伝える記事に、ネット上で「辺野古に移せばいい」「基地の近くに学校を造る方がおかしい」という声が飛び交う。「飛ばないでという一言がなぜ出ないのだろう

銃規制強化を求め、米国の高校生が立ち上がった活動は「March For Our Lives命のための行進)」。「大人たちが『銃を持つ権利がある』という言葉は銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」というフロリダの高校生、エマ・ゴンザレスさんの言葉をかみしめる。
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●トランプ氏「学校の先生たちを銃で武装させる」…アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」に

2018年03月10日 00時00分32秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018022402000155.html)。

 《トランプ氏が打ち出した対策は、学校の先生たちを銃で武装させるというもの。「銃には銃を」「もっと銃を」というわけだ》。

全米ライフル協会NRA)も大喜びでしょうよ、きっと。「銃には銃を」「もっと銃を」…哀しい発想だ。

   『●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けた
       この国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」
    「森達也さん…は言う、「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国
     生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」。自公議員その他の壊憲派は
     世界に理念を示し続けることを止め、「戦争できる国」に仲間入り
     しましょうという訳です。「誇り」も何もない国にしたいらしい。
     「銃を持った善人」になりたいらしい」
    《コネティカット州の小学校で児童ら26人が殺害されたとき、
     全米ライフル協会(NRA)の副会長は記者会見で、「銃を所持した悪人の
     行為を止められるのは、銃を持った善人だけだ」と述べて銃規制に反対し、
     アメリカ全土では銃の売り上げが急増したという》
    《でも実のところこの思想と論理は、世界のスタンダードでもある。
     核兵器や軍隊の存在理由だ》

 《日本政府などに「米国の武器を買えば、米国に多くの雇用が生まれ、買った国は安全になる」と持ちかけ、軍事産業の売り上げを増やすトランプ大統領の軍拡商法》に嬉々として乗るアベ様の「核」には「核」と同じ発想ですね。幻想の核抑止力。アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」になりたいらしい。《不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う》…その誇りをかなぐり捨てるつもりだ。

   『●オバマ氏の広島訪問さえも単なる選挙対策…
       …自民党は「口だけ」、選挙で同じ過ちを繰り返してはいけない
    「「核なき世界」どころか、「核兵器のない世界」ですらアベ様の
     「息吐く様に嘘つく」、アベ様のウソ吐きだったようです」
    《日本政府、つまり安倍首相の考えは、
     “核の保有や核兵器の使用は認められるべき”なのだ。
     …安倍首相は官房副長官時代の2002年に、早稲田大学で
     開かれた田原総一朗氏との対話のなかで
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」と語っている」》
   『●「台湾の原発ゼロ」…あ~ニッポンは、
     3.11東電原発人災に正しく学ばない中毒患者と『続・猿の惑星』
    「『猿の惑星シリーズの《続編では核爆弾を神とあがめる人々も登場》…
     ニッポンの核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの愚かな姿は、もはや、
     宗教の域に達しており、「正気の沙汰じゃない。もはや「宗教」、
     「ビョウキ」」です。「核信者」「核燃料サイクル教信者」」

   『●石破茂氏「日本への核拡散」発言と 
     山尾氏「私事」による離党の事の軽重…マスコミはわきまえているか?
    「石破茂氏の発言ですぐにブログ主の頭に思い浮かんだ風景…
     『続・猿の惑星』。自民党本部地下にて、《核爆弾を神とあがめ》、
     手を合わせる石破茂氏やアベ様らの姿」

   『●「いや、ミサイル落ちたら、うちら民間人だって死ぬわな。
                 Jアラートでしゃがみ込んでも意味ないよ」
    「《だいたい北朝鮮の核が世界を脅かす悪だっていうなら、
     なんでトランプ政権が発表した、新たな核兵器開発を進めるなどの
     「核戦略見直しこの国は高く評価しちゃっているの》…答えは簡単、
     「核なき世界」なんて、頭の隅っこにも無し。「核」を持ちたくてしょうがない
     アベ様、石破茂氏、最低の外相・河野太郎氏。
       室井佑月さん曰く、《核は核人類の敵じゃそして、戦争はこの世で
     もっとも悲惨なこと。》 全く同感。《いや、ミサイル落ちたら、
     うちら民間人だって死ぬわな。Jアラートでしゃがみ込んでも意味ないよ》」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018022402000155.html

【コラム】
筆洗
2018年2月24日

 「トランプ・スランプ」と、いわれているらしい。米国の銃器メーカーの売り上げが、ここ一年で軒並み激減しているというのだ▼米の銃器業界にとって銃規制の強化を図ったオバマ大統領の時代は、実は黄金時代だったという。乱射事件が発生し、大統領が銃規制への決意を示すたび、それに反発するように銃が売れた▼だが、銃器業界が支援したトランプ氏が大統領になると、あわてて買う必要もないと思う人が増えたせいか、銃の売れ行きは落ち込んだ。創業二百年という老舗の銃器メーカー大手レミントン・アウトドアが経営破綻に追い込まれたというから、皮肉なものだ▼そんな「トランプ不況」の打開策のつもりだろうか。フロリダの高校で十七人の命を奪った乱射事件を受けて、トランプ氏が打ち出した対策は、学校の先生たちを銃で武装させるというもの。「銃には銃を」「もっと銃を」というわけだ▼アメリカ教員連盟は「大統領らは軍拡競争を欲し、学校を要塞(ようさい)にするつもりだ」と批判したが、なるほど、日本政府などに「米国の武器を買えば、米国に多くの雇用が生まれ、買った国は安全になる」と持ちかけ、軍事産業の売り上げを増やすトランプ大統領の軍拡商法の国内版のようである▼「銃には銃を」「武器には武器を」のトランプ流ビジネスが行き着く先は、どこか。人ごととは思えぬ米国の銃論議だ。
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●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」

2013年08月02日 00時00分39秒 | Weblog


すいません、CMLからの孫引き(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025537.html)。asahi.comに出ている森達也さんの論評。

 森さんは言う、「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」。自公議員その他の壊憲派は「世界に理念を示し続け」ることを止め、「戦争できる国」に仲間入りしましょうという訳です。「誇り」も何もない国にしたいらしい。「銃を持った善人」になりたいらしい。

   『壊憲派に、フリーハンドを渡してはならない
     
     「「壊憲」して、「誇りある国へ」とはあきれる。戦前の「」まみれの
      危険な体制に戻したくてしょうがないらしい。「戦争したくてしょうがない」
      「戦場に行かせたくてしょうがない」
      「戦争できる国にしたくてしょうがない」らしい。」

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-July/025537.html

[CML 025619] 9条の国、誇り高き痩せ我慢/森達也
BARA ・・・・・・
2013年 7月 28日 (日) 02:44:05 JST



新聞記事
朝日新聞・WEB
2013.7.25

9条の国、誇り高き痩せ我慢/森達也
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307240705.html?ref=comkiji_redirect

 アメリカでは銃の誤射や乱射事件が起きるたびに、銃規制についての議論が
高まるが、結局は尻すぼみとなってまた事件が起きる。

 昨年12月にコネティカット州の小学校で児童ら26人が殺害されたとき、
全米ライフル協会(NRA)の副会長は記者会見で、「銃を所持した悪人の
行為を止められるのは、銃を持った善人だけだ」と述べて銃規制に反対し、
アメリカ全土では銃の売り上げが急増したという。

 アメリカの銃社会をテーマとしたドキュメンタリー映画『ボウリング・
フォー・コロンバイン』でマイケル・ムーアは、黒人や先住民族を加虐して
きた建国の歴史があるからこそ、アメリカ市民は銃を手放せないのだと
主張した。報復が怖いからだ。
つまり銃を手もとに置く人は勇敢なのではない。臆病なのだ。

 こうしてアメリカの正義が発動し、正当防衛の概念が拡大する。
丸腰の高校生を射殺した自警団男性の正当防衛が認められて、無罪評決
になったことは記憶に新しい。

 NRAの主張に同意する日本人は少ないだろう。
頭の回路がどうかしていると思う人もいるはずだ。
でも実のところこの思想と論理は、世界のスタンダードでもある。

 核兵器や軍隊の存在理由だ。

 我が国の軍隊は、他国に侵略する意図などない。
でも悪い国が軍隊を持っている。
だから攻められたときのために、国家は軍隊を常備しなくてはならない。
つまり抑止力。理屈はNRAとまったく変わらない

 こうして誤射や過剰防衛が起き、それをきっかけに戦争が始まる
人類はそんな歴史を繰り返している。

 しかし第2次世界大戦後にこの国は、新しい憲法で武力放棄を宣言した。
その憲法が公布される前の衆院本会議で共産党の野坂参三議員が、
「侵略の戦争は正しくないが自国を守るための戦争は正しいのでは?」との
趣旨で質問し、これに対して吉田茂首相は、「正当防衛や国家の防衛権に
よる戦争を認めるということが結局は戦争を誘発する」との趣旨で答弁した。
記録ではこのとき議事堂では、与野党を超えた議員の大きな拍手が響いた
という。

 もちろん日本の背後には、世界最強の軍隊と大きな核の傘を持つアメリカ
がいた。だから不安や恐怖を押し殺して痩せ我慢ができた。
極論すれば憲法9条の1項は、すべての国に共通する理念でもある。
でも現行憲法には、軍事力と交戦権を放棄することを宣言した2項がある。
アメリカに軍事的に庇護される国は数多いが、ここまでラディカルな宣言を
した国はない

 その後に冷戦の時代が幕を開ける。
ご近所はすべて銃を持っている。
でも暴力に対して暴力の抑止は成り立たない。
自衛の意識が戦争を起こすのだ。
だから我が家は銃を持たないと決めた
アメリカからは何度も改正を要求されながらも、結果として日本は9条を60
余年間にわたって守り抜いた
いろいろ妥協もしたけれど直接的な戦争には一度も参加せず、国民総生産
(GNP)世界第2位を達成した。

 改憲派は平和ボケなどと嘲笑するけれど、9条は抑止論にとらわれた
世界への、とてもラディカルな提言となっている。
スペインのグランカナリア島には、9条の碑が設置されている。
戦争地域ではよく、「日本は9条の国だ」と話しかけられる。
世界に対して日本は、身をもって稀有な実例を示し続けている。

 この街から銃が消える日はまだ遠い。
でもこの精神だけは手放さない。
誰もが銃を持たない社会。その実現のために、我が家は街で最初に銃を
捨てる宣言をした
怖いけれど高望みを維持し続けてきた。

 自衛隊を軍隊にして誇りを取り戻そうと言う人がいる。
意味がわからない
他の国と同じで何が誇らしいのだろう
不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は
何よりも誇りに思う。

 (もり・たつや 
     56年生まれ。映画監督・作家。明治大特任教授。近著に『虚実亭日乗』)
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