阿部ブログ

日々思うこと

イギリスの国防力見直し~ドラスチックな兵力削減と核戦力の抜本的見直し~

2011年11月27日 | 日記
国家財政が厳しいのは何もギリシャやスペイン、イタリアなどだけではない。イギリスの国家財政の状況も極めて厳しいものがある。
そのような環境下で米国と共に対テロ戦争を共に戦い、今もイギリスはアフガニスタンに派兵しているがこれらの出費も莫大であり、維持が難しい。これが為、金くい虫の軍隊と戦略核兵器の更新問題が浮上しており、様々な議論が巻き起こっている。
特にイギリスが今後も核保有国でありつづけるのか?と言う根本的な問いかけが、危殆に瀕した国家財政問題のあおりを受けて表面化する事態となっている。

そもそもイギリスは、私から見ると核軍縮を押し進めてきた国である。
冷戦中のイギリスは、潜水艦発射弾道ミサイルの核弾頭シェバラインと、戦術核兵器WE-177爆弾の二本柱で核戦力体系を構築運用していた。
旧ソビエト崩壊による冷戦終結に伴い、防衛政策を根本的に見直しする流れで戦術核WE-177は、1998年の「戦略防衛見直し」(Strategic Defense Review:SDR)の方針に沿い全て廃棄した。

最近回顧録が出てたブレア率いる労働党政権は、2006年戦略核兵器トライデントを更新し、今後も核保有国のステイタスを維持することを決定。2010年の保守党・自由民主党連立政権は、原子力潜水艦艦隊の延命を行いつつ、戦略核ミサイル・トライデントの更新を行うと発表。但し最終決定がなされるのは2016年である。

このトライデント更新問題が殊更に重要なのは、今回更新が行われるとイギリスは少なくとも2060年代までは核保有国であり続けることとなる点。これは現役のヴァンガード級原子力潜水艦の後継原潜が就航するのが2020年代とすると退役する時期0年代以降となる。
もう少々詳しく書くと今の原子力潜水艦は退役まで燃料の交換が不要であり、20年から30年の運用に耐える優れものである。因みに燃料はウラン235とジルコニウムの金属合金燃料で、ウラン235の比率は97%以上と言う最高度に濃縮された燃料体である。
さて、イギリスの原子力潜水艦は現在4隻体制で、この原潜4隻を徹底に保守し2030年代まで運用延長可能にする。この間に次期原子力潜水艦隊の設計・開発製造を行い、1番艦は2028年に就航させ、順次後継艦を実戦配備する。(何隻が建造されるかは現状不明)この次世代原子力潜水艦も丁寧に保守しながら最大運用期間である2060年代まで実運用すると、必然的に搭載する戦略核ミサイル・トライデントも

まあ、机上ではこうなるが、実際の国際環境や軍事バランス、そして国家財政状況によっては、後述する空母アーク・ロイヤルのように直ちに退役、即ち核戦力破棄となる事態は十分に予測されうることだ。もし第二次世界大戦の戦勝国であるイギリスが核戦力を破棄することは、日本同じように米国の核の傘に入るか?(イギリス国内にも米軍基地が存在するので日本と同じ環境)、EU&NATOの軍事勢力の一部としてある一定の機能を果たしていくようになるのか?

上記の核戦力の保持云々以外でもイギリスの国防力見直しは進んでいる。

イギリス陸軍は、2020年までにドイツ駐屯軍の全て撤退させる予定で、しかも2015年までに約7000名の定員削減を行うとしており、全陸軍の総兵力は8万4000万人規模にまで縮小する。イギリスの近現代において最低の現有兵力である。実兵戦力の削減に伴い戦車の40%、重砲など重火器類の35%を削減する。またドイツ駐屯の戦闘1個旅団は解隊となる。

空軍は、現在のハリアー等の老巧戦闘機・攻撃機を廃棄し、最新型のF35とユーロファイター・タイフーンに換装する。またマルチロールタイプのトーネード開発計画は中止とし、国内外の空軍基地を閉鎖、更に今後5年間で5000名の人員を削減する。

イギリス海軍においてはは、空母アーク・ロイヤルの2014年退役を予定を繰り上げ、可及的速やかに退役させるとともに、現在建造中の新型空母2隻の内1号艦のみをアーク・ロイヤルの後継として実戦配備し、もう1隻は予備役として勾留される。空軍同様、海軍においても約5000名の人員を削減する。

人員削減は、陸海空3軍のみならず、国防省及び関連機関を含め今後5年をかけ定年退職など含め約3万2000人もの削減を行うとしており、このようなドラスティックな人員削減と核兵器を含む戦力装備の改廃などにより、今後の国土防衛力の低下は致し方ないとの論調が支配的ではあるが、軍事など先端衛産業の弱体化やイギリスの威信低下にに拍車をかけるのでは?との見方もあり、各方面から厳しい批判が寄せられている。


超弩級カルトムービー 『ロッキー・ホラー・ショー』  

2011年11月27日 | 日記
超弩級カルトムービー「ロッキー・ホラー・ショー」舞台版のチケットの販売が今日(11月27日)から始まった。

この企画は、"ロッキー・フリーク"の古田新太氏と「劇団☆新感線」の「いのうえひでのり」氏によるもので、構想20年をへてようやく日本上演となった。
当然の如く他の"ロッキー・フリーク"もはせ参じるこのロックミュージカルが、年末年始の日本各地で騒ぎを巻き起こすのは確実!

『"俺たちの聖典(バイブル)を見せてやるぜ!』とあるが、皆さん是非ご覧あれ!!
(俺は観にいかないけど:絶対ついて行けない...)

この「ロッキー・ホラー・ショー」の原作はリチャード・オブライエンで、動機は、これまた有名なロック・ミュージカルの「ジーザス・クライスト・スーパースター」のヘオロデ王役にキャスティングされていたが、理由不明なまま解役され、「ふてくされ」そして「キレタ」リチャードは、「だったら俺独自のロックミュージカルを作ってやる!」と意気込んで制作したのが、この「ロッキー・ホラー・ショー」である。

1975年にロンドンで初演。その後アメリカやオーストラリアなどでも上演され、喝采を浴びた。後に映画化されたが、これはヒットせず、閑古鳥が鳴く状況だったが、関係者は奇妙な事実に気づく。それは奇抜と言うか超弩級変態映画(ファンの皆さんには申し訳なし)にも関わらず、これまた超のつくリピーターを獲得することとなった。

ストーリーは、恩師に婚約の報告をしようと出かけたブラッドとジャネットの二人である、山中で車がパンクしてしまい、電話を借りようと近隣の古城を訪ねる。しかしその城では超変態パーティーが開かれていた。
パーティーの主役はフランクン・フルター。彼は凄い人間だ。いや科学者だ。だって人造人間を開発しているから。それも美男子ロボットで名前はは「ロッキー」。やるねー~

まあ、これ以降は実際の公演を観て欲しい。
俺は行かないけどね~