阿部ブログ

日々思うこと

チベットの地熱発電 ~311以降の日本でも地熱発電を進めよう~

2011年04月24日 | 日記
チベットで最大の発電源は意外にも地熱発電である。
ラサ近郊にある羊八井地熱発電所が最大のもの。
この地熱発電所は、設備容量252万kW、年間発電電力は1億kWhに達し、ラサなど主要な都市への供給電力の45%を占める。チベットでも最大の、そして最重要な発電所である。

地熱発電所のある羊八井は標高4300メートルでラサ市から90キロのところに位置する。
1974年以降、羊八井の地熱開発が開始され、1975年に初めてコアドリルにてチベット初となる蒸気井を掘削開始し、1977年10月に1基目の1000キロワット級地熱発電実験用装置を設置した。
現在、羊八井発電所には3000キロワットのユニット8基が設置されている。

311以降の日本では原子力発電には大きな逆風が吹き、新設はおろか福島第一原発同様、津波に襲われた第二原発の再稼働もおぼつかないだろう。但し、現在の太陽光発電とか風力発電は出力が変動するする事は国民一般よく知ることで、これらが原子力の替わりになるとは誰も思っていない。

ただ、チベット同様豊富な地熱資源を使わない手はない。
今こそ周辺の環境に配慮した地熱発電の積極的な開発利用を進めるべきではないか。何しろ地熱はタダなのだから、周辺諸国に遠慮する事なく、また石油や天然ガスなどど違い価格変動もなく使えるエネルギーである事は間違い。

ちなみにグーグルは、クリーンエネルギー分野にも高い関心を持ち、ベンチャーキャピタルのクライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズなどと共同でアルトラロック・エナジー(AltaRock Energy)という地熱発電開発企業に出資することで、次世代型地熱発電開発に乗り出している。

一般的な地熱発電はボーリングによって地下のマグマだまりの熱エネルギーによって生じた水蒸気を取り出し、その水蒸気を使って発電機を動かすというものとなるが、アルトラロックの地熱発電方式は、入出2つの系統のボーリングを実施することにより、入力系のボーリング抗から地下のマグマだまりに対して水を注入し、強制的に高温高気圧の水蒸気を生成させるというもの。

ご存じの通りグーグルの収益基盤は広告事業が99%を占めているが、クリーンエネルギーとして有望視されている地熱発電に出資を行うことにより、景気低迷で以前のような高成長が見込めなくなった広告事業に代わる収益基盤の確立を目指す目論見ではないかと推測するが、多分この推測は間違っているだろう。

地熱発電も薔薇色ではない、2006年インドネシアで行われた地熱発電のためのボーリング掘削工事では、地下から水蒸気ではなく大量の有毒物質を含んだ熱泥が噴出するなど、大規模な自然破壊を引き起こしたことも知られており、アルトラロックの地熱発電方式をはじめとする地熱発電にも原子力とは言わないまでもリスクは当然ある。

『選択』と言う雑誌に京都大学の加速器駆動未臨界炉に関する記事が掲載されている

2011年04月18日 | 日記

『選択』と言う雑誌がある。
2011年4月号の92ページから93ページに掛けて
「日本の科学アラカルト その最前線」と言う連載記事があり、題名は「日本の「原子力村」では異端 加速器駆動未臨界炉」。

この記事では京都大学の原子炉実験所(KURRI)での加速器駆動未臨界炉(ADSR)での取組みが紹介されている。
未臨界炉とは、従来通りの固体燃料を使い、外部から加速器を使って陽子ビームを照射して中性子を発生させ、
この中性子が燃料に当たる事により核分裂が起こるという原理。
このADSRのポイントは陽子ビームを当てないと臨界には達しないという事。
既存の軽水炉は制御できなくなると暴走するが、この未臨界炉にはその懸念が原理上存在しない。

また別の利点もあると言う。所謂、核廃棄物処理装置として利用可能性があると言う。
これは核廃棄物に対して中性子を照射することで核変換させるというもの。
この核変換については、東海大学の高木教授も研究をされているが、
半減期の長いマイナー・アクチノイド(MA)を、ADSRの燃料として混ぜて半減期の短い物質へ核変換する。
勿論、ウランやプルトニウムなども核変換させる事ができ、今主流の軽水炉より安全であるように思えるが、
日本の原子力村における「ウラン=プルトニウム」サイクルの流れに沿わないが故に、異端とされていると指摘する。

しかし福島原発事故を受けて、現状の「ウラン=プルトニウム」サイクルの実現を掲げる原子力政策は非常に難しい局面に遭遇。
六ヶ所村の再処理工場は今だ稼動せず、またナトリウムを用いる高速増殖炉開発の継続は国民の理解を得る事はないだろう。
更に現在主流の「ウラン=プルトニウム」とは別の核燃料サイクルである「トリウム・サイクル」が存在すると続ける。
トリウムはウランの埋蔵量の3倍から4倍あり、レアアースとトもに産出し現在は廃棄されている。これを使わない手はな
い。

しかも日本の先端技術を駆使した製品の生産にはレアアースは欠かす事が出来ない重要な資源であるとは、
昨年の尖閣問題で、世間一般に広く知られるようになった。
しかも京都大学では、昨年3月にトリウムを燃料として中性子を照射する実験を行なっていると。
ADSRの最大の利点は、核廃棄物や、ウラン、プルトニウム、トリウムなど燃料を選ばないと言う点だとしているが、
但し、これは基礎研究の域を出ないとも書く。

最後にウランの可採期間が70年程度と推測さえれている為、
将来の原子力エネルギー政策のあり姿としてトリウムなど別のオプションを準備することは、エネルギー安全保障上重要であり、トリウム溶融塩炉にしても、京都大学の取組みにしても、これらを「異端」としない度量が原子力村には求められているとして締めている。

しかし『選択』でトリウムと言う言葉に遭遇するとは思ってもいなかった。

NHK特集 京都・表千家 ~わび茶の世界~

2011年04月14日 | 日記
1987年に放映されたNHK特集「京都・表千家」をNHKオンデマンドで視聴したが、いや良かった。
第14代千宗左家元と、代々表千家を支援してきた十一代三井八郎右衛門氏などが登場し、最重要な「口切の茶事」が詳細に取材してある。

この番組は、以下の書籍の読後、視聴するとその奥深い「茶の世界」が垣間見えると確信する。

「茶 利休と今をつなぐ」千宗屋 新潮新書
「京の茶室」井口海仙 久田宗也 中村昌生 共著 墨水書房
「戦国茶闘伝 天下を制したのは、名物茶道具だった」三宅孝太郎 羊泉社
「織田信長 最後の茶会」小島毅 光文社新書
「茶人 織田信長」江口浩三 PHP

上記のうち「京の茶室」は昭和44年刊行で入手は困難だろう。
この本は、神保町でヘネシー&パターソンの『コンピュータ・アーキテクチャ』を探していたところ、明倫館書店で見つけて購入したもの。
800円だった。お買い得でしたね。
この手の良書は復刊されないのは残念。


原子力発電における使用済核燃料問題と我が国における研究開発

2011年04月13日 | 日記
福島第一原発事故は、国際評価尺度(INES)で、最悪のレベル7であるとの報道がなされているが、今だ事態収束の目処が立っていない。そもそも福島原発事故がなくとも、我が国の原子力発電には「使用済核燃料」と言う大きな課題が存在している。

今回の事故でも「使用済核燃料」を貯蔵するプールが地震で破壊され、放射能漏れを引き起こしているが、このプールは、縦29メートル、横12メートル、深さ11メートルで、燃料集合体を6840本収容できる。但し既に6375本の燃料集合体で埋め尽くされており、貯蔵の余地がほぼ無い状況。

東京電力は打開策として、青森県むつ市に中間貯蔵施設を建設中であるが、現行の原発敷地内に貯蔵施設を併設するやり方が限界に来てい証左。これは東京電力以外の原発でも同様で、脱原発を推進するにしても最終的にはこの「使用済核燃料」と言う、半減期数千年から数百年と言う放射性核種を安全確実に冷却し続けなければならないと言う難事業が待ち構え、これからも核汚染事故のリスクが長期間に亘り付きまとう。

311以前の試算であるが、100万kw級原発が60年運転し、その稼働率80%と仮定すると、23トンの使用済核燃料が発生する。これを全電力会社の原子力発電を合算すると合計124200トンとなる。但しこの一部はフランスにおいて5630トン程度再処理され、さらに東海村の再処理施設で950トン処理されるので、最終的には117620トンとなる。

今後も累積する「使用済核燃料」と言う問題の抜本的解決策はまだ提示されていないが、現状では軽水炉、高速炉、未臨界炉を用いて核廃棄物自体を核変換する方法が研究されている。特に東京電力で核燃料サイクルの研究をし、現在は東海大学の教授に転身している高木氏の取組みは、トリウムとプルトニウムを軽水炉に装荷して燃焼させて消滅処理すると言う取り組みであり、世界に存在するプルトニウムの約10%を保有するという我が国にとっては、注目すべき研究である。

この他、、日立製作所などが平成13年から研究されている溶融塩炉による「使用済核燃料」の減量化と言う研究がある。これは米国オークリッジ国立研究所で進められた第四世代に属する原子炉の研究成果を、更に発展させたもので、軽水炉から出る「使用済核燃料」をフッ化溶融塩に移して、燃料として再利用するもので、これにより80%程度の減量が可能と計算されている。
この研究が注目されるのは、溶融塩炉において、レアアースと共に産出するトリウムを燃料とする原子力発電への展開が可能である点で、固体核燃料から液体核燃料への転換を図る事で、より安全性を重視した原子炉の開発と、使用済核燃料の減量化と言う観点から、福島の事故を乗り越えて、これからも継続して研究開発を進める必要がある。

中国のスマートグリッド

2011年04月13日 | 日記
中国におけるスマートグリッドの推進主体は国家電網である。国家電網のスマートグリッド分野への投資は2009年から2020年で4兆元と言われ、

①第1段階(2009年~2010年)スマートグリッドの計画策定、実証実験の実施:投資額5500億元。
 ・2縦2横の特別高圧交流送電線の後続プロジェクトを開始。連係区域をまたがった直流総電網プロジェクトの実施規模は1,290万キロワット。配電網建設の投資を拡大し、基幹となる電力技術の研究と設備を充実させスマートグリッドの標準規格の策定を行なう。

 ②第2段階(2011年~2015年)スマートグリッドの建設:投資額2兆元。
 ・全面的スマートグリッド網の建設に着手し、UHV直流送電ルートを中心としたグリッドの構築、都市及び農村部の配電ネットワークの整備充実、地域グリッド間連係容量を2.4億kWへ引き上げる。
  ・配電網の電力供給能力、品質、信頼性を高め、都市配電網の電力供給の信頼性を99.915%以上、総合的な電圧合格率は99.5%以上を目指す。農村配電網の電力信頼性は99.73%以上、総合的な電圧合格率は98.45%が目標。

 ③第3段階(2016年~2020年)スマートグリッドの拡張と安定化:投資額1.7兆元。
 ・ストロングスマートグリッドの基盤を完成させ運用を開始。3華(華北、華東、華中)を最終供給地とするUHVの同期総電網を受け手とし、東北地域の特別高圧総電網と西北の750万kWを送電する。また各大規模火力、水力、原子力、再生可能エネルギーの電源地帯を相互連係させた連係網を構築しUHV及び区域間の送電能力を4億kW以上にする事が目標。
 
スマートグリッドと言っても中国のそれは、経済成長を支える旺盛な電力需要に応えるべく新規電力網の構築、特にUHV直流総電網建設がメインで、これはストロングスマートグリッドと国家電網は呼称している。
中国版スマートグリッド構築に先立ち2009年1月からUHV640km送電の実証実験を開始。今後2000kmまで拡張する。国家電網は当該UHVプロジェクトに対し2012年までに2000億元を投資するとしている。この国家電網によるUHV網は、最終的に「東縦」:内モンゴル~南京、「西縦」:陜西~長沙、「北横」:内モンゴル西部~山東、「南横」:四川~上海、の所謂「2縦2横」の構築が主体。

 UHV構築の背景には電力源と消費地が地理的に離間している為、「西電東送」、「北電南送」と言われる通り、遠距離・大容量・低損失のUHV構築が必須である。このような背景もあり国家電網は2009年世界初となる±800kVや1000kVのUHV直流送電網の商用化を実現している。このUHVにより石炭、火力、水力、原子力など電力エネルギーを集約的に管理・制御することが中国におけるスマートグリッドの大きく目指すところである。
 
中国におけるスマートグリッド関連のプロジェクトは、所謂、発展途上国における電力インフラの新設拡充がポイントであり、前節の「西電東送」など如何に電力網を早急に整備するかが大きな課題である。
スマートグリッドと言いながら現状では単なるインフラ整備の域を超えていない。

中国・海南島にある「楡林海軍基地」

2011年04月10日 | 日記
中国の海南島に中国海軍の潜水艦基地がある。
「楡林海軍基地」である。

この「楡林海軍基地」は、巨大な洞窟の中を更に掘りぬいて20隻からなる潜水艦を収容する事が出来る。
そして最大の特徴は、原子力艦をはじめとする潜水艦は、潜航したまま基地の出入りが出来る点にある。即ち偵察衛星などの監視を避ける事ができるのは潜水艦の秘匿行動性を更に向上させる。

2001年4月に米軍のEP-3電子偵察機に中国空軍の迎撃機が接近しすぎ接触し、迎撃機は墜落。EP-3電子偵察機も海南島の空港に緊急着陸すると言う事件があったが、これは、米軍が「楡林海軍基地」のレーダー、防空関連の電子情報の収集活動をしていたのだ。

中国の防空部隊が過敏に反応したのは、今後、東アジアにおける中国軍の核戦力展開において最重要な基地である為で、しかも「楡林海軍基地」に配備されている原子力潜水艦には衛星破壊ミサイルが搭載されているとも言われ、軍事戦略的にはこの基地の存在自体を隠し続けたいのである。

海上自衛隊も米海軍と連携して潜水艦を当該基地に配置し情報収集活動を行い、警戒を怠らない事が重要である。

「宇宙庁」構想

2011年04月08日 | 日記

我が国、日本における宇宙開発利用の更なる推進と、研究開発などを含む総合的な司令塔として宇宙庁を新たに組成する構想がある。
現在は、内閣官房に「宇宙開発戦略本部」があり、各省庁の施策との総合調整を図るとともに予算の管理等を行っている。
宇宙開発戦略本部」が寄るところの法律は「宇宙基本法」であるが、当初の目論見は2009年を目処に「宇宙開発戦略本部事務局」を内閣官房から内閣府への移管する事となっていた。

この「宇宙開発戦略本部事務局」とは別に独自の予算権限を持つ組織を設置し、準天頂衛星の運用や衛星測位、リモートセンシングなど複数省庁にまたがる宇宙インフラの開発・整備・運用・維持を行う、所謂「宇宙庁」の設立構想が存在する。
この「宇宙庁」を内閣府内に新設の組織として2012年には実現したいと、宇宙関連関係者は考えているようである。

「宇宙庁」が設置されるとJAXA(宇宙航空研究開発機構)はどうなるのか?
JAXAは、JAXA法と言う法律に依拠しているが、この法律を改正し研究開発から利用へとシームレスに連携可能な運営ができるようにし、宇宙技術に関する専門家、研究者を育成できる総合的な推進機関となるべきであろう。
つまり「宇宙開発戦略本部事務局」が内閣府へ移管され、2012年には「宇宙庁」が出来きると、実施機関であるJAXAに対する「宇宙庁」が積極的に関与できるようになる。

マイクロソフトのSharePointは、良いかも

2011年04月07日 | 日記
マイクロソフトのSharePointについて徒然なるままに。

SharePointは、もともと企業のイントラネットを構築するツールとして開発され2001年にPortal Server として発売が開始され、2003年、2007年を経て、今満を持してShare Point2010 Serverが昨年発表された。このShare Pointは特に米国企業で情報共有・コミュニケーションの基盤として導入が進んでいるが、その理由はコンテンツ作成などの情報発信が容易に行え、公開から破棄までのプロセスがサポートされているだけでなく、カスタマイズ性、メンテナンスの容易性も評価されているためである。

コンテンツ作成に関しては、専門性を必要としない敷居の低さが特長である。WebブラウザからWordライクなエディタでコンテンツを作成でき。従来のようなHTMLなどの知識は必要なく、テンプレートベースで作成できるのでデザインの統一性も保たれるような仕組みが実装されている。簡易に誰にでも個人やプロジェクトのポータルをやコンテンツ作成を内製化できるメリットを享受できる。例えば、担当者はニュースリリースや製品紹介のコンテンツ作成を最も詳しい関係者に直接依頼できるようになるし、文章表現や誤字脱字の最低限のチェックは必要だが、コンテンツ作成を外注する場合に比べれば、情報の精度と鮮度が確実に高まり、大幅なコスト削減を実現できる。

マイクロソフトではワールドワイドで社員一人一人が自分のポータルを所有している。
社内とはいえ、誰でもポータルやコンテンツ作成が簡易に行なわれるようになると、セキュリティやガバナンスが低下するのではないかとの懸念をする向きがあろうが、その心配を解決するのがワークフロー機能である。イントラネット用向けに開発されたSharePointであれば、ワークフローを走らせ、関係者の承認を得てからページを公開するという手順を踏む事ができガバナンスを聞かせる事が可能である。

簡易にポータルを作成可能であると言うことは例えば、社外でのイベントやセミナーの申し込みを受け付けるページ、また、各種のアンケートを行うページなどをノンプログラミングで作成できことであり、しかもコストはかからない。こうして作成されたポータル際とは、製品やサービス担当など社内関係者や社外ユーザーに評価してもらい、その結果をページ内に表示することもできる。それと会員制サイトも簡単にWebパーツを組合わせて作成でき、訪問者に必要な情報を入力してもらうだけでユーザー登録が行われる仕組みもスクラッチで開発するより格段に早く、開発コストを抑えて実現できる。訪問者一人ひとりに特別なページを提供する「パーソナライズ」も出来るので会員専用の特別なコンテンツの提供も行える。

その代表例が高級スポーツカーの代名詞でもあるイタリアのFerrariのWebサイト(導入事例)だ。同社のWebサイトはSharePointによって構築されている。FerrariのオーナーやファンがWebサイトにログインすると、SharePointのパーソナライズ機能によって、オーナーやファン専用のコンテンツが提供されるのだ。このようなSharePointのさまざまな機能でサイトを構築した結果、同社サイトへのアクセス数は237%、訪問者数は150%とそれぞれ増加した。訪問者1人当たりの滞在時間も26%増加している。

最近ではソーシャルネットワークの発展拡大によりブログでメッセージを発信するなど広がりつつあるが、これもSharePointを使えば会社全体でブログやWikiなどのソーシャルメディアの機能活用が簡単にできる。

また大企業にとっては、バックエンドシステムとの連携も出来ないと導入には至らないと考えており、基幹系システムとの連携もSharePointの強みで、このきのうは2010版で更に機能が強化されている。イントラネットで広く利用されているだけに、Webサイトと企業内システムとの連携はSharePointが最も得意とする。製品の在庫数を商品管理システムから情報を取得してWebサイトに表示したり、訪問者のWebサイト上での行動をトレースしてCRMシステムに蓄積したりできる。バックエンドの基幹システムと連携することで、御社のWebサイト自体が利益を生み出すサイトへと革新進化させる事ができると考える。

もう一つ重要なShare Point製品が「FAST Search Server 2010 for Internet Sites」(以下、FAST Search Server)である。

企業サイトの中には、「検索」が非常に重要な役割を果たすものがある。例えば、日本最大のオンラインショッピングモール「楽天市場」には7000万点を超える商品が登録され、商品のキーワード検索はWebサイトの生命線に当たる。また、さまざまな製品・サービスの価格を比較できる「価格.com」(導入事例)も同様。各社では、FAST Search Serverを検索エンジンとして利用している。

楽天市場や価格.comほどの事業規模ではなくても、検索を必要とする企業サイトは少なくない。機械部品メーカーのWebサイトであれば、品番や用途などの複雑な条件であっても、無数の製品の中から訪問者が求める製品の検索結果が適切に表示される。これは社内ユーザーに新しい価値を提供するものである。FAST Search Serverは、まさにこうした検索ドリブンなアプリケーションをWebサイト上に実現する検索エンジンである。

FASTとSharePointと組み合わせることも可能で、既存のWebシステムの検索エンジンとして単体でも導入できる。FAST Search Serverの性能は、楽天市場や価格.comの検索機能を利用するだけで体感できるだろう。その使い勝手やスピード、訪問者に表示する検索結果の精度がFAST サーチサーバーの力。また処理速度もデータ量によらず1秒以内で回答する事ができるアーキテクチャで実装されている。

欧米や日本の有力企業がFAST Search Serverを採用した理由は、検索スピードや検索機能のカスタマイズ性に加え、拡張性の高さも評価している。FAST Search Serverは、検索を実現する「インデックスサーバ」や「クエリサーバ」などの個々の機能をコンポーネント化し、コンポーネントごとに増強できる仕組みを持っている。このため、情報量やアクセス数の増加にともなって検索数が増えても、コンポーネント単位で機能を増強できるのだ。 FAST Search Serverの更なる特長には、カスタマイズ性の高さ。

また、情報システム部門などシステム管理者が設定したルールに基づいて検索結果を分類することもできる。検索結果に「太陽電池」「LRT」「スマートグリッド」などのキーワードが含まれていれば、「エコシティ」のカテゴリーに分類するという具合だ。

SharePointとFAST Search Serverを組み合わせることで、社内ユーザーが本当に求めるサービスの提供ができるようになるだろう。前述のSharePoint 2010にあるパーソナライズ機能と組み合わせれば、より高度なサービスも提供できるようになる。ユーザーの検索履歴をトレースしてお勧めの情報やサイト、サービスなどを表示したり、バックエンドのシステムから情報を取得して、検索結果とマッシュアップさせて画面に表示したりすることもできる。


DARPAと原子力、殊にトリウム

2011年04月05日 | 日記
2012年の米国の国防高等研究計画局(以下、DARPA)の予算要求に「Small Rugged Reactor Technologies」として1000万ドルが計上されている。
これは、小型原子炉を備えた最前線作戦基地(FOB)を実現する研究であるが、ロジスティックスに大きく依存する現状のFOBを、自立エネルギーで運営を可能とし、燃料をを運ぶリスクを軽減したいもの。
予算要求書にはFOBを自立させるエネルギーとしては原子力だけと明記している。

最前線の基地に据え付ける小型の原子炉を開発するのは、別に難しことではない。たとえば東芝はビル・ゲイツの資金を得て小型核施設の建設に関して協力するとしているし、この劣化ウランを使用するTWR(Traveling-Wave Reactor)は、軽水炉のように燃料の交換が不要で、最長100年間の発電が可能とする設計で開発される。
ちなみにこのTWRは2%濃縮のウランが使用される。
ただし、濃縮ウラン2%とはいえ破壊された際にFOBとその周辺エリアを汚染する可能性は否定できない。
だが、このリスクを最小限にする事が可能な原子炉は過去存在した。それはトリウムを燃料とする溶融塩炉である。
DARPAが、溶融塩炉に着目していると思われる理由は、現状では使用されていない、全く新しい燃料の開発という表現に現れている。

はからずも福島第一原発の事故により現在の固体燃料の問題点をクリアする技術が模索されるのは、間違いない。
原発に依存する日本にとって、脱原発は非現実的である。
但し、常温核融合関連の研究開発によるブレイクスルーにより、真の分散電源による「ナノ・グリッド」が実現する可能性がある。

ゼッタバイト級の情報爆発

2011年04月01日 | 日記

米国IDCが2010年5月に発表した『IDC Digital Universe Study』によれば2009年における全世界のデジタルデータ総容量は0.8ゼッタバイトで、今後毎年40%以上で増加するとし、2020年には35.2ゼッタバイトに達するとの予測を発表している。また、モバイル環境のデータトラフィックは5年間で26倍に増え、2015年には月間6.3エクサバイトになるとの予測をシスコシステムズは2011年2月に発表している。

また、インターネットを流れる情報の発信源にも変化が見られる。
インターネットを活用して誰もが気軽に情報発信するとともにその情報を収集できるようになるとともに、米国発のインターネット上のサービスTwitter 、Facebook の台頭等、インターネット上に構築した人間関係(ソーシャルグラフ)の中で情報交換が行われるようになった。コアな情報は現在でも1対1の関係の中で交換されるものの、その手がかりを見つける場所が、業界団体や研究会等のアナログ&クローズドな場所からソーシャルグラフというデジタル&オープンな場所へと変化しつつある。

この動きを促進しているのが、iPhone、Andoroid端末などパーソナルなモバイル端末の利用拡大である。
このまま拡大を続けると2015年までに56億台以上のパーソナルなモバイル端末がインターネットに接続される。これは世界の総人口の90パーセント近い人口のほぼすべてがモバイル・ネットワークに接続したデバイスを持つ計算となる。また2010年現在のモバイル接続によるトラフィック量は、毎月平均65メガバイトであるが2015年には、これが17倍以上に増え、1月あたりの総トラフィック量は1,118メガバイトに達すると予想されている。特に2015年までには、世界のモバイル端末の87%以上がスマートフォンやノート・パソコンなどのポータブル・デバイスによって生成されるようになると推測されている。

さらには、モバイル・ネットワークの接続速度の向上と言う重要なポイントがある。現状でも2009年から2010年にかけて接続速度は2倍向上しているが、2015年にはこれが10倍になると見られている。モバイルデータのトラフィック増加を促進しているのは、この接続速度の継続的向上が要因となっていると言える。

このようにモバイル端末の世界的拡大と接続速度の向上により情報量の爆発的増大を引き起こし、その結果、ビジネスの手がかりは爆発的に拡散することとなり、インターネットにアクセスできれば、世界中の人間がほぼ同時に最新の状況や情報を知ることが可能となった。

すなわち、効果的な情報収集の手法が従来とは異なってきている可能性がある。
一方、市場の成熟に伴い産業も高度化・複雑化し、これまで単一事業とみなされていた分野においても他事業との連携が求められる場合があり、JV設立やコンソーシアム形成等、企業連合によってビジネスを推進することが増えつつある。現在耳目を集めているスマートグリッドやスマートシティはこの典型である。