阿部ブログ

日々思うこと

国際財務報告基準(IFRS)の本質

2011年02月09日 | 日記

日本国内企業において国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、以下IFRS)への対応が注目を集めている。それは2007年8月に企業会計基準委員会が国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board、以下IASB)と相互の会計基準についての全面共通化に合意し、今年6月までに日本基準と国際会計基準の違いを解消することを合意した、所謂「東京合意」による。既に先進的な企業においてもグループ/グローバルの連結経営の深化や、ガバナンスの強化が期待される経営ツールとしてのIFRSへの移行を決定している。

このIFRSについて武蔵大学の松島教授にその本質とは何かをヒアリングした。
松島教授曰く、IFRSの本質は世界共通の財務報告書と言う事ではなく、業務プロセス、取引データの透明性、公正性に関わる点にある。

グローバル化が進展する中、多様な事業を世界を舞台に展開する企業の場合には株主だけではなく、それぞれの国(税務当局など)への事業のアカウンタビリティが必要になるが、それをIFRSが担うものであるとの認識が重要。

つまりIFRSを単なる財務報告と捉えるのではなく、これに取引と言う観点を入れ、本社と連結決算対象会社全体の取引データも収集・集約する事により真のアカウンタビリティを確保する事、これが本質的なIFRS対応と言える。このようにして作成されたIFRSの連結財務情報を積極的に活用することが今後の企業経営には必要である。

またIFRSではPLからBSに重点が移っており、グループ企業全体の資産評価に取り組まなければならない。それとIFRS対応にはITを避けて通れないが、連結決算対象会社へのプライベート・クラウドサービス提供によって、効率的にIFRS情報(財務データと取引データ)が収集できるので必要なIT投資は行なうべきである。

松島教授へのヒアリングから、企業における次期会計システムあり姿がおぼろげながら見えてくる。つまりグループ/グローバル全体を包括した「会計トレーサビリティ」を可能するシステムで、IFRSで作成された連結財務情報からドリルダウンすると、連結子会社も含めた個々の取引データや資産データを取り出せる機能を実装するシステムを開発する事。
但し開発の前にはグループ全体の財務会計に関する業務プロセス全体の最適化が必須である。

このようにして開発されたシステムは、他社に一歩先んじる企業には相応しい財務会計システムとなるだろう。

中国が抱える課題:不安定な中国の出現は実に厄介

2011年02月05日 | 日記
中国の軍事・経済の台頭が著しい。まさに昇り龍。
だが、抱える課題は極めて深刻なものがある。

中国の成長は2025年には現在の経済成長率から3%ダウンするだろうし、今でも大学生の就職率は低迷している。
経済成長が鈍化すると、内政は不安定になり、特に内陸部、漢人以外の自治区ではデモが頻発するだろう。
中国政府は、これを予想し今、武装警察を増強しつつある。

また重要なのは、経済成長に伴う水不足が深刻さを増すことだ。それに人口の男女比率、そして年齢構成比率のバランスが崩れている。一人っ子政策は今後中国社会を一層不安定にする事は確実だ。

日本や韓国同様、中国も今後猛烈な勢いで少子高齢化が進み、多数の老人を少ない若者がその年金・福祉など社会保障を支えなければならない。
中国の大きな特徴は、男性の数が女性の数を大きく上回る事だ。結婚できない男性が増えることでの社会への影響度は、多分人類が経験した事のないもので、予想がつかない。
これに関連するか判然としないが、アフリカでの資源開発においては多数の漢人を中心とする中国人が入植に近い形で投入されている。勿論、人民解放軍の軍人、元軍人。それと軍事訓練を受けた民間人が移住している。

【これは日本も同じ。日本の在日韓国・朝鮮人の人口より中国人の人口の方が逆転した。これは問題だ。日本警察、特に公安や外事警察は大きな対応仕切れない状況で、エジプトのように中国人だけのデモが発生しても、日本人と違い統制は効かず、暴徒化する事に対するのは必至。これに今の警察じゃ対応できない。】

人口問題、資源エネルギー、小数民族、経済格差、環境汚染、共産党の腐敗、経済成長の鈍化、これら中国が抱える問題は、解決は出来ないだろう。

我々、近隣諸国の一番の心配事は、不安定な中国だ。これは実に厄介だ。

不安定な中国は対外的に強硬となる事は、容易に推測できる。
あまり知られていないが中国の核兵器は抑止のためにあるのではなく、明確に攻撃兵器として位置づけられており、必要とあれば核兵器の使用に躊躇する事はない。

しかし、厄介だ。

中国のトリウム溶融塩炉開発着手か?が波紋

2011年02月01日 | 日記
中国の応用物理研究所がトリウム溶融塩炉を早ければ2月から開発着手か?が小さな波紋をよんでいる。
結構な組織が調査をしている。

現在の軽水炉は、文字通り軽水(水)が必要だが、中国の水事情はヨロシクない。
この点、核燃料を固体から液体に変え、しかもレアアースと共にトリウムが産出し、かつチベットには豊富なチリウム資源があり、なによりも軽水が不要である点は大きな利点だ。中国においては。

安定した電力源としてトリウム溶融塩炉で発電を行い、補助として風力と太陽光など再生エネルギーで賄うのは理にかなっている。これが『中国版スマートグリッド』であり、長大な送電網が不要で配電網で独立した電力クラスターをいくつも構築出来る。時間をかけてじっくりとこれら電力クラスターを連結して行けばよい。
しかも日本にとっては軽水炉原発で懸念されるメルトダウンなど重大な原発事故の際の放射能汚染の日本列島へのリスクが最小化出来る。(軽水炉のこれ以上の増設は事故の可能性が高まり望ましくない)

トリウムが資源として注目される日は近いのかもしれいない。世界経済第3位の日本を除いては・・・