阿部ブログ

日々思うこと

中国がパキスタンのグワダル港の管理権を取得

2013年02月02日 | 日記
中国がパキスタンのグワダル港の管理権を取得した。グワダル港は、ホルムズ海峡から180海里のパキスタン西南部のバロチスタン州にある。スリランカのハンバントタ港の取得に続き、中国の『真珠の首飾り』戦略が一歩前進した。

グワダル港の管理権は、2007年3月以来シンガポールのPSAにあった。パキスタンと同社との契約は40年間の管理権を有するものだったが、これが中国海外集団に譲渡された。

中国は2002年以来、グワダル港開発計画を総予算11億6,000万ドルで推進してきた。そのうち第1期事業として、1億9,800万ドルを支出し、パキスタン政府は5,000万ドルを拠出してプロジェクトがスタート。2002年3月の起工式には、当時の呉邦国が出席している。
第1期では、3つの多目的バース(5,000トン級)、水深11.5メートルを建設。第2期事業では、9つのバースと石油専用桟橋と大型旅客船ターミナルなどが建設され、水深14.5メートルに掘り下げた。このプロジェクトの予算は5億2,600万ドルで、中国は石油専用桟橋の優先使用権を得ている。

それと重要なのは、グワダル港とカラチを結ぶ高速道路建設プロジェクトについても2億ドルを投入しており、マラッカ海峡を通る事なく、パキスタン経由で石油や各種資源を中国内部に直接輸送することが出来る。道路だけではなく、新疆ウイグル自治地区とグワダル港を直接結ぶ鉄道プロジェクトも粛々と進んでおり、現在は地質調査や標高などの各種調査を行っている。勿論、石油と天然ガスのパイプライン建設プロジェクトも進捗している。

さらに中国はカラコルム・ハイウエィ拡張工事を実施中である。このハイウェイは、中国新彊ウィグル自治区の南端に位置するホータンからパキスタンにのびているもので、現在の道幅10メートルを30メートルに拡張するもので、戦車や装甲車などの軍事車輌の通行可能となる事から、インド軍はこのハイウェイ拡張工事に高い関心を払っている。

中国は、バングラデシュのチッタゴン、ミャンマーのシットウェー、スリランカのハンバントタなどと同様にグワダル港に電波通信傍受施設を設置して、インド軍やインド洋での米英海軍の活動をモニタリングしている。

2025年にはグワダル港の南40海里を通る船舶数は、4000隻以上になると予想されている同海域の重要性は高まりこそすれ、決して低くなることはないだろう。

日本、中国、インドの3カ国にとって死活的に重要なインド洋における中国海軍のプレゼンスに対抗する為にも、
是非とも日本とインドとの日印安全保障条約の締結が必要だ。

日本とインドの軍事同盟 ~日印ラッパロ条約を締結せよ~