阿部ブログ

日々思うこと

キプロス海域でのトルコによる天然ガス田開発

2019年06月30日 | 雑感
エクソンモービルが、キプロスの排他的経済水域で大規模な天然ガス田を発見。ブロック10と呼ばれる鉱区の埋蔵量は、1400億~2300億立方メートル。
トルコは、キプロスの天然ガス田開発を妨害してきた経緯があり、キプロスが排他的経済水域と主張する海域で、ガス田開発を進めている。トルコは今月20日には2隻目となる採掘船YAVUZがキプロス海域に向け出港し、トルコ海軍の警備艦艇も展開している。
EUは、キプロス海域でのトルコの天然ガス田採掘を非難。
トルコは、キプロス本土にある北キプロス・トルコ共和国を支援しており、ガス田開発海域は、北キプロス・トルコ共和国の排他的経済水域であり、合法だと主張している。北キプロスはトルコ版の満州国。北キプロス・トルコ共和国を承認しているのはトルコだけ。満州国でも12カ国が承認したと記憶しているが、北キプロスは、東地中海の火種であり続けるだろう。
前述の通りトルコは、ガス田開発を強行しており、2018年10月採掘を開始し、2019年7月からは20日に出港した掘削船で2ヶ所目のガス田開発に着手する。
キプロスは、既に作業中の人員に対し逮捕状を出しており、2ヶ所目のガス田開発要員に関しても逮捕状を出して逮捕するとしている。当然ながらトルコ海軍との小競り合いが発生する可能性が高く、キプロス海域の緊張が高まっている。

※過去ブログ:イスラエル=レバノン沖の天然ガス資源
       エジプト沖で世界最大の天然ガス田発見