阿部ブログ

日々思うこと

イスタンブール=アンカラ高速鉄道とボスポラス第3橋

2013年04月02日 | トルコ
ボスポラス海峡を跨ぐ3番目の吊り橋の建設が、ポイラズキョイとガリプチェの間で開始された。このボスポラス第3橋は、イタリアの建設会社アスタルディとトルコのICイチタシ2社による共同企業体(JV)が建設プロジェクトを落札しており、総事業費は約25億ドル。吊り橋の建設と併せて高速道路も建設される。

この高速道路は、ヨーロッパ側のテキルダー県とアジア側のマルマラを結ぶ414kmの北マルマラ自動車道で、総工費は50億ドルを超える規模。因みに今回のボスポラス第3橋と北マルマラ自動車道の入札には、石川島播磨と伊藤忠連合は参加していない。

さて、このボスポラス第3橋には鉄道が走る事となる。イスタンブール=アンカラ高速鉄道(YHT)で、既に工事の97%は完了している。最終区間であるイスタンブール=エスキシェヒル線の内、キョセキョイ=ゲブゼ間部分56kmの工事がスタートしており、この区間が完成すればイスタンブール=アンカラ間の全長523kmが接続され、両都市を3時間で結ぶ高速列車が疾走する。

この高速鉄道は、今年2013年10月29日に開業する予定で、トルコ共和国国営鉄道(TCDD)では、1日5万人、年間にして1700万人の利用者を見込んでいる。

イスタンブール=アンカラ高速鉄道は、総工事費1億4682万5952ユーロで、トルコ共和国国営鉄道(TCDD)は、2023年までにトルコ国内の鉄道事業に、総額4500万ドルを投資するとしており、既にウルマク=カラビュク=ゾングルダク鉄道の近代化プロジェクトが展開しつつあり、これはEUのInstrument for Pre-Accession Assistance と呼ばれる融資制度を利用している。

イスタンブール西部開発と言い、アンカラ以東での開発プロジェクト計画と言い、PKK問題の解決に目処をつけた今後のトルコの経済発展とインフラ投資には、今後も要注目である。