阿部ブログ

日々思うこと

昭和天皇 と ロッキード事件

2012年03月31日 | 日記
昭和天皇が田中角栄を嫌っていた事は、広く知られている。
でも何故? 理由が分からなかった。

それが鬼塚英昭氏の『瀬島龍三と宅見勝「てんのうはん」の守り人』を読んで分かった。
同書から引用する。

『私はあるルートで妙な事を聞いた。それは三木武夫首相が天皇に呼び出されたとき、天皇は首相に次のように言ったのだ。
「田中角栄をどうしても逮捕して欲しい。彼は私のファミリーのスキャンダルを種に脅しをかけた。私は彼を赦せないのだ。」
三木武夫首相はフォード親書について説明した後だった。「どうすればいいでしょうか}と三木は天皇に尋ねた。
天皇は答えた。
「フォード大統領に私の親書を渡してほしい。そして、「よろしく頼む」と伝えてほしい』

天皇は、下々の内奏を唯々諾々と承認するだけと言うイメージがあるが、それは違う。
明治天皇、大正天皇はそうだったが、三代目の昭和天皇は将に天皇&大元帥として戦前から終戦に至る長きに渡り君臨した国家を先導する真の元首であった。彼の発言はそのまま大日本帝国の方針となる。即ち陸海軍も政府も意のまま。
勿論、戦後も憲法がどうあれ超法規的存在として昭和天皇は君臨した。それが上記の発言として如実に現れている。
最後の「よろしく頼む」とは、太平洋戦争の時も有効で、真珠湾、ミッドウェー、東京大空襲、原爆投下など日米の相互調整の上、帰趨なる戦闘は行われた。
これは先のMHKの原爆投下に関する番組でも明らか。

さてロッキード事件は、2.26事件に匹敵する暗黒裁判であり、戦後日本は資本主義ではあるものの、民主主義体制ではない証左を示す重要な裁判であり、これは未だ終わらない2.26事件と同じく、後世に明治政府体制の本質も知らしめることがらとして語り継がれ、これの関係した魂は浮かばれることはないだろう。
曰く、現世では天皇と臣下でも、死んだら皆同じ。死んでから幾百万の魂に攻められるのは地獄の以上の苦しみだろう。

しかし鬼塚英昭氏、重要な事は語らないでいる。
まあ、鬼塚氏の御著書で何れ読む事もあろうかと思えば、これは待ち遠しいですね~

中国の国家暗号管理局

2012年03月27日 | 日記
中国には国家暗号管理局なる組織がある。
1999年10月7日に国務院によって「商用暗号管理条例」が公布・施行されて、その存在が明らかになった。

この国家暗号管理局は、中央暗号工作指導小組弁公室と共に2つの組織で1つの国家機関として機能する。国務院の一部局とされるが、国務院の組織に国家暗号管理局なる組織は表面上存在しないが、「商用暗号管理条例」には住所が記されている。

『国家暗号管理局:北京市西城区西単北大街宏廟胡同9号 TEL(010)66171941』

国家暗号管理局の隷下には、中国全土には32の所在地が判明している地方の暗号管理組織と、所在地が不明な暗号管理組織1ヵ所の合計33カ所の組織が存在する。
以下に地方暗号管理組織の名称と所在地を記載する。

北京市暗号管理機構   北京市東城区台基厰大街5-1号
天津市暗号管理機構   天津和平区大沽北路138号金融広場大厦Aビル512号室
上海市暗号管理機構   上海市宛平路9号甲
深圳市暗号管理機構   深圳市深南中路市委大院裏ビル607号
重慶市暗号管理機構   重慶市渝中区中山4路83号附2号3階
貴州市暗号管理機構   貴陽市広順路1号
河北省暗号管理機構   石家荘市維明南大街46号
山西省暗号管理機構   太原市桃園北路5号402室
内蒙古自治区暗号管理機構 フフホト市新城北街青城巷1号
遼寧省暗号管理機構   瀋陽市和平区和平南大街28号甲
吉林省暗号管理機構   長春市新発路17号212室
黒龍江省暗号管理機構     ハルビン市南崗区花園街294号
江蘇省暗号管理機構   南京市北京西路70号
浙江省暗号管理機構   杭州市省府路9号西一門6号貴賓庁
安徽省暗号管理機構   合肥市長江中路39号
福建省暗号管理機構   福州市華林路80号
江西市暗号管理機構   南昌市豫章路50号
山東省暗号管理機構     済南市緯一路482号
河南省暗号管理機構   鄭州市金水路105号院
湖北省暗号管理機構     武漢市武昌水果湖青年路30号
湖南省暗号管理機構     長沙市韶山路1号
広東省暗号管理機構   広州市合群三馬路
広西自治区暗号管理機構   南寧市民族大道東段103号
海南省暗号管理機構   海口市海府路49号
四川省暗号管理機構   成都市商業街16号
雲南省暗号管理機構   昆明市西昌路249号
陜西省暗号管理機構   西安市雁塔路南段10号
甘粛省暗号管理機構   蘭州市南昌路1648号
青海省暗号管理機構   西寧市七一路346号
寧夏自治区暗号管理機構   銀川市西夏区朔方路5号
新疆自治区暗号管理機構   ウルムチ市健康路2号
新疆生産建設兵団暗号管理機構 ウルムチ市光明路15号
西蔵自治区暗号管理機構 不明

国家暗号管理局の存在が明らかになった「商用暗号管理条例」そのものは、全7章27の条文から構成されており、以下の構成である。

第1章 総則  (第 1条から第 4条)
第2章 研究、生産管理  (第 5条から第 9条)
第3章 販売管理  (第10条から第13条)
第4章 使用管理  (第14条から第16条)
第5章 安全、機密保持管理 (第17条から第19条)
第6章 罰則  (第20条から第25条)
第7章 附則    (第26条から第27条)

私見であるが、中国の国家暗号管理局は、法と執行に関しては、国務院、中国共産党、公安、税関などが行うが、暗号全般及び暗号技術などの実務面では中国人民解放軍総参謀三部が、暗号全般に関する諜報については総参謀部第二部が実務を担当していると考えており、国家暗号管理局は、箪なる器だけの組織であり、故に国務院の組織図には乗らないと言う事だと考えている。

スーパーコンピューターの更なる性能アップと新世代フォトニクス技術

2012年03月24日 | 日記

日本における光通信による通信幹線網は、ここ20年の間に約1000倍の大容量化を実現した。
スマートフォンやSNSの世界的普及により、超高精細動画像や3次元画像を含むAR、つまり超臨場感通信の拡大に伴い、ペタ(1000兆)ビットの時代が20年も経ずに到来するだろう。
このようなぺタビット級の通信インフラを構築するには、伝送容量を、現在の更に1000倍にする必要がある。
光増幅器の帯域や光ファイバへの入力光のパワーなど、物理的観点から今の光ファイバ1本で伝送できる容量は限界に近づきつつある中、達成可能だろうか。

1本のシングルモードファイバで伝送可能な容量は、周波数利用効率と信号伝送帯域の積で決まる。
また光通信の信号帯域(約8~10THz)においては、周波数利用効率を極限まで上げるためにデジタル信号処理を、偏波多重技術と多値QAM符号を組み合わせることによって、原理的には10ビット/秒Hzぐらいまで向上させ事で大容量光通信の可能性がある。
しかしながらシングルモードファイバでの伝送容量は、シャノンリミット等、先程と同様の物理的な限界が存在する。これを克服して光ネットワークの大容量化を実現するための研究開発が各国で始まっている。

またシングルモードファイバの限界克服の為には、光伝送媒体にマルチコアやマルチモード光ファイバなどの新しい技術を導入して空間多重が可能な構造として、1条あたりの光ファイバの伝送容量を飛躍的に向上させる事も研究されている。

片や、ネットワークと同様にコンピュータの処理速度も年々速くなっており、ハイパフォーマンス・コンピュータの処理性能は、4年で10倍に達している。現在開発中のIBMのペタFLOPSマシンは、前述のマルチモード光ファイバが5万本も使用され処理性能の改善に貢献している。但し2020年までに実現を目指すエクサ(100京)FLOPSマシンの場合には、マルチモード光ファイバが数千万から数億本必要とされると推測されているので、光ファイバを減らしつつ性能向上を図る事が求められている。

このように、先進的なフォトニクス技術開発は、新世代ネットワークのみならず、ハイパフォーマンス・コンピュータ全体のシステム性能を左右する極めて重要な存在であり、更なるブレークスルーが真に求められている。
ただ、このブレイクスルーの為の候補技術は存在する。それが先ほどの空間分割多重マルチコア光ファイバやモード分割多重マルチモード光ファイバと言う技術である。この技術開発も各国で熾烈な競争が繰り広げられている。

しかしながら、空間分割多重マルチコア光ファイバやモード分割多重マルチモード光ファイバなど新技術による光ファイバの場合、これに関係する周辺技術の開発(光増幅・接続技術や光パッシブ・アクティブデバイス)も同時に行う必要がある。

日本が誇るスパコン「京」の性能UPの為にも新世代のフォトニクス技術の開発に注力する必要がある。CPUやGPUの性能アップだけではなく、システム全体としての性能向上と全体最適化を実現しなければエクサマシンは実現不可能だろう。


昭和通商と言う会社

2012年03月23日 | 日記
品川の青物横丁に塗装工事をする「昭和通商」と言う会社がある。
品川シーサイドから京急・青物横丁駅に歩くと左手にある。へぇー、あの会社と同じ名前だ!

あの会社とは戦前アヘンを取り扱っていた商社「昭和通商」のこと。

「昭和通商」の前身は「泰平組合」と言う。
組合は、明治41年6月にに大倉商事、三井物産、高田商会の3社が共同出資して設立。目的は、日露戦争後の旧式銃・火砲など軍の兵器の払い下げを受けて、アジア各国に輸出する事。
武器輸出は、各国の軍隊だけでなく、軍閥なども商売相手となり、必然的に非合法な組織との接触も増える事となった。
更に武器輸出の決済には「金」や「銀」など貴金属だけでなく、時にはアヘンやヘロインが用いられる事もあり、これら麻薬の取り扱いも行うようになっていた。しかし旧式の武器輸出では競争力は無く、泰平組合の事業も伸び悩む事となる。

そこで利益の多い麻薬ビジネスが拡大する。これは日本軍の要請により三井物産がトルコやイランの阿片専売公社「アミン」などからアヘンなどを買い付け、軍に納めていた。満州国成立以前は、三井物産が麻薬輸入を独占。
しかし満州国の建国後は三菱商事が満州国内での権益を確立。以後、三井物産は満州国以外の中国国内を担当した。

満州事変以降、中国大陸における日本の占領地が拡大。昭和13年12月には占領地政策と一元化する為、「興亜院」が設置される。この興亜院が、占領地管理の一環として「阿片政策」を実行した。
「あー、うー」の大平総理大臣は、興亜院設立当初から、蒙疆連絡部・経済課に所属し中国大陸における阿片政策の計画推進を担当していた。興亜院は「阿片院」とも呼ばれたので、大平正芳はその中枢にいたのである。

さて興亜院設立後の昭和14年4月20日には、陸軍の要請で「泰平組合」を発展的解消し高田商会は参加しなかったが、三井物産、大倉商事、三菱商事の3社が出資して「昭和通商」が立ち上がった。資本金は各社折半でそれぞれ500万円を拠出したが、三菱商事はこれより少なかったとも言われる。何れにせよ1500万円の資本金でスタートした。

4月20日の昭和通商の創立総会には、陸軍から、武藤章、岩畔豪雄。三井物産から石田礼助、大倉商事から宮田準一と原、昭和通商の社長となる堀三也、それと佐島敬愛が出席。三菱側から出席者は無かった。

昭和通商の本社は、日本橋小舟町。
昭和通商は、最盛期には3000名を超える陣容となり、6年程で消え去った会社だったが、出先は中国各地、アジア、北米、欧州と世界を網羅する程。まあ出資する3商社の支店・支社に間借りすることもできたろうから驚くこともないが。

この昭和通商には、調査部があった。調査部長は佐島敬愛。
京都出身の佐島は、渡米し三井物産ニューヨーク支社に勤務した。本店採用ではなく現地採用。
佐島は、三井物産退職後、満州航空に就職。その後、昭和通商の取締役調査部長に就任。因みに、大株主なので三井物産代表取締役社長の石田礼助も非常勤取締役であった。戦後は、国鉄総裁となり「粗にして野だが卑ではない」と国会で発言したのは有名。
石田は戦後、三井物産における自身の話を公の場で話す事は無かった。

佐島は、アジア版アラビアのロレンスと称する人もいるが、初代のCIA東京支局長のポール・チャールズ・ブルームが主催する「火曜会」と言う夕食会の常連で8人のサムライと呼ばれた一人。
当時の佐島は、信越化学に関係していたが、他は、朝日新聞論説主幹の笠新太郎、評論家の・浦松佐美太郎、政治学者の蝋山政道、農業経済学者の東畑精一、前田多門や松本重治(国際文化会館理事長)、松方三郎(共同通信社専務理事)ら8人。

昭和通商の調査部には中野学校卒業者が配置(配属)され、諜報活動や麻薬関係の仕事を担当した。昭和通商は国策会社として汚れ役を演じ、麻薬ビジネスで大いに興亜院や陸軍などに莫大な利益をもたらし、大いに貢献した。
この昭和通商とこれに係わる人物群により、戦後の覚醒剤や麻薬関連、及び密輸に係わる事柄など、昭和を経て平成の世に至る現在においても、その力は健在。

香港攻略作戦に伴う瀬島龍三の潜入偵察と興和機関による情報工作

2012年03月22日 | 日記

1941年10月12日、支那派遣軍参謀長、後宮淳中将は第23軍に対して香港攻略計画の命を下し、同時に、香港興亜機関に対しても攻略の側面支援計画を命じた。
興亜機関は、陸軍の支那通、岡田芳政中佐が率いた組織であり、その任務は謀略工作によって日本軍の香港攻略を側面から支援することと、香港における情報収集であった。

興亜機関は1941年にその活動を開始したが、その命名の親は、なんと栗林少将であった。
栗林少将は、香港攻略戦当時は第23軍参謀長だった。栗林忠道少将は後に小笠原兵団長・陸軍中将として硫黄島で戦い「散るも悲しき」という有名な電報を発信し、部下に徹底抗戦を命令して自らも文字通り戦って散った。

この香港攻略戦の実施主体は、第23軍であるが、具体的な作戦計画の立案は、大本営作戦部作戦課の瀬島龍三大尉が担当した。
瀬島大尉は、言わずと知れた後の伊藤忠商事会長の瀬島龍三氏である。

彼は香港攻略戦に際し、緻密な作戦計画を立案する為、三井物産社員を装って香港島の実地の事前偵察を敢行した。
瀬島大尉の作戦課題は、どこから香港を砲撃するのが効果的か?香港島の何処から上陸するべきか?これが難しいようであれば、香港島の裏側(南側)の何処に上陸するべきか?と言う戦術作戦上の判断する為の偵察であった。

瀬島大尉起案による香港攻略戦を側面から支援し日本軍の被害を最小限にするため第23軍からの側面支援に関する興和機関に対する命令は以下であった。

(1)香港攻略の側面支援
①イギリス軍による香港への幹線道路爆破の阻止
②港への道路標識の設置、誘導のための人員の配置
③イギリス軍の兵力移動の妨害

(2)内部撹乱工作
①発電所、電話交換所、水源地、電車庫の破壊
②反イギリス・ビラの配布
③映画館等への爆破テロ

また香港における情報収集は、瀬島大尉の他、現地の地下組織である洪幇を利用して、イギリス軍の陣地や交通の要所、また貯水池の位置とその警備状況などが調べ上げられた。ここで活躍したのが、陸軍の嘱託、阪田誠盛であった。阪田は北京語を自在に操れたため、「田」という中国人になりすまして香港の洪幇に加わった。

興亜機関の最初の任務は、退却するイギリス軍による幹線道路破壊の阻止であった。
事前に押えた十数か所は爆破を阻止できたが、3箇所は爆破されてしまったが、工兵部隊により1時間程度の作業で道路は修復され爆破による影響は最小限に食い止められた。

また興亜機関に協力する洪幇の破壊工作部隊も計画通りに動きインド兵舎、九龍発電所、電車庫、イギリス軍の駐屯地に繋がる水道管の爆破、映画館への手榴弾投げ込みなどを展開した。

しかし興亜機関の最大の香港攻略戦における貢献は、香港の水源そのものを抑えた事である。
水が無くては戦えない。これによりクリスマスの12月25日のグルカ兵を含む英軍降伏を促す要因となった。

マイクロソフト、グーグルの「Go」に続き並列処理記述言語「Axum」を開発

2012年03月22日 | 日記
グーグルは、マイクロソフトより早く2009年11月10日に並列処理言語「Go」をを公開している。

「グーグルの新しいプログラミング言語「Go」開発の背景にあるもの」

「Go」のポイントは、並列処理記述にCSP(communicating sequential process)と呼ばれるプロセス代数のモデルを採用したこと。CSPは、形式手法(formal methods)という 、計算機科学における数学を基盤としたソフトウェア技法に依拠しており、ロックなど同期のメカニズムを使わずに並列処理を記述できる優れた特質を持つ。

マイクロソフトの「Axum」も同然の事ながらCSPを採用している。
グーグルとマイクロソフト両社がCSPを採用した事は、即ち、現状の共有排他制御には限界がある事を再認識させるが、本格的にCPUのマルチコア化、GPUのメニーコアするコンピューティング環境にあって、今のソフトウエア開発言語では対応出来ない事を示唆する。

「Axum」は、.NET Frameworkでプログラムを記述するが、言語仕様はプログラマーのスキル転換を勘案してかC++やC#に似ている。以前は「Maestro」と呼ばれていた。「Axum」は、Microsoft Robotics の Concurrency and Coordination Runtime (CCR)をベースに開発されているが、汎用言語ではなく.NET言語から並列処理が必要なときにAxumコードをコールする仕組み。

「Axum」は4つの構成要素からなる。
 ①データ保持の主体「Domain」、
 ②データの受け渡代行と実行を行う「Agent」、
 ③データをやり取りする「Channel」、
 ④データ形式を定める「Schema」。

一番重要なのは「Domain」。
「Domain」はリソースのリポジトリ。つまりデータやエージェントと関数の集合体。「Domain」は相互に分離しているが、それぞれのデータや共有された状態を保持する。「Domain」の状態は同一の「Domain」のエージェントによって共有することができる。ただ「Domain」の関数は、呼び出し間ではその状態を保持しない。
「Domain」の間は、「Agent」が「Channel」を通じてメッセージを交換する。
「Domain」同士は共有するデータを持たず、「Domain」間ではデータを直接共有することはなく、データ共有が必要となった時には「Domain」に属する「Agent」が「Channel」通してデータ共有を行う。
「Schema」は互いに関連を持たない「Agent」間の通信を補佐するために導入されたもの。

何れにせよ「Axum」は、並列処理を安全・確実に実行するプログラミングを、.NETフレームワークの上に構築するもので、この「Axum」が実現しようとしている並列処理は、これから重要となる技術で、複数のクラウド間を跨がる処理や、今後のコンピューティング・リソースそのものが、ますます並列化するため。

しかし並列処理の性能向上が、システム工学上の大きな課題であると認識されており、マイクロソフトの「Axum」が克服出来るか、大いに疑問だが、しかも「Axum」とは別の関数型の並列処理言語「F# for Windows Azure - Home」を開発中であり、お得意の複数プロジェクトで並列処理言語開発を行うマイクロソフトらしい取り組みだ。

サイバー攻撃からの社会インフラ防護

2012年03月21日 | 日記

イランのエスファハーン州ナタンツにあるウラン濃縮施設に対し「スタックスネット」と呼ばれるウィルスによるサイバー攻撃で、ウラン濃縮用遠心分離器の5分の1が使用停止になったされる事件が発生している。これはイスラエル南部にあるディモナ核施設にナタンツと同様のウラン濃縮装置を同様の設備を造って、「スタックスネット」の効果実証が行われたと言われている。

「スタックスネット」はITセキュリティ業界では「W32/Stuxnet」と命名されており、2010年6月17日、VirusBlokAda社(本社ベラルーシ)で初めてその存在が確認された。「スタックスネット」は、インターネットから隔離されたスタンドアローンの制御システム(SCADA)においてもUSBなどから感染させる事ができる。また「スタックスネット」報告例の約60%はイランに集中しており、狙いが何処にあるかは明確。

イランのナタンツのウラン濃縮施設では、シーメンス社のプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)で遠心分離機を制御していたが、PLCとWindows端末を仲介するインターフェースソフト「WinCC/PCS7」が攻撃目標となった。
ウラン濃縮施設内で、パッチを充てる理由などで、直接「スタックスネット」が注入された模様で「WinCC/PCS7」を経由してPLCが乗っ取られ、周波数変換装置が動作不能となり、約8400台の遠心分離機が稼働不能に陥った。

巷では、スマートグリッドやスマートコミュニティなど社会インフラのIT化の構想が喧しいが、当然の事ながらサイバー攻撃からの防護が重要。

イスラエルと一緒に「スタックスネット」を開発したのでは?と疑われる米国でも、サイバー空間での脅威に対応するための専門部隊「サイバー軍」が2010年に5月に活動を開始しているが、この部隊は、暗号解読機関NSAと連携して米軍の重要インフラの防御能力を高めるミッションをもつとされる。

また前述のNSAは独自に、国内の重要インフラを担う企業のネットワーク上に、不正アクセスを探知するための機器などを設置する「Perfect Citizen」と言うプロジェクトを総額1億ドル相当の予算を充てて進めているとされている。
更に、Echelonと並ぶ傍受システム「Turbulence」もサイバー攻撃と防御に関するプログラムが存在すると言われている

そもそも「Turbulence」は、インターネット上でやり取りされる電子メール、ブログやそーしゃるメディアなどの情報を収集し、国家安全保障やテロリズムに関わる情報を抽出する事。インターネットに接続されているサーバーやデバイスなどにNSAなら容易に侵入できるのだろう。因みに「Turbulence」には毎年5億ドル程度の予算が充当されていると言われる。

米エネルギー省のアイダホ国立研究所においても原子力発電所やエネルギー関連施設などの制御システムをサイバー攻撃から防護することを目的に「National SCADA Test Bed」プロジェクトを立ち上げている。このプロジェクトでは、社会インフラの制御システム(SCADA)に対するサイバー攻撃のシミュレーションや防御方法の研究と官民への教育などを行うもの。また同省隷下の国家核安全保障局(National Nuclear Safety Administration:NNSA)が核兵器や関連施設などサイバー攻撃からの防御を担当する。

国土安全保障省においては、国家サイバーセキュリティ部(National Cyber Security Division:NCSD)が国家サイバーセキュリティ保護システム(National Cybersecurity Protection System:NCPS)を運用し、米連邦政府のサイバーセキュリティに係るインフラを常時監視し、不正アクセスや攻撃から保護している。NCPSは、通常「Einstein」と呼ばれるアプリケーション。今は連邦政府のみに実装されているが、将来的には民間ISPにもインストールされ、攻撃を企図するプログラムを予め駆除する事も検討されている。

同省の配下には、NCPS以外にも、US-CERT(United States Computer Emergency Readiness Team)とICS-CERT(Industrial Control Systems Cyber Emergency Response Team)の2つの組織があり、り社会インフラの制御系に関する脅威の情報やベストプラクティスを官民双方に公開提供している。
因みに同省は社会インフラ防護の総本山と言えるが、本格的なサイバー攻撃からのインフラ防護はNSAに移管している。

サイバー攻撃から社会インフラを防護する取り組みは、日本においては検討されているものの、具体的な取り組みにはなっていない。
国家の安全保障は米国に任せても、市民生活や経済活動に直接影響を及ぼす社会インフラの防護は他人任せにはできない。
早急に官民の緊密な連携の下、サイバー攻撃を最小限に食い止める対応が必要。

超高層ビルの呪い ~バベルの塔の完成は経済恐慌を呼ぶ~

2012年03月20日 | 日記
今日、面白い話しを聞いた。
何でも世界一高いビルが完成すると不況になると言う。
それは高さに比例するとも。これを「超高層ビルの呪い」と言うらしい。

耳タコかも知れないが、5月22日(火)には東京スカイツリーが完成お披露目、営業開始となる。
スカイツリーは自立式電波塔としては世界一高く高さは634mに達する。

このスカイツリーの完成が超高層ビルの呪いを呼び起こすかどうかは判然としないが、聞いた話では、現在世界一高いビル、ブルジュ・ハリファ(建設段階ではブルジュ・ドバイと呼ばれていた)828mを遙かに超える1001mの「マディナ・アル=ハリール」がクウェートに今年2012年完成する。
地価の安いクウェートに、こんな高いビル建ててどうするのか理解出来ないが、高さだけみると前代未聞の不況と言う大恐慌がきそうな高さだ。

さて、ブルジュ・ハリファが完成したのは2010年1月。当初は2009年6月完成だったが、2009年11月のドバイ・ショックと呼ばれる経済危機に見舞われ、完成が遅れたのだ。その後の経済停滞から未だにドバイは抜け出せていない。
ブルジュ・ハリファ以前の世界一は台北の「台北101」。2004年完成で高さは509.2m。このビル完成後、何故か台湾も経済不振に陥り、やがて建設中のブルジュ・ドバイが2007年7月に台北101を抜くと、これまたリーマン・ショックが発生、その後の世界経済の状況は、今を生きる我々れには良く理解出来る事だろう。

そもそもバベルの塔の呪いが掛けられたのは、言わずと知れた「エンパイヤーステートビル」。1931年完成だが、建設途上の1929年には世界大恐慌が発生している。

911で倒壊したワールド・トレード・センタ(528m)が1973年4月4日に完成すると10月6日には第四次中東戦争が勃発。これを契機として第一次オイルショックが発生、日本ではトイレットペーパー買い占め騒動が起きるなど世界は経済不況に突入。

次は、マレーシアの首都クアラルンプールに「ペトロナス・ツインタワー」452mが建設中の1997年にはアジア通貨危機が発生。「ペトロナス・ツインタワー」が完成した1998年には韓国も含むアジア諸国の経済が危機に瀕した。

さて1000mを超える「マディナ・アル=ハリール」と自立式電波塔「東京スカイツリー」が同時に完成する2012年、世界経済はどうなるのだろうか? 神の怒りは米国においてはドル崩壊、中国の不動産バブル崩壊、EU&日本の債券バブル崩壊を引き起こし、新興途上国も含めその影響は地球全域に及ぶだろうか?

この超高層ビルの呪い、この手のジンクスは不思議だが何らか人知を超えた示唆を、我々人類にしめしているのだろう。

気になるのはイスラエル参謀総長ベンジャミン・ガンツ氏の発言だ。
彼は2012年は決定的な年になるだろうと、発言しているが表面上はイラン核施設への攻撃を言っているように思われるが、実は彼はまったく別の事を言っているのかも知れない。
多分、世界経済が危殆したドサクサに紛れて、イラン攻撃を敢行するかも知れない。ただイラクやシリヤの時のような直接空爆ではなく別の破壊工作で行われる可能性を否定出来ない。
曰く、空爆は派手すぎる。

まあ、何れにせよ人類は謙虚になるべきだ。

バルチィック・ドライ指数 (Baltic Dry Index) 12月から2月にかけて暴落 ~ その後

2012年03月20日 | 日記
バルチック・ドライ指数とは、バルチック取引所(the Baltic Exchange )の指数。バルチック取引所の起源はバルト海での交易に携わる商人の情報交換の場から現在の取引所となった。ドライ指数のドライとは ドライカーゴのこと。鉄鉱石、石炭、穀物、肥料など乾き物を運ぶ貨物船を指す。

バルチック・ドライ指数は、今後の世界経済の行く末を移す重要な指標と考えられており、ドライカーゴの指数、即ち運賃が上昇するということは、資源輸送が活発であることを示しており、今後の景気を示す。

このバルチック・ドライ指数が、昨年2011年12月20日の「1878」から2012年2月3日の「647」まで急落している。

バルチック・ドライ指数は、リーマン・ショック後は2008年2日に「672」と言うボトムを記録。今回の「647」は、これをを下回るもので、単純に考えるとリーマンショックを超える恐慌状態の到来を示唆する。

バルチック・ドライ指数が1000を下回ったのは2009年1月。1月20日には「862」となり、下落率は-47%となったが、背景には中国の鉄鉱石海運需要が鈍化してる状況で船舶の供給過剰が悪化していることがあった。
これは、バルチック・ドライ指数を左右するのは鉄鉱石の需要であることが理解できる。
これは世界の海上物流の3割を鉄鉱石が占め、その内中国向け鉄鉱石は60割を占める。つまりバルチック・ドライ指数は中国の実態経済を表している。
これが、昨年12月から2月にかけて暴落した。しかもリーマンショックを超える下げ幅である。

またバルチック・ドライ指数は、上海総合指数と2ヶ月から3ヶ月の時間を経て連動している事が知られている。
上海総合指数はバルチック・ドライ指数の先行指数となっているのだ。
リーマン・ショックの時も上海総合指数のボトムが2008年10月に1664を記録した後、バルチック・ドライ指数は2ヵ月後の2008年年12月に679となっている。

上海総合指数の影響を受けるバルチック・ドライ指数は、東証株価指数(TOPIX)に波紋する。
さてこの影響は?

ちなみに3月16日(金)のバルチック・ドライ指数は874である。

北朝鮮ロケットの破壊措置命令と 非対称ジメチルヒドラジン & ヘプチル基など有害物質飛散

2012年03月19日 | 日記

北朝鮮が4月に行うと予告した長距離弾道ミサイルによる「衛星」打ち上げに備え、破壊措置命令を自衛隊に下すことを検討していると言う。

破壊措置命令は日本領空域にミサイルが進入する事態を警戒し、ミサイル防衛(MD)の態勢を整え必要に応じて当該ミサイルを破壊するもの。但し国際法上高度約100キロ以上は領空侵犯にあたらないため迎撃措置は取らない。

北朝鮮によるとロケット1段目は韓国の西方沖に落下、2段目はフィリピン東方沖に落下するしている。
日本領域に落下する可能性は現実的には低いが、迎撃態勢を取るのは何故だろう。
現代版の戦艦大和・武蔵・信濃と言えるMDシステムも活用の場がなければ「無用の長物」だ。
北朝鮮がロケット発射となれば「それっ、警戒態勢を取れ」となる。

さて、昨年の10月1日のブログでも書いたが、仮にMDシステムでロケットを破壊しても物理的破壊片の飛散の他、非対称ジメチルヒドラジンの問題がある。

「ミサイル防衛と非対称ジメチルヒドラジンによる毒性被害」

北朝鮮の長距離ロケットは酸化剤に四酸化二窒素(NTO)、燃料に非対称ジメチルヒドラジン(UDMH)を用いている。

この非対称ジメチルヒドラジンは腐食性や発ガン性を持つ有害物質で、ロシアやアメリカでは打ち上げ失敗などで環境汚染を引き起こしている。

特にロシアでは2006年7月にISCコスモトラス社(ISC Kosmotras)がドニエプル・ロケットの打ち上げに失敗して汚染を引き起こし非対称ジメチルヒドラジンによる環境汚染を引き起こし、翌年の2007年9月には、プロトン・ブリーズMロケットが2段目のロケットエンジン点火に失敗しジェズカズガン市(Zhezkazgan)南西30マイルの地点に墜落。

幸い無人地帯だったため人的被害はなかったが、非対称ジメチルヒドラジンやヘプチル基有害物質を含む220トンの燃料を搭載していた為、これら有害物により墜落地域の環境汚染は深刻。

今回の北朝鮮のロケット破壊についても、高速で飛翔するロケットを撃墜する事自体が非常に難しく、完全に破壊する事が困難である事が予測される事から、ロケットに搭載してある推進剤や酸化剤が地上などに降り注ぐなど被害が懸念されているのだ。

非対称ジメチルヒドラジン(1,1-ジメチルヒドラジン)は、ヒドラジンの誘導体の有機化合物で、透明な液体。融点-57℃、沸点62℃、密度0.78g/ccで、ミサイル防衛でも懸念されているように毒性が非常に強い。この非対称ジメチルヒドラジンは、皮膚につくと大やけどし、吸い込むと呼吸器官、特に肺がダメージを受け、痙攣を引き起こす。

また発癌性物質と認知されており、国際がん研究機関(IARC)の発癌性評価では「グループ2B」に分類され、毒性が強い為に非対称ジメチルヒドラジンは、防護衣やガスマスクなどを装着し、かつ窒素ガス中で取り扱うのが普通。

現在の所、政府による非対称ジメチルヒドラジンの影響予測は、以下の通り。

(1)日本本土を飛翔中のテポドンが爆発した、半径約700メートルの範囲で家屋や人体に影響が及ぶ。
(2)着弾の際の爆風や破片などの影響は半径900メートル。
   この半径外に30分以内に脱出、若しくは救出されないと、非対称ジメチルヒドラジンにより元の健康状態には戻れない。
(3)着弾地点の中心から健康被害が生じる非対称ジメチルヒドラジンの有毒な影響範囲は半径9km。

搭載燃料をすべて燃焼する分には非対称ジメチルヒドラジンの毒性の心配をする必要はない。
ただなんらかのトラブルで途中で燃料満載のまま墜落するような場合には、降り注ぐ推進薬や酸化剤による環境破壊が心配される。

世界最大の京葉シーバース

2012年03月18日 | 日記
昭和41年6月、京葉臨海工業地帯に立地する極東石油工業㈱をはじめとする石油精製4社(出光興産㈱、富士石油㈱、丸善石油㈱(現コスモ石油㈱))は、原油タンカーの巨大化の趨勢に対処するために十分な水深を有する海上バースの設置が必要であると結論。タンカーなど大型船舶の東京湾における航行安全の問題などを考慮し、4社共同で海上バースを設置する事で意見が一致。

この4社合意を受けて海上バースの建設協議会を設置し、共同バース建設の経済性等の検討を行い、国土交通省、経済産業省、千葉県など行政機関とも摺り合わせと調整をしつつバースの規模、位置、建設時期、工法等の具体的検討が行われた。

昭和41年11月には、極東石油など4社の代表が会合し、海上バース建設、管理に当たるための新会社設立が決定され、昭和42年2月10日「京葉シーバース㈱」(所在地:千葉県袖ケ浦市長浦拓1-1-18)が設立。

4社共同の海上シーバースは、昭和43年7月31日完成。8月11日に初めてのタンカー「飛燕丸」が着桟。

参考までに京葉シーバース着桟時の基準がある。着桟時の条件については、バースに接近する着桟速度を毎秒10センチで船の重心位置とバース中心線のずれを表す偏心距離を15メートル以下。バース法線と船側線のなす着桟角度を0度から6度までで、進入する船首尾方向の速度ベクトルとバース法線とのなす進入角度を0度から12度までの各範囲と定められている。
日出前及び日没後の着桟は原則として行わない。

また着桟時の制限条件については、風速毎秒13メートル以上、波高1メートル以上、視界不良時、電気嵐(所謂「雷」)が発生しているか、または接近しつつあるとき、また京葉バースの運用責任者がその時の気象条件から船舶を着桟させることが危険とみなすとき、千葉港長の命令があった場合には着桟させない。
それと着桟舷については、東バースは左舷着桟、西バースは右舷着桟としている。

また、着桟速度は、進入角度が0度から15度の範囲で計測できる超音波船舶接岸速度計を各外側ブレスティングドルフィンに設置し、表示された速度を京葉シーバース側からトランシーバー及び着桟スピード信号灯により着桟する油送船の船長に連絡。

因みにこの海上バースを建設したのは鹿島建設。

京葉シーバースは、千葉県市原市袖ヶ浦沖合8キロの東京湾に浮かぶ細長い桟橋で、積載重量トン20万トン級タンカーを、西バースと東バースの両バースに2隻同時着桟させる事が可能なドルフィン式で、規模は全長470m、幅50m、水深20.5mであり、毎秒70mの風速に耐える構造。これは世界最大。

京葉シーバースは、水深20.5mの水域に、直径0.6~1.5mの大小255本の鋼管杭を海底下支持層60mまで打ち込み、直径120センチ(48インチ)の3本のパイプラインで4製油所に送っている。

しかし何故、4製油所に送るのに3本のパイプライン?
出光興産と富士石油にはそれぞれ1本のパイプラインがあり、もう一本は極東石油に向かい、同製油所からコスモ石油向けに分岐する。
ので、京葉シーバースからのパイプラインは3本。

この京葉シーバースから出るパイプラインは「特別移送配管」と行政用語では呼ばれ、年1回パイプの状態を調査し千葉県の消防局に報告する。勿論、海底のパイプラインの状態も潜水士の視認により状態確認を行っていると言う。

昨年8月21日に、この京葉シーバーすに世界最大のLNG船「エネルギーホライズン号141」(136G/T、LOA=300m、LNG積載量/175,000㎥)が着桟。

世界最大の「エネルギーホライズン号141」は東京ガスが自社運航管理する液化天然ガス船で、これで6隻目。同船は9月2日就航後、オーストラリアのガス田と日本(京葉シーバース)を年15往復し、年120万トンのLNGを運搬する。凄い

東京ガスの「エネルギーホライズン号141」は、東京湾横断道路東水路に達するまでに速力を調整し、同東水路中央第3号灯浮標を通過するころ針路を京葉シーバースの沖合に向けつつ水先人乗船位置に至り、水先案内人が乗船後その教導により、京葉シーバース南端から1海里ばかりのところで5隻の引船を左舷側に係止し、世界最大のLNG船の速力を約3ノットまでに減速しつつ、京葉シーバースの100メートルないし150メートル沖合でバース法線に平行になるように進行し、一端京葉シーバース沖合に達して停止したのち、引船に押させて着桟速度を毎秒10センチ以下に保ち、同時に着桟角度を6度以内におさめ、さらに偏心距離が約15メートル以内におさまるようにして着桟した。

今回は石油精製プラントの視察をさせて頂いたが、次回は是非とも世界最大の京葉シーバースを視察したいものだ。

亜麻仁油が大人気だ ~健康にも良いし、小銃のメンテナンスにも良い~

2012年03月17日 | 日記
亜麻仁油と言うと個人的には、64式小銃の銃把、握把に塗る油。

64式小銃とは、前の自衛隊の正式銃。1964年に制式採用されたので64式と呼ばれる。この小銃は、戦後初の国産小銃で、自衛隊と海上保安庁で配備された。

口径は7.62mm。現在陸上自衛隊に配備されているのは64式の後継小銃「89式小銃」、口径は5.56mm。この口径は米軍とNATO同じで相互運用性を重視している。重さも64式の半分程度の2Kgと軽い。
64式小銃は、今も海上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁で現役だ。だから各部隊では64式小銃のメンテナンスに今も「亜麻仁油」を使っている筈だ。

小銃の銃把や握把などに亜麻仁油を塗る事を「オイル・フィニッシュ」(油仕上げ)と言うが、これは亜麻仁油が、木質部の表面に適度に染み込みつつ油塗膜を作り保護する為、木の質感を殺さず、自然な美しい仕上がりになる。
美術工芸品のような高級銃は、最終的な仕上げ亜麻仁油で「オイル・フィニッシュ」している。

64式小銃は実戦用途なので木目が美しく光沢を持つような手入れは必要ないが、儀仗兵の小銃は、亜麻仁油で念入りに手入れされる。

儀仗兵の小銃の場合、亜麻仁油を薄く塗っては1日程武器庫などで乾燥させ、翌日また取り出して、銃把や握把に亜麻仁油を塗って、また乾燥させると言う、ステップを繰り返すと最終的に亜麻仁油の油層が積層され、とても美しい光沢を放つようになる。
速乾性のウレタン塗装剤などで仕上げ剤すると、早いが自然が醸し出す独特の美しさを得る事は出来ない。
やはり亜麻仁油で長時間かけて手入れを続ける事が、64式小銃とは言え、美術品相当の高級銃に匹敵する輝きを得る事が出来る。
繰り返すが、これは儀仗兵というか実戦には関係ない銃の話し。普通の部隊でも亜麻仁油を使ってメンテナンスするがこれは単に亜麻仁油の油膜により腐食を防ぐ為に使用する。

さて、亜麻仁油は健康に良い言う事で、楽天などで良く売れているようだ。

今、我々の食生活では、コーン油や大豆油、ベニバナ油が多用されている。これらの油はオメガ6系脂肪酸と言われる油。
これらの油を製造する際、化学溶剤で原料の中の脂肪分を溶かし出し、その後に熱する事によりつくらる。また食用油の製品寿命を延ばす為に水素を添加している。食用油に水素ガスと触媒を高圧下で強引に注入して“飽和”させている。
このような乱暴な製造方法による油が健康に良いわけがない。

化学溶剤で製造された油にはトランス脂肪酸と言われる有害物質が生まれる。このトランス脂肪酸を大量に摂取すると動脈硬化や心臓病のリスクが驚異的に高まると言われる。
アメリカの食品医薬品局(FDA)では、このような乱暴な化学的製法による油を“危険な油”と定義し、しかも表示する事をを義務付けている。

最近では日本油脂栄養学会もオメガ6のリノール酸油、即ちコーン油やベニバナ油などの過剰摂取に警告を発している。

健康の維持には必須脂肪酸が、文字通り必須だが、この必須脂肪酸のバランスが崩れている。つまりオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸のバランスが崩れていると言う。
しかも乱暴な化学製法により「危険な油」となっているトランス脂肪酸、いや「トランス死亡酸」を大量に摂取して健康を害している現状を改善しようと言う事で、今まさに亜麻仁油が注目されている。勿論「有機製法」による純粋な油。

この亜麻仁油はには「αリノレン酸」が豊富に含まれ、これが体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に転換されるという。

早速カナダ産の「亜麻仁油」購入した。
カナダは亜麻(Flax)の世界最大の産地で、特にアルバータ州の完全無農薬で育てられた亜麻は人気が高い。完全無農薬の亜麻種子をゴールデンフラックスシードと言い、低温圧縮抽出法で得られた未精製の亜麻仁油には、大さじ1杯にオメガ3脂肪酸が9200mg程含まれると言う。

これからサラダオイルには亜麻仁油を、加熱する料理の時にはエクストラバージンのオリーブオイルを使う事とする。

JEF市原 と 蘭奢待

2012年03月16日 | 日記
今日、市原市にある石油精製工場を見学させて頂いた。
その帰りの送迎バス?でJR五井駅に向かう中、JEF市原のJEFとは?と言う質問を信長と同じ名字のおじさんが発した。

この質問に答えたのは最近16歳年下の女性と入籍した気鋭の研究者。流石~

JEF市原は、正確にはジェフユナイテッド市原・千葉で、言わずと知れたJリーグに加盟するサッカーチーム。
このジェフのジェフはJEFで、Jr East(=JR東日本)と Furukawa(=古河電工)の略称からとられた言う。

へぇーっ!(みんな拍手)

さて、信長と同じ名字のおじさんや気鋭の研究者、それと私を含めた一行は、バスを降りて16:59分五井駅発、逗子行きの総武線電車に飛び乗る。

総武線の中で、我々一行はバラバラに座ることになったので、東京駅まで約1時間、さあ読書でもするべが~と言う事でポケットから、やおら内藤湖南の講談社文庫版『日本文化史研究(下)』を取り出し、「香の木所について」を読み始める。

48ページにやっぱりでた『蘭奢待』!

蘭奢待は、天下第一の名香と言われ、織田信長や明治天皇などがこの香木を削ったと言われる。
その「蘭奢待」は長さ156cm、重さ11.6kgの錐形の香原木であるが「蘭奢待」と言う名詞の中には、東大寺がそれぞれの語に含まれている、JEF的雅名だ。

実は蘭奢待の正式名称は『黄熟香』なんだとか。
『黄熟香』たる蘭奢待は、『紅沈香』と並び非常な珍重香だと言う。

JEF市原は「蘭奢待」だ。Jリーグにおいて末永く長く人々の記憶に残る芳しき戦いをしてもらいたいもの。
「蘭奢待」は時の権力者に削られようとも今にその芳しき存在感を、現代に至るまで醸し出しているではないか!



2.26事件を三菱合資会社は東京憲兵隊より早く部隊蜂起の情報を得ていた。

2012年03月11日 | 日記
三菱合資や三井合名など、所謂「財閥」は戦前、青年将校など革新運動に対して深い関心を寄せ。日頃から情報収集を欠かさなかった。

特に三井合名理事長・団琢磨が三井本館を入ろうとした瞬間、血盟団の菱沼五郎に射殺されるという事件が決定打となった。団琢磨暗殺時、菱沼は19歳。

団琢磨の暗殺は1932年だが、先年の1931年にイギリスの金本位制離脱に起因する三井銀行など財閥系による大量のドル買いにより莫大な利益を得たことが背景にある。
金本位制に依拠する日本の国策に反し、私利を優先した国賊的行為と批難された。

三井銀行のドル買い規模はのナショナルシティ銀行、住友銀行に次ぐ規模であった事から三井本家にも国賊的行為を糾弾するとして、三井本家への脅迫や三井銀行本店への乱入事件などが頻発。

これに懲りた各財閥は、国粋主義者や青年将校らの動向に関する情報収集に力を入れる事となる。

三菱合資会社も同様で、特に役員に直結する秘書室に情報収集機能を持たせ、緊急事態に迅速に対応できる連絡体制を整備した。三菱における情報担当役員は、樋口実。

参考まで樋口実は、終戦直後の1948年(昭和23年)藤村朗社長の辞任に伴い8月12日に三菱地所社長に就任した。しかし樋口の社長在任は短く翌1949年(昭和24年)4月20日に樋口実は社長を辞任。

この三菱合資会社秘書室には、警視庁丸の内署で特高主任をしていた中村喜三郎を採用した。当然特高警察との情報交換を行う事は勿論であり、陸軍の東京憲兵隊などとの連携も欠かさなかったし、三井、住友、大倉など財閥間の情報交換を密にした。

特に北一輝に池田成彬・三井合名理事長自ら金を渡していた三井とは緊密な情報交換を行った。勿論、2,26事件に係わる情報も東京憲兵隊や警視庁に渡す以前に丸の内と日本橋で話しをしていた。

中村が東京憲兵隊で連携していたのは、麹町分隊の特高課・小坂慶助軍曹。
因みに関東大震災のどさくさで大杉栄ら3名を殺害したとされる甘粕正彦大尉は、逮捕時は、東京憲兵隊渋谷分隊長兼麹町分隊長であった。

小坂軍曹は、中村から三菱本社に呼ばれ青年将校の動向について情報提供を受けた。
これは三菱が青年将校の出入りする料亭などに情報提供者を確保していた事によるもので、青年将校が良く出入りしていたのは、大森海岸の「松浅本店」、赤坂の「鳥末」、麻布龍土町の「龍土軒」などで、当時の憲兵隊ではこれらの店を常時監視下に置くことが人的リソースのから無理でブラックリストに載っている連中の尾行監視を常とした。

三菱は赤坂の料亭「鳥末」に女性の情報提供者を得ており、会合の参加者と打ち合わせ内容を速やかに丸の内に報告した。2月19日の夜。

三菱は直ちに岩崎家に通報、同時に三井にも連絡を取る。打ち合わせの内容から重臣のみならず財閥当主や関係者も襲撃対象となってなっており対応が急がれた為。

連絡を受けた三井合名の池田成彬は、北一輝に連絡を取り、青年将校らの襲撃リストから財閥関係者を外すよう要求。事実2.26事件で財閥関係者は襲撃されていない。

三菱合資会社秘書室の中村から部隊蜂起の情報を得た小坂軍曹は、直ちに麹町分隊長へ報告し、東京憲兵隊は緊急体制を敷く。

これと同時に兵務局分室(警務連絡班)、秘匿名称「ヤマ」が動き出す。
ヤマにより皇道派幹部、青年将校や、北一輝、西田など民間人も含め可能な限りの電話傍受や秘匿家宅捜査など、当時の最新鋭の技術を駆使して情報収集を行った。

NHK文化財ライブラリーに寄贈されている20枚の録音盤は「ヤマ」のもので、この録音盤を基に1979年に放送された「NHK特集:交信を傍受せよ」が作成編集され放映された。
この番組は、第6回放送文化基金賞本賞と第12回テレビ大賞優秀番組賞するなど高く評価されている。
今はNHKオンデマンドで視聴可能だ。

2.26事件は、まだ終わっていない。

3.11を経験した日本国民は、日本政府に統治能力が無い事を完全に認知した。今、北一輝の「日本改造法案大綱」の現代版が現出する危機感がある。議会制民主主義を一時停止して天皇親政による日本政治及び財政&経済の刷新を、と言うのは民衆の賛同を得うる土壌が既に存在する。

中国や韓国は、この状況を正しく認識しており、日本領土の分捕りを画策している。明治維新以降の体制ではこの事態に対応出来ない。

2.26事件の部隊蜂起情報を三菱合資が憲兵隊より前に入手した事から逸脱したが、これからの世の中の動きは興味津々である。


『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』 を読了!

2012年03月08日 | 日記
~ビートルズより、またローリングストーンズより儲けたロックバンド「グレイトフル・デッド:Grateful Dead」~

TBSラヂオの「文化系トークラジオLife」と言う番組をご存知だろうか。
毎月最終日曜日の深夜25時~28時に放送される社会評論とサブカルチャーを語る番組。

こんな深夜帯でトークがメインの番組は珍しいので、毎回寝ながら聴取している。
勿論、半分寝てるので意識朦朧で記憶も定かではないが、珍しく2月26日(日)に放送された「好き好き大嫌い★アメリカ西海岸」は、意識鮮明に全部を聞けた。
理由は面白かった、から。

特に『グレイトフル・デッド(Grateful Dead)』と言うツアー・バンドの紹介を柳瀬博一氏が語りはじめてから目が覚め、全部聞く羽目になった。

『グレイトフル・デッド』と言うバンドを不肖にして知らなかったが、早速紹介のあった『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』を購入し一読。
並行して『禁断 2.26事件』と言う切ない本を優先していた事もあり、薄い本ながら本日ようやく読了。読んで、驚いた。

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』の96ページにある「顧客関係管理(CMR)」とあるがこれはCRMの間違い(Customer Relationship Management)である事はさておき、実に示唆に富む内容だ。
以下、徒然なるままに書いてみたい。

(1)グレイトフル・デッドと言うアメリカのツアーバンドは、実はビートルズより、またローリングストーンズ、ビーチボーイズより儲けたバンド。

(2)1965年にカリフォルニア州サンフランシスコで、ジェリー・ガルシアというギターリストが結成したバンド。
音楽的にはロック、フォーク、ジャズ、ブルーグラス、カントリー、ブルース、サイケデリック・ロックなど、既存のカテゴリーを超えた、何でもありのバンドで、特に彼らのライブは長時間にわたり、ジャズにみられるような即興演奏を信条とし熱狂的ファン、所謂「デッドヘッド」を生み出した。彼ら「デッドヘッド」はバンドのツアーに同行し、巨大なコミュニティが移動するような感じだったと言う。

(3)グレイトフル・デッドのビジネスモデルは、レコードやCDを売って儲けるのではないと言う、業界の常識を無視したもの。特に驚くのが、ライブで観客が録音するのが自由であった事。わざわざ録音しやすいような場所も設けられた言うから徹底している。録音したテープはコピーしてOKだと言うのだから、尚驚く。普通ライブ音源の録音は厳禁、タブーなのは言うまでもない。

(4)彼らの名は口コミ耳コミ、それとライブでコピーされた「テーパー」とグレイトフル・デッド用語で呼ばれるテープにより広まりライブはいつも超満員。前述の如くデッドヘッズと呼ばれる熱狂的な追っかけファンが多く生まれ、ヒットチャートとはほとんど無縁の存在ながら、常にアメリカ国内のコンサートの年間収益では1、2を争うと言う希有な存在。

(5)グレイトフル・デッドは、1960年代から、自分たちの音楽を無料で開放し、録音してコピーし放題、海賊版OKと言う、将に「フリー」&「シェア」のはしり。突出したスターがいないグレイトフル・デッドは何故売れ続けたのか?
答えは、フリーな海賊版からプレミアムへアップグレードしてもらう事で利益を得る事。彼らは、過去の評判のよいライブの高音質録音版を、ファンへ直接販売すると言うプレミアム版の提供で利益をえた。つまり海賊版は、観客席で録音した音源でどうしても雑音が入ってしまう。が、当時の最新技術を駆使したグレイトフル・デッドのリマスター版にはそれがない!だから熱狂的なファンは、厳選されたリマスター版をバンドから、中間業者を介せずに直接購入する。これこそフリーミアムだ。
 
(7)フリーミアムを可能としたのは、ハイテクを駆使する事。グレイトフル・デッドのコンサートは自由奔放で長時間なライブが特徴だったが、当時の最新技術である「ウォール」と呼ばれる巨大スピーカーや、8年にわたる開発をへて導入した55台のマッキントッシュのパワーアンプにより600台以上のスピーカーを非常にクリアな音源でライブを盛り上げた。
このような高価な最新技術の導入を他に先駆けて行う事により、彼らのコンサートに行くことが大いなる楽しみとなる。
彼らのコンサートは、所謂お祭りであり Dead head が旧交を温め、情報交換をする場ともなった。

まあ、徒然なるままに書いてみたが、次回は、ロッキー・ホラーショウ現象とグレイトフル・デッドの類似性など書いてみたい。