阿部ブログ

日々思うこと

北朝鮮のサイバー部隊

2011年03月29日 | 日記
2010年11月23日、北朝鮮が黄海の南北境界水域に近い韓国の延坪島を砲撃した。
この際当然韓国軍も即座に応戦したが、この時北朝鮮の妨害工作とみられるジャミングによって韓国軍のGPSが機能しなくなった。
日本も準天頂衛星を打ち上げてGPSを補完・補正するなど精密な位置情報の提供サービスを充実させようとしているが、北朝鮮、中国、ロシアなどからのサイバー攻撃からの防御の研究も当然必要であることが識者には認識させるに十分な教訓が与えられた。特に日本は、この手の攻撃に対する脅威認識が低すぎる傾向が顕著である。

さて北朝鮮にはサイバー部隊が確実に4つは存在する。
最初は、やはり朝鮮人民軍・参謀本部隷下にある121サイバー戦闘群と110部隊。
もう一つは北朝鮮の諜報機関の下部組織である204サイバー心理戦部隊。
朝鮮労働党中央委員会調査部の第35部隊で国内のサイバー防衛部隊。

軍組織の121戦闘群は主として国内、及び日本などにある朝鮮人組織を利用して活動し、110部隊は中朝国境の朝鮮人部族エリアなどから攻撃を行う。

自衛隊もサイバー部隊を創設しているが、米国をはじめとする近隣諸国から見ると、規模一つとっても見劣りしないか?


日本の電力周波数問題

2011年03月26日 | 日記
東日本大震災以降、福島原発からの電力供給が減少した為、関東圏で電力供給を維持するための努力が続けられている。だが、電力開発黎明期の電力システムが残した遺産によって、西日本からの電力供給という手段が困難なものとなっている。

ご存知の通り西日本は60Hzの交流電源を使用しており、東日本は50Hzの交流電源を使用している。これは当時の東京電燈が50ヘルツのドイツ製発電機を使用し、片や大阪電燈は、米国標準である60ヘルツのGE社製の発電機を使用した事が淵源となっている。

この奇妙な状態が解消される事無く現在に至っているが、3.11で頼みの原発からの電力供給停止ともない、また福島第一原発の第1~第4は多分廃炉になるだろうから、今後の安定的な電力供給を行うには、周波数の異なる電力網を接続することが必要だが、それには周波数変換が必要で、この変換所では最大1ギガワットの電力しか処理できないのだ。

地震発生後、東日本の原発は福島第一原子力発電所で稼働していた3基を含め、合計11基の原子炉が停止し、東京電力と東北電力の電力生産量の9.7ギガワットの電力供給が停止した。
第二次世界大戦直後、復興にあわせて商用電源周波数を統一するという構想があったが、復興が急速に進んだことで実現がほぼ不可能になってしまったとされる。一国内に50Hz地域と60Hz地域が混在する例は極めて珍しく、地方によって厳然と周波数が違うのは日本くらいと言ってよい。

東西の周波数を統一するには、どちらか一方の発電機を総て交換しなければならない。若しくは周波数を変換する設備を組むなどが必要であるが、コストの問題もあるが、周波数を変更するには当然停電が伴う。また周波数に依存する機器の交換も必要。既に配電自動化を含め最先端の電力網を構築し運用してきた日本であるが、周波数の統一は現実的には殆ど不可能に近い。

現在の電力相互融通のための周波数変換所としては、電源開発の佐久間周波数変換所と東京電力の新信濃変電所。中部電力の東清水変電所3箇所であるが、融通可能な電力は佐久間変電所は最高30万kW、新信濃変電所60万kW、東清水変電所10万kW(現在仮運用中、設計30万kW)。これにより東日本側が 154kV、西側が275kVで連系される。
前述の通り、上記3変電所により変換できる最大電力は100万kWで東清水変電所が本運用になっても120万kWに過ぎない。

面白い例は東海道新幹線である。JR東海の東海道新幹線は、富士川以東では浜松町・綱島・西相模・沼津の4箇所で周波数変換を行っている。この変電所では東京電力から受電する50Hzを60Hzへ変換している。当然ながら新富士駅から東京駅までは50Hz。

政府電力業界共に電力周波数が違うことの問題は認識されてきたが、日本の得意技、所謂「問題先送り」により今回の重大事を招来している。

ヤトロファ・バイオ・ディーゼル燃料ビジネスの可能性

2011年03月24日 | 日記
バイオ・ディーゼル燃料(BDF)の主役にヤトロファ(もしくはジャトロファ:Jatropha)が踊りでつつあるようだ。バイオ・ディーゼル燃料を抽出できる植物としてはヤトロファの他、マイクロアルジェやカメリナなどがあるが、一時ヤトロファの実の毒性が問題化されるなどトウモロコシなど作物からのエタノール抽出などが食糧問題と絡んで一時トーンダウンしたが、ヤトロファの実にある毒性を無害化する研究がそんな中進んでいた。

シンガポールの投資会社テマセクが投資して遺伝子操作で無害化しようとしたが、GMOと同様に環境への影響が未知数である事もあり、実用化に目処が立たない状態に陥っている。その反面ヤトロファのスクリーニング、所謂、品種改良を行なう事で無害化を実現すると言う研究がインドネシアを舞台に行なわれ、ポイントセチア並みまで毒性を減少させる事が出来ている。まだ完全無毒化とはまだ行かないようだが、その目処はたった模様。

また無害化と並行してヤトロファの収量を増やす取り組み着実にその成果をあげており、今年には1ヘクタール当り3トン、最終的には1ヘクタール当り20トンの収量を得る事が可能となると言う。これだけの収穫量があればヤトロファの実か得るBDFも莫大な量となるし、搾油後の残渣を使っての発電や肥料・飼料とすることも可能となる。

これは無毒化と収量増産が実現するならば、ヤトロファの栽培から搾油、残渣の再利用、それとCDMクレジット・ビジネスなどヤトロファ・バイオマス燃料事業は大きなビジネスなる可能性が高い。

尤も、ヤトロファの実の毒性は元々問題ではなかったと言う識者もいる。風力発電でも聞いた事だが、事業者が乱立する状況は産業政策上好ましくなく、不適格事業者を淘汰し優良業者を選別する為に、毒性の問題を過大に取り上げたという事は、良く理解できる所である。

何れにせよヤトロファBDFには今後も注目する必要がありそうだ。

3.11以降の都市復興におけるスマートシティ基盤システム開発の必要性

2011年03月23日 | 日記
今盛んに喧伝されているスマートシティを実現する情報システムのアーキテクチャにはどのような要素技術が必要なのか?についてITベンダー、重電会社数社にヒアリングを行った。その結果、各社が検討しているアーキテクチャは共通している事が判明した。

ヒアリングによれば、いよいよ市民の安全・安心、快適性と利便性、及び低炭素な社会インフラを最適制御する為に、本当の意味でのユビキタス社会が現出する。つまり膨大なセンサーや多様なデバイスがインターネットに接続さる。接続されたセンシングデータは勿論の事、テキストデータや音声、画像、動画など様々な形式のデータが絶え間なく奔流の如くリアルタイムで流れる事となる。このデータストリームを瞬時に収集・分析し、必要なアクションを行なえる情報システムが必要であるが、このような大規模分散・リアルタイム処理&制御を実現するアーキテクチャをストリーム・コンピューティングと言う。

ストリーム・コンピューティングは、スマートシティと言う現実世界に生起する多彩な事象と状況の変化をリアルタイムに観測・識別し分析する事で、その事象に対する必要なアクションを起こし、様々な機器を一斉に制御しつつ、必要な情報提供や適切なサービスを必要な人と制御機器に提供することを可能にする考え方である。

このストリーム・コンピューティングを可能とすると目されているのがHadoopと呼ばれる大規模分散処理ソフトウェアである。ヒアリングした各社は全てこのHadoopをコアにしてアーキテクチャを考えている。このHadoopはオープンソースで提供され無料ながら、データストリームに対して最初に変換・フィルタリング処理を行い、意味あるイベントを抽出するためのデータ平準化を行なう。
その後、複合イベント処理(Complex Event Processing)の仕組みにより、意味のあるイベントメッセージを抽出し、この抽出されたデータに基づいてデバイスや制御装置、及び当該事象に関係する全ての担当者に状況をレポートする事を可能とするソフトウェアである。このストリーム・コンピューティングは従来のグリッド・コンピューティングにリアルタイム性を付加したものであると言えるが、データストリームの量と分析の複雑性、応答時間などに合わせて、その時々の実行環境の最適化がなされなければならない為、ストリーム・コンピューティングの実現には新たな開発手法が必須となる。

また単体のプログラムを1台のマシンでもクラスタ接続した数百台のマシンでも実行可能にしつつ、ストリーム・コンピューター群から得られるイベント情報を基に複数のプログラム群を自動的にクラスタ上に最適配置する技術が必要となるなど解決すべき課題は多いものの、3.11を経験した我が国においては被災した東北の復興に際し全ての都市をスマート化し、将来の災害への対応能力を飛躍的に向上させる事が必要である。

この為にもスマートシティ基盤システムを早期に開発・構築し、安全・安心で、持続可能な社会の形成にITベンダー&重電会社は各社の思惑を越えて協同し日本民族全体に貢献する必要がある。

みずほ銀行のシステム障害、これは深刻。。。

2011年03月22日 | 日記
みずほ銀行のシステム障害が様々報道されているが、このシステム障害は深刻である。
マスタやデータベースが障害にあってもログがあればリカバリーできる。だが、ログが無ければリカバリーは出来ない。これは道理。
ある主要なマスターがロストしている状況で、更なる勘定系の処理がなされると傷をさらに深く傷つける。
早晩、みずほ銀行の勘定系と情報系システム両方が一緒にお釈迦になるのは必然である。
このトラブルの淵源は3行統合時にある。統合時の間抜けな経営陣は万死に値する。
みずほ銀行の終わりの始まりである。

『天台本覚論』の本旨は、仏教の神道化

2011年03月21日 | 日記
最近、天台宗の秘中の秘とされる『天台本覚論』を読んだ。
この『天台本覚論』は最初、一子相伝で口伝で伝えられ、その後、切紙相承として伝えられたようだ。
ここに書かれているのは要するに仏教で一番の肝である「戒律」をなくす、つまり一切の縛り、規範を廃止すると言う、仏教の非仏教化と言うある種驚きの内容だった。
最澄は立教早々にして「戒律廃止」を宣言しているが、そもそもの『天台本覚論』は最澄に発する。
最澄は、中国に留学して本覚思想に接する機会があったのだろうが「一切衆生悉有仏性」、即ち一切の衆生は仏性を元々持っていると言う考えだが、煩悩を抱えたままでOK!とするのは、ある種、チベット仏教・ニンマ派やボン教の最古層にある考え「ゾクチェン」につながるのでは無いかと感じた。

最澄がこの有様だから弟子から、法然、親鸞、日蓮が生まれるのは理解出来る。
「南無阿弥陀仏」とか「南無妙法蓮華経」と唱えれいれば良いのだから、本来の仏教から見ると楽なものだ。
ちなみに日蓮は、伊勢神宮・外宮に100日間詣で立教祈願をしている。日蓮宗本来のご本尊様には「天照大神」の4文字があった。これ文字がないとご本尊様ではない。

最澄の戒律廃止、即ち無規範化は本覚思想を極限まで突き詰めた結果ではなく、仏教の神道化がその根本にあるではないか。
神道には教典もなければ戒律、規範は一切無い。最澄のやった事はこれだ。
これだと腹に落ちる。


柴田哲孝氏の 「異聞 大平洋戦記」

2011年03月19日 | 日記
柴田哲孝と言う作家がいる。
彼の最新著書である「異聞大平洋戦記」を浜松町の本屋で購入し電車の中で読み始めたが、その日の午後には読了した。久し振りにそのストーリーにのめりこんだ。
この本を読んで、昔からの東京大空襲に対する疑問が氷解した。

3月10日の大空襲の5日前、3月5日インドネシア産業と言う会社の社長と専務が空襲される下町に住む授業員に対し9日、もしくは10日に空襲があり火の海になるから逃げろと指示して回ったと言う。事実、本所区や浅草区に住む従業員は全員無事だったと言う。
この日は防空戦闘機も殆どB-29への攻撃命令を受けておらず、首都圏に配備された300機を超える戦闘機が迎撃に飛び立つ事も無かったと言う。
この日来襲したB-29、325機は完全な丸腰であった。全ての銃器と弾薬を外し、4人の射手もこの攻撃には搭乗せず、通常より4トン多い焼夷弾を搭載し、高度2000メートル程度で進入したと言う無謀な作戦だった。
東京大空襲を実施した第73爆撃団の指揮官らは、当然の如く猛反対した記録がのこされている。カーチス・ルメイ少将はこの抗議にこう答えたという。
「大丈夫、日本軍は攻撃してこない。安心しろ」と。

戦時でも日米両政府の間には、密なコミュニケーションが交わされ、相互調整しながら戦争を進めていた傍証をこの本は示している。
日本とドイツが戦争に負けたのは、外交&軍事の暗号が解読されていたからと言う事が喧伝されているが、それは違う。連合国と枢軸国の暗号解読能力は互角だった。暗号解読を表面に出して、視線をそらせ事実を誤認させようとしている。

「異聞 太平洋戦記」は必読だ。

アメリカ連邦政府におけるソーシャルメディアの活用

2011年03月11日 | 日記
オバマ大統領は、選挙戦においてYouTube やFacebook、Twitterなどソーシャルメディアを多用した事は有名である。政権発足直後からオバマ政権ではOpen Government政策を推進し、「透明性」「市民参加」「コラボレーション」を掲げ連邦各機関にソーシャルメディアの利用を促し、積極的に情報公開を行い国民との対話を深めつつ、国民の意見を反映させることで、より良い政策推進に資するようホワイトハウス自ら先導している。その影響もあり連邦各機関において国民とのコミュニケーションにソーシャルメディアを利用する割合は59%に上り、ブログ利用は48%、YouTubeなど動画による情報発信は40%に達する事がヒューレット・パッカード(以下HP)の調査で判明した。このHPの調査は連邦政府機関を対象に2010年に実施されたが、ソーシャルメディアなどの利活用により国民へのサービスが向上したと答えたのは33%、他の連邦機関とのコラボレーションが増えたとの回答も20%となっており、ソーシャルメディアの利用により国民との距離感を縮め、政治参加を促進する効果があるとの報告がなされている。

 また我が国でも適用できそうなソーシャルメディアの利用事例としては国土安全保障省隷下の連邦危機管理局(以下FEMA)の取り組みがある。FEMAは国民の安全に関する災害などリスク情報を通常のホームページ以外でもFacebookやTwitterなどでリアルタイムに配信している。また連邦調達庁(以下GSA)が管轄する「Challenge.gov」と言うサイトでは、社会的課題解決のための創造的・革新的なアイディアを国民から広く募集し、採用された場合には賞金も提供するという「クラウドソーシング」、若しくは「オープン・イノベーション」と呼ばれる手法を用いているが、この手法にGSAはソーシャルメディアを併用・連動させ「口コミ効果」を得ながら、より多くの参加を募ることを可能としている。このような似た取組みはソニーやGEも行なっているが、様々な企画やアイディア募集を組織内外でソーシャルメディアを併用して一般市民などから募集するなど「クラウドソーシング」にチャレンジする事も有効ではないだろうか。