阿部ブログ

日々思うこと

エルドアンによる粛軍は、スターリンの赤軍大粛清なみ…

2016年08月14日 | 雑感
エルドアン大統領は、現在、粛軍中。
NATOの中でも65万の兵力を有するトルコ軍には、陸海空軍358名の将軍がいるが、これまでに157名が解役、または逮捕拘留されている。
佐官・尉官軍クラスは、陸海空軍に32189名いるが、この内、1099名が解役されている。軍部隊ではないが、クーデターに参加した大統領警護連隊は、解体され警護業務は、現在警察が担っている。
エルドアンの粛軍をみて思い出すのは、やはりスターリンの赤軍大粛清だ。
トゥハチェフスキー元帥を含む元帥5名のうち3名、軍管区司令官15名のうち13名、軍団長85名のうち62名、師団長195名のうち110名、旅団長406名のうち220名が粛清された。高級将校の内、65%が粛清された計算になる。
今回のトルコ大粛軍の場合は、将官44%に達するが、佐官・尉官クラスは3.4%だ。
トルコ軍の弱体化が懸念されるが、佐官クラスへの影響が少ないので、目に見える影響は出ないだろう。
人材の流動化と若返りを促進するには、逆に良いかも知れない。トルコ陸軍にある24個の旅団は、准将クラスが定席だが、クーデター後は、大佐が指揮官に任命されているからだ。

しかし、クーデター後のエルドアンは、軍以外にでも自身に抵抗する警察幹部や官僚・教師などを含む公務員、約50000人が解雇したとも云われている。
解雇されない教師でも影響があり、教師2万人が新しい人材に変えられるとも云われている。

ベトナムが南シナ海に中国が実効支配する人工島を射程におさめる兵器を展開

2016年08月13日 | 雑感
中国の南シナ海での海洋進出が国際的な問題となっている中、新たに強化格納庫を人工島に建設したことが明らかにされているが、周辺諸国も手をこまねいている訳ではない。
ベトナムは、実効支配する島に、多連装ロケットなど中国が実効支配する島嶼を射程範囲に収める兵器を持ち込んでいる。偵察衛星や航空偵察で探知されないように隠蔽してある。
流石、ベトナムだ。

イラクのモスル・ダム崩壊と言う悪夢

2016年08月12日 | 雑感
ISの戦力が低下している。現在まで約45,000人の戦闘員を失っている。現状の戦闘員は、15,000人から30,000人の間と推測されているが、負け戦と資金源の枯渇などで最近はリクルートに大きな問題を生じている。
これからは、モスルとラッカの奪還を確実にする軍事作戦が行われる。

さてイラク北部のモスルには同国最大のモスル・ダムがある。
このダムは、チグリス川に設立された、崩壊寸前の巨大なダムで、まったくいつ崩壊するかわからないらしく、もし崩壊したら、一瞬にしてモスルからバグダッドに住む50万から150万人近くが死亡するとも言われている。つまり、イラク軍が必死にISISを追い出して、町を建て直そうとしているが、ダムの崩壊によって、一瞬にして、押し流されてしまう可能性があるということである。
ダムに最も近い村、ワナの住民は、「ISISも恐いが、ダムの崩壊はもっと恐ろしい。」と話している。
アメリカは、今年2月、この地域に住むアメリカ人に退去勧告を出している。このダムは、1980年、サダム・フセイン時代に作られたダムだが、地層が石膏であるため、水でダムの底が溶けることによって崩壊する可能性があるという。2006年にアメリカ軍工兵隊から「世界で最も危ないダム」と呼ばれるようになっていた。

崩壊を防ぐために、日々のメンテナンス(年間400万ドル)を必要としているのだが、2014年にISISがモスルを支配していた間、全く保守がなされていなかったことから、今はさらに危険な状態になっている。さて、どうなるか?