阿部ブログ

日々思うこと

ベライゾン(Verizon)のセキュリティ・レポート

2013年04月26日 | シリア
米国のベライゾン(Verizon) が、 "Data Breach Investigations Report" と言う報告書を発表している。

この報告書で面白い事例が書かれている。それは、米連邦航空局 (FAA : Federal Aviation Administration) 。FAAの航空管制システムをターゲットとした攻撃では、システムの制御状況や挙動、管制動作などについてモニタリングしデータ探査をしていたと言う。明らかにサイバー攻撃の準備行為であり、システムに進入してロジック爆弾を仕掛けている可能性も否定出来ない。FAAは現在、次期航空管制システム“NextGen”を開発中であり、更なるシステム全体のセキュリティ強化が急務だ。

それと攻撃元が判明している事案で、その1/3は中国であると指摘し、中国のサイバー攻撃は情報窃取が目的としている。現在、来日中のマーティン・デンプシー(Martin Dempsey)統合参謀本部議長も、中国人民解放軍の房峰輝総参謀長と会談した際に、サイバー攻撃を止めるように発言している。勿論、サイバー攻撃を行っている国としてはロシアや北朝鮮などの名前もでているが、以外なのはルーマニア。ベライゾンよれば、ルーマニアの攻撃対象は金融機関と指摘している。

さて、2011年はハクティビストの年、2012年はサイバー・スパイの年、2013年はどんな年になるのか。

マーティン・デンプシー統合参謀本部議長が来日中

2013年04月26日 | シリア
昨日、米軍統合参謀部議長 陸軍大将マーティン・E・デンプシー議長(GEN Martin E. DEMPSEY, Chairman of the Joint Chiefs of Staff) が、横田基地に到着。

デンプシー議長は、2011年10月1日付で現職に週にしているが、彼は、米中央軍の副司令官から4月1日に陸参謀総長に就任したばかりで、当時は異例な人事として話題になった。

デンプシー議長は、今月21日から中国、韓国、日本の歴訪中だが、当初は中国訪問だけの予定が、北朝鮮情勢のエスカレーションを牽制する意図もあり、韓国と日本両国も訪問する事となった。今回の中国訪問は、2000年以降で、リチャード・マイヤーズ(2004年1月)、ピーター・ペイス(2007年3月)に続く3人目となる統合参謀本部議長となった。

デンプシー議長は、22日、中国人民解放軍の房峰輝総参謀長と3時間にわたり会談し、北京市内の八一大楼で記者会見を開いた。房峰輝総参謀長は、2012年10月25日に北京軍管区司令官から現職に就任し、現在は第17代共産党中央委員会メンバーでもある。
翌23日には、国家主席 兼 中国共産党中央軍事委員会委員長の習近平氏と面会した。 24日は、国防大学と人民解放軍第4ヘリコプター連隊を訪問している。

韓国では、韓国軍トップの鄭承兆 合同参謀本部議長と韓国米軍サーマン司令官と会談。韓国訪問は初めてではなく、2011年11月11日には、休戦ライン38度線の板門店を視察している。

デンプシ議長は、本日09:30に、陸上自衛隊特別儀仗隊 第302保安中隊の栄誉礼を受け、防衛大臣を表敬・会談する。

さて次の統合参謀本部議長は誰が就任するのか?

靖国神社参拝

2013年04月25日 | シリア
靖国神社へ国会議員が参拝して中国と韓国がネガティブな反応を示しているが、海外の駐日大使や駐在武官が公式参拝をしている事は、あまり報道されていない。

公式参拝をした国は、最多のアメリカを筆頭に台湾、ドイツ、インド、ロシア、トルコ、ポーランド、ブラジル、イスラエル、インドネシア、スリランカ、タイ、ベトナム、カンボジア、パラオ、スイス、フィンランド、ルーマニア、フランス、イタリア、リトアニア、スロベニア、エジプト、チリ、オーストラリア・アルゼンチン・トンガ・ スペイン・ペルー、シンガポールなどだ。
珍しいところでは、旧朝鮮王朝の李垠皇太子と李方子皇太子妃との第2王子である李玖旧氏も平成8年11月に参拝している。

今年は、靖国神社の夜桜能を鑑賞したが、今度は「靖国神社青空骨董市」に行ってみたい。勿論、8月15日には参拝して英霊の安らかなる事を祈念し、また感謝を捧げたい。

因みに、5月の靖国神社青空骨董市は、5日、12日、19日、26日である。

シリア内戦とアレッポの石鹸、それと化学兵器使用問題

2013年04月24日 | シリア
自宅では、洗顔用&全身洗い用にアレッポの石鹸を使っている。無くなりそうになるとインターネットから購入する。買うのはシリアのアデル・ファンサ社の「エクストラ40」と言う石鹸。

エクストラ40は、オリーブ・オイル60%、ローレル(月桂冠)オイル40%で、ローレルローレルオイル40%というのは、石鹸に出来る限界の比率だそうで使用後感は、とっても爽快だ。オリーブオイルは、オレイン酸やスクワレン等の微量成分も含み人の肌の脂肪酸と良く似た組成をしているので、そりゃ爽快な筈。

アデル・ファンサ社は、数千年前からアレッポに伝わる伝統製法を踏襲しており、職人が口に含んで石鹸の味を確めながら作っており勿論、完全無添加。実は一般に売られている石鹸は、合成界面活性剤で、正しくは石鹸ではない。アレッポの石鹸は石鹸なので、安心して使える。(因みに味を確かめる事を「クッキング」と言う。)
材料となるのは、オリーブとローレル(月桂樹)のオイルだが、全てはシリアやトルコなどで自生するの実を使用して抽出する。。伝統製法を厳守しながら出来た石鹸は、ここで終わりではなく、なんと2年間熟成させてから出荷する。まるで「かめびしの醤油」みたいだが、流石、石鹸の発祥の地と言われるだけの事はある。

アレッポの石鹸の製造期間は、オリーブが収穫される12月から3月までだが、丁度この時期は、アレッポを巡る政府軍とシリア自由軍タウヒード部隊との戦闘が激しかった時期と重なり、今でも市街地への政府軍機による空爆は日常的に行われている状況だ。しかも化学兵器が使用されたともされ、中心部は廃墟と化している。アレッポには、数多くの石鹸工場があるが、多くが破壊されるなど甚大な被害を被っている。

シリア政府軍は、アレッポから撤退する際、発変電所、水道施設、ザルズル病院やアブドゥルムタッリプやセラハッディンのモスク、クネイトラ学校、メディネ市場など市民生活に直結する施設を破壊している。この荒廃しつくしたアレッポに対して、政府軍は、複数回に渡り化学兵器を使用したとされており、どうも使用されたのはサリンと神経ガスらしい。イギリス、イスラエルの情報機関が入手した写真を分析した結果だが、犠牲者の瞳孔は収縮し、口からは泡を吹いており、サリン事件の被害者と同じと言う。

シリア政府は、国連の化学兵器調査団に対して、実質的にシリア自由軍が掌握するアレッポのみの調査を許可するとしているが、化学兵器の使用問題より、シリア軍の化学兵器がヒズボラが入手する事を、イスラエルは深刻な脅威と受け止めており対応策を検討・実施している。

しかし2年にわたるアレッポでの戦闘により、アレッポの石鹸は生産量が激減しており、今後は入手が困難になるだろう。まあ、偽物の石鹸は手に入るだろうが~