阿部ブログ

日々思うこと

ロシア北方艦隊が12月に北極軍の隷下となり、ロシア北極軍が本格的な活動を開始する

2014年11月27日 | 雑感
ロシア軍の編制に変更がある。プーチン大統領の直々の命令で、現在西部軍管区所属の北方艦隊が、12月1日付で北極軍司令部に移管される。ロシアは、北極軍を新編・強化して、北極圏での国境線拡大と資源・エネルギー権益を確実なるものとする意向だ。

ロシアの北極域での防衛力強化 ~ロシア北極軍~
北極圏にロシア北極軍が常駐し防衛力を強化
北極海におけるロシア海軍の動向と原子力発電プラント船&原子力機関車

今年2014年3月には、第98空挺師団が、北極圏に付近に漂う流氷にパラシュートする訓練降下を実施している。この訓練降下で使われたのは北極圏での使用を見据えて開発された新型パラシュートАрбалет-2。-35℃でも開傘可能。
また2014年9月6日にセベルモルスク港を出向した6隻の北方艦隊の船団がノヴォシビルスク諸島(New Siberian Islands;1993年に閉鎖)に到着し基地の再建作業に従事している。この船団は上陸用艦艇と補給艦、2隻の砕氷船で構成されている。前年の9月にも10隻の艦隊が派遣され基地再開の努力が為されている。New Siberian Islands基地は恒久基地となり北極軍所属の部隊が駐屯する。
因みにフランス政府が引渡しを無期延期しているヘリ空母ミストラル級1番艦ウラジオストク(2013年10月進水)と2番艦セヴァストーポリ(2014年11月20日進水)は、太平洋艦隊の拠点ウラジオストクに配備される計画だが、このミストラル級ヘリ空母は、北極圏での航行が可能な艦船として設計されている事は、案外と知られていない。

ロシアの北極圏における活動が着実に本格化する中、米軍の対応は本気で北極圏での軍事作戦を考えていないように見える。
しかし、「北極ロードマップ(U.S. Navy Arctic Roadmap 2014-2030)」は今年の2月24日に公表している。今回のロードマップは2009年の改訂版で、米海軍気候変動任務部隊(U.S. Navy Climate Change Task Force)が改訂作業を実施。ロードマップは2014年から2030年までとそれ以降を3期に分けて記載している。現在から2020年までの短期、2020年から2030年までの中期、そして2030年以降の長期である。
北極ロードマップは、北極圏の気象予測と米海軍の行動目標を示している。短期では、北極圏の海氷の溶解が進み、北極圏航路の利用可能期間が長くなり、ベーリング海峡でも年間最大160日間がOpen Waterとなり、35~45日間がShoulder Seasonとなる。ベーリング海峡からカナダ北方圏を通過して大西洋に抜ける北西航路のOpen Waterも最大30日間、Shoulder Seasonが最大45日間となる。海軍の活動は当然Open Waterの時期に限定される。原子力潜水艦や航空戦力は展開可能だが、本格的な陸軍と海上艦艇の展開進出は特に厳冬期には難しい。しかし、海軍は、2020年までに北極圏での訓練要員の増強を行うとしており、ロシアの北極軍に対抗しようとしている。
2020年から2030年までの中期には、2025年までにベーリング海峡のOpen Waterが年間最大175日間、Shoulder Seasonが50~60日間。2030年までにOpen Waterが190日間に、Shoulder Seasonが最大70日間に増えるとしている。2030年以降の長期には、更に北極圏での通航可能期間が増え、船舶の通航は大幅に増えると予測している。しかし、ロシアの研究者は北極圏の解氷状態は長く続かず、2020年には寒冷期に入ると予測している。北極圏やツンドラ地帯の氷を分析した結果なので、正確性が高いと考えている。
北極圏の海氷が今後も溶け続けるのか、また凍り始めるのかは、さておき北極圏での勢力圏を拡大する動きが見えるので、今後も注意が必要だ。

インドのNational Maritime Domain Awareness (NMDA) プロジェクト

2014年11月25日 | 雑感

インドが海洋監視システムの構築を本格的に開始する。National Maritime Domain Awareness (NMDA) プロジェクト。インド洋沿岸の海軍基地、コーストガード基地31箇所を National Command Control Communication Intelligence (NC3I) ネットワークで連結し、Gurgaonにある Information Management and Analysis Centre (IMAC) に情報を集約し分析評価する。勿論、アンダマン=ニコバル諸島のポートブレアも含まれる。インド洋とベンガル湾の監視と迅速な対処を確実にするためにも、新明和のUS-2飛行艇が欲しくなるのは首肯。
インドのNational Maritime Domain Awareness (NMDA) プロジェクトは、インド洋&ベンガル湾だけではなく、アフリカ東海岸からマラッカ海峡までを巡る24ヶ国と情報連携を行う構想。但しパキスタンは敵性国家なので当然含まれない。

着々と海軍力と沿岸防衛監視能力を強化するインド
インドの衛星測位システム「IRNSS」と海洋監視能力向上、それと新明和US-2飛行艇

「話そーにゃ名古屋ことば」自動販売機

2014年11月23日 | 雑感
名古屋城内で、名古屋開府400年を記念してキリンビバレッジが企画した「話そーにゃ名古屋ことば」自販機を発見。
なんでもボタンを押すと河村たかし名古屋市長の声で、「話そみゃー、名古屋ことば!(話そう、名古屋ことば)」にはじまり、「名古屋きゃーふ(開府)400年!」とか「まーいっぺん来てちょーよ(もう1度来てね)」とか「今日もがんばってちょうでゃあよ!(今日もがんばってね)」、「さがそみゃー!みゃーぞうきん!(探そう!埋蔵金!)」、「どえらけにゃあうれしいぎゃあ!(すごくうれしいな!)」など12種類の名古屋弁のせりふが流れるんだそうだ~
          

米中経済・安全保障評議会が年次報告書(2014)を発表~中国の核戦力の脅威~

2014年11月22日 | 雑感

米中経済・安全保障評議会(U.S.-China Economic and Security Review Commission年次報告書(2014)を発表。611ページあるので読むのは大変だ。
この報告書のための調査は、公開/非公開資料の分析だけでなく、米国連邦議員、大学やシンクタンクなど60人以上にヒアリングを実施している。また調査員を韓国やオーストラリアに派遣し、意見聴取している。
報告書の構成は、下記の通り。

 Executive Summary
 Comprehensive List of Recommendations
 Chapters:
 Chapter 1 U.S.-China Economic and Trade Relations
 Chapter 1; Section 1 Year in Review - Economics and Trade
 Chapter 1; Section 2 U.S.-China Bilateral Trade and Economic Challenges
 Chapter 1; Section 3 China's Health Care Industry, Drug Safety, and Market Access for U.S. Medical Goods and Services
 Chapter 1 Section 4 U.S.-China Clean Energy Cooperation
 Chapter 2 Military and Security Issues Involving China
 Chapter 2; Section 1 Year in Review Security and Foreign Affairs
 Chapter 2; Section 2 China’s Military Modernization
 Chapter 2; Section 3 China’s Domestic Stability
 Chapter 3 China and the World
 Chapter 3; Section 1 China and Asia’s Evolving Security Architecture
 Chapter 3; Section 2 Recent Developments in China’s Relationship with North Korea
 Chapter 3; Section 3 Taiwan
 Chapter 3; Section 4 Hong Kong

この報告書で注目すべきは、中国の核戦力の脅威が増大するとの指摘だ。特に日本に対する核抑止、所謂「核の傘」が脆弱性を増すとのコメントには留意が必要。国内にある米軍基地が第二列島線以東に戦力を移す可能性がある。報告書は、今後10年以内に西太平洋地域の米軍基地が脅威を受けるとし、今後5年間に中国は、地上発射、海上・海中からの核投射能力を多角し、更なる多様な軍事及び外交オプションを手にする。これは、米軍の核抑止能力を弱め、特に日本に関して影響を与える可能性がある、と書いている。

中国の戦略原子力潜水艦(SSBN)の能力も強化される。現在Jin級SSBNが3隻就役しているが、2020年までに2隻のJin級SSBNが加わり5隻体制となる。このJin級にはSLBM JL-2×12基(8200km)が搭載される。ハワイ西部海域から発射すると米国本土が射程内におさまる。報告書にはロサンゼルスが攻撃された際の図が掲載されているが、Jin級が米潜水艦や海上自衛隊の潜水艦隊の追跡・監視から逃れられるとは、現状では考えにくい。

中国共産党海軍は、勢力伸張中なれど今だ3流海軍だ。しかし、中国本土の核戦力は大きな懸念材料だ。DF-31は、DF-31Aとなって射程距離が12500kmとなり、既に米国本土を射程内に収めている。また2015年に配備が予期されるとされるDF-41は、更に1000km射程距離が伸び13400kmとなり完全に米本土を被覆する。しかもMIRVで弾頭が10発なので、前述したロサンゼルスを攻撃した際に、市内全域での生存率はゼロであるとしているのはある種当然だ。複数のMIRVをBMDで防ぐのは不可能。

一番の懸念材料は、サイバー戦と情報/監視/偵察(intelligence, surveillance, reconnaissance)能力の強化かもしれない。中国は、軌道上にある衛星を破壊できる能力を獲得している。米軍の軍事行動は、全て通信衛星と31基のGPS衛星に完全に頼っている。米空軍はGPSジャマーにかなり敏感になっている。GPSの電波は典型的な微弱電波で、妨害したり、欺瞞するのは赤子の手をひねるのも同じ。中国は、この宇宙インフラを先制攻撃で破壊することを目論んでいると考えられている。また着々と中国版GPSである「北斗」システムを構築中で、既に北東アジアは北斗によってカバーされており、日本は中国の巡航ミサイルによる精密攻撃を受ける脅威下にある。例えば、日本の海上戦力を無力化するには海上自衛隊の基地を多数の巡航ミサイルで攻撃すればよい。佐世保、呉、横須賀。特に呉の潜水艦基地が破壊されると魚雷の補給もままならなくなる。自衛隊で一番重要な攻撃戦力は潜水艦だろう。
日本は防衛戦略から国防戦略に転換し、韓国の戦術ミサイル、中国の核戦力と莫大な数の巡航ミサイルから防御する戦略に転換する必要がある。中国の巡航ミサイルの弾頭の一部は通常型ではない。

2002年から2014年まで報告書を出し続けている米中経済・安全保障評議会だが、これら報告書の分析内容の推移を見てみるのも面白いかもしれない。

トヨタ自動車の技術本館 と 『豊田城』?

2014年11月20日 | 雑感
トヨタ自動車の技術本館にお邪魔した。
            
解説文にはこう書いてある。
『1953年1月に自動車の総合研究施設としてトヨタ・テクニカル・センター【技術本館】の建設を決定。同年11月下旬着工し、1954年10月竣工しました。この技術本館は、鉄筋コンクリート造りの2階建て1棟で、延べ1487坪となっており、南北両面をガラス張りとし、天井高を一般より高く、1階5.6m、2階4.7mとした当時としては近代的な建築でありました。
建屋内には、設計室、デザイン室、図書室、青写真室、講堂をはじめ、最新の設備をもつ化学試験室、物理試験室、エンジン実験室、自動車実験室などを備えていた。
以来、解体まで、トヨタ技術の中枢として長年活躍し、2003年11月に新技術本館竣工後、2004年9月に解体しました。
左の【TOYOTA TECHNICAL CENTER】は、旧技術本館に使用していたもので、記念碑として残すこととしました。』

帰りのタクシーで豊田城?を発見。
    
タクシーの女性運転の方曰く「あれは蟹屋さんよ~」との事。その名も「札幌かに本店 豊田城店」。実は名鉄・土橋駅から乗ったタクシーと同じ運転手さんだ。なんと言う偶然か・・・。
我々は土橋駅ではなく、名鉄・豊田市駅に向かった。

安土城天主閣を模した岡山城

2014年11月19日 | 雑感
                                                                                                                                                                                                                                                       

鎌倉の茶近のろくでなし猫

2014年11月18日 | 雑感
ろくでなし猫
一攫千金 棚からぼたもち
魚も獲らない 鼠も追わない
争い好まぬ 平和猫
黙って座れば 人を呼ぶ
にゃお~と叫べば愛を呼ぶ
頭を撫でれば ツキを呼ぶ
今日を生きている 自由猫
おらいは猫
鎌倉 茶近のろくでなし猫
            

米国の対シリア政策変更とイスラム国が独自通貨を発行

2014年11月13日 | 雑感
米国の対シリア政策が変更される。
ダーイシュ(لدولة الإسلامية)、所謂イスラム国への対処を優先するため。
下手にアサド政権を打倒すると、更にイスラム国の勢力圏が拡大する可能性が高いとの判断。
シリア軍は、ハサカ市南方でダーイシュと交戦し拠点を破壊。

米軍の空爆で死亡したとの情報が流れたダーイシュのカリフ、アブー・バクル・バグダーディー氏の肉声音声をダーイシュ広報省が公表している。声明では最後の一兵になっても戦い続ける宣言、内容から彼が生存しているのは確実。
また、ダーイシュの財務省は、支配地域で独自通貨を発行流通させるとしている。

エジプトの原子力発電所建設~4度目のチャレンジ~

2014年11月08日 | 雑感

9月4日朝から、カイロ地域全体で大規模停電が発生した。4時間程度の停電と報道する向きもあるが、一部では5日まで停電が続いた。原因は、電力網に対する投資不足。即ち送電網・配電網・変電所に対する投資と保守不足である。発送電分離が主張される日本だが、本当に分離されれば、エジプトの停電は他人事ではなくなるだろう。送電会社は、保守費用を削減し、新たな研究開発投資は行わない。発電と送電を分離すればシステムとして機能しなくなるリスクが飛躍的に高まることが理解出来ない~電力は今は社会の重要インフラで、これをビジネスネタにするなど言語道断。これでは一般市民が不便を強いられるだろう。とは言うものの、電力会社の体質も問題だ・・・

さて2014年6月8日に就任したスィースィー大統領は、財政赤字の改善を全面に打ち出し、増税とエネルギー補助金を削減している。暫定政権から新政権への以降に伴い2014年度(2014年7月~翌年6月)の予算案が見直され、修正予算においては、財政赤字はGDP比10%に設定された。特に歳出は2.2%削られ、最大の削減をくらったのは、支出の約20%を占めていたエネルギー補助金だ。前年度予算と比較して約25%の大幅削減となっている。
財政収支を改善する政策として、スエズ運河拡張計画があるが、これ以外で巨額の費用が掛かるプロジェクトが、エジプト発の原子力発電プラント建設。暫定政権時の戦勝記念日(10/6)にも当時の大統領が原子力発電所建設に言及しているが、新政権発足後の7月21日、エジプトは2014年末までに、原子力発電所プラント建設の競争入札を実施する予定と発表。出力は100~200万kW。

問題は、イスラエル。原子力発電所の建設は核武装へ1歩踏み出すこととなる為、核武装国イスラエルはこれを許容しない。実際にエジプトの過去3回の原子力発電所建設プロジェクトは頓挫している。
エジプトの原子力における取り組みは、ナセルの革命直後の1955年にはスタート。当時のソビエトとの間で核平和利用協定が結ばれ、1956年には2メガワットの実験炉建設契約を締結。翌年の1957年にはエジプト原子力庁が正式に発足し、エジプトはIAEAに加盟。実験炉は1961年に稼働している。
その後、エジプト最初の商用原子力発電所(150MW)となる国際入札を1964年に発表し準備を進めていたが、1967年のヨムキプール戦争でイスラエルに敗退した事からプロジェクトは破棄。これが第一の挫折。
1974年に、エジプトと米国との間で600MW級の原子力発電所プラントの建設で合意したが、ニクソンから原子力に渋いカーター大統領に代わり、米国による原子炉査察要求が出てきて、エジプトは主権侵害としてプロジェクトを破棄。第二の頓挫。そして1975年から1980年にかけてエジプトの原子力開発に脅威を抱いたイスラエルにより、エジプト原子力科学者4名が暗殺されている。1名は米国で、2名はパリで暗殺され、暗殺者等は不明のまま。もう1名はベルギーで行方不明になっている。因みに核開発を進めたイランでも核物理学者が暗殺されるている。2010年には爆弾テロで、マスード・アリ=モハマディら2人が死亡、フェレイドゥーン・アッバースィーらも負傷。2011年には核物理を学ぶ大学生が射殺され、2012年1月11日、オートバイに乗った犯人グループ2人がアフマディ・ロシャンが乗っていた車の下に磁石式の爆弾を仕掛け、同乗していたボディーガードと共に爆殺されている。ロシャンは、ナタンツ・ウラン濃縮施設部長。暗殺はモサドとMI6が実施。
第三の頓挫は、1983年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故。900MWに達する巨大原子力発電プラント建設プロジェクトは、反原発の流れに消えてなくなった。

エジプト初の原子力発電所は、マルサマトルーフの近くのアル・ダバ(al dabah)に建設される計画。日本の情報機関「日本貿易振興機構」(JETRO)のエジプト・インフラマップ(2011年)ではNo.34にエル・ダバ原子力発電所との記載があるが、この地に建設される予定。

エジプトの4回目となる原発建設の試みは果たして成功するだろうか?

米軍の電子戦能力喪失問題~ステルスもイージスも無効力化される~

2014年11月03日 | 雑感
米軍の電子戦能力の喪失がようやく顕在化している。
2014年4月12日、黒海を遊弋していた米海軍アーレイ・バーク級ドナルド・クック駆逐艦(Arleigh Burke-class guided-missile destroyer USS Donald Cook:DDG-75)に対しロシア空軍の戦闘機スホイSU-24フェンサー1機がUSSドナルド・クックから1,000ヤード地点を高度500フィートと言う低空飛行を繰り返した。スホイは、イージスシステムを無力化する電子戦攻撃を実施。ドナルド・クックが搭載するイージスシステムはベースライン5。この電子戦攻撃でイージスの一部のシステムが作動しなかった。空域にいた2機のフェンサーはイージムシステムへの電子戦攻撃機の掩護を行った。電子戦攻撃機はクックの上空を12回飛行した。
ロシアは旧ソビエト時代から電子戦能力の向上には並々ならぬ努力を継続しており、イージスシステムへの攻撃はその集大成の観がある。しかし、スピン場、またはトーション場とも言うが、アインシュタインの理論では無視されたエーテルを再認識させる知られざる物理法則に基づく兵器開発も進めている。スピン場では光速を越える事が可能。
マックスウェルのオリジナルの方程式の復権

イージスだけではない。ステルスも無効化される。
米軍の通信システムは、既存の周波数帯に大きく依存したままだが、ロシアや中国など対米勢力は、高周波数帯(Cバンド、Xバンド、Kuバンド)と低周波数帯(Sバンド、Lバンド)へ移行し帯域幅が広がっており、米軍の電子戦部隊はその対応に遅れとっている状況。
ステルス技術は所詮、レーダーで探知されるのを遅らせる技術にすぎない。ロシアや中国の地対空ミサイル用レーダーは、低周波数帯を採用しており、米空軍のステルス効果は明らかに減っている。VHFを使う早期警戒レーダーでは明らかにステルス性は低下する。それにステルスはレーダーに探知されにくいと言うだけで物理的に見えなくなっているわけではない。そこで、防空システムに直結する高精度の赤外線探知追跡システムが登場している。しかしSバンドやLバンドなどの低周波レーダーでは、兵器を誘導出来ないと指摘があるが、それは間違いだ。イージスシステムの要となるSPY-1レーダーや次世代対空・対ミサイル防衛レーダー(AMDR)は、Sバンドでも作動する設計であり、兵器を精確に誘導すること可能なのだから。

そんな中、中国が対ステルスレーダーを開発したとしている。DWL002レーダーだが、探知能力は戦闘機で400キロメートル、早期警戒機では600キロメートル。実は中国のDWL002レーダーの原型は、チェコの電子機器メーカーElectronic Reality Associates (ERA)社のVERA-Eレーダー。このレーダーは陸海空において探知・識別・位置標定可能なパッシブ監視レーダー(Passive Surveillance System)で、受信した信号のタイムラグを調べることで、陸・海・空レーダーの種別と、ジャミング波なのか、また二次レーダーやIFFなのか、TACANやDMEといった航法波なのか、はたまたデータリンクなどパルス発信波なのかを瞬時に処理できる優れもの。またこのVERA-Eレーダーは、防空レーダーとして使用可能で米軍がセルビア爆撃を実施した際にF-11を撃墜した事は有名だ。

米軍のステルスやイージスの技術的優位が喪失した事を、米国防総省のアラン・シャファー(Alan Shaffer)も認めている。シャファーは、高性能装備を配備しても低価格デジタルジャマーで対抗されたら対応するのは大変だと発言している。この発言は極めて率直だ。米軍は、電磁スペクトルで優位性を取り戻す必要があるが、航空自衛隊も導入を決めているF-35においても、電磁スペクトラムに配慮しないとステルス性を喪失する可能性がある。米軍の電磁スペクトラムの優位性が揺らいでいる原因の一つに、米国連邦通信委員会(FCC)が、周波数帯の大部分を民間等に売却してしまったことにもある。所謂、周波数オークション制度だが、この周波数売却で米軍が利用できる帯域が限定される由々しき事態に陥っている。世界の動向としては、低周波数帯、若しくは高周波数帯へ移行し利用出来る帯域幅が広がっており周波数を機動的に運用出来る状況になっている。このような中、10月10日、最新鋭の早期警戒機E-2Dが初期運用態勢(Initial Operational Capability)に入った。E-2Dは、UHF周波数帯レーダーを装備しておりステルス機の探知追尾能力があるとされる。今後の電子戦能力の向上に注目する必要がある。
米軍の電子戦能力の喪失の例としては、下記の過去ブログをご参照下さい。

※過去ブログ:「イランのステルス RQ-170 捕獲 と GPSジャマーの脅威

最後に、GPSの脆弱さが気になるので少しだけ言及する。米軍は、通信衛星とGPSに完全に依存しており、ロシアや中国の地上発射型衛星破壊ミサイルの脅威を排除できていない。特にGPSの電波は、典型的な微弱電波であり、妨害するのはワケない事だ。GPSのジャマーは秋葉原で18,000円程度で購入できる。DARPAは現在、衛星を使わないGPSの開発を進めているが、部隊配備までは、まだまだ時間がかかる。目先、GPSジャマーへの対応が必須だ。
米軍はGPSジャマーへ極めてセンシティブになっており、日本の宇宙研究開発機構(JAXA)が開発した屋内測位技術IMES(Indoor MEssaging System)に付与しているPRNコード(GPS衛星の識別コード)10セット(173~182)について、2017年に予定されているPRNコードの更新を許可しない可能性がある。米軍は活動領域がアウトドアなので屋内や地下街の位置測位には関心が薄いが、日本、特に都市部では屋内測位は重要だ。人間の生活の85%は屋内での活動だし、複雑怪奇な地下街での防災などを考えると、IMESのような国土地理院の場所情報コードと紐づいている屋内測位情報は、今後整備するべき社会インフラの一つである。

日本橋の福徳神社参拝 と 奥井海生堂

2014年11月02日 | 雑感
日本橋に福徳神社がある。目出度い名前の神社だが「さまよえる神社」でもある。紆余曲折を経てリニューアルされたので参拝しに行った。福徳神社の主祭神は、倉稲魂命。その他、天穂日命、大己貴命、少名彦命、事代主命、三穂津媛命。それと太田道灌、弁財天、徳川家康(東照大権現)。
今の福徳神社がある場所は、江戸時代には浮世小路(うきよしょうじ)と呼ばれ有名な高級料亭「百川」があった所。江戸幕府は、嘉永7年(1854)2月10日の日米和親条約の初交渉の際、ペリー一行を本膳料理で饗応した。この本膳料理は、百川茂右衛門が仕出しした。当時のお金で2000両と言う。百川は明治元年に廃業となっている。
         
畏れ多いので、正面からは撮影はしない。敷地にある『福徳神社由緒』にはこう書かれている。
   
「当社伝来の稲荷森塚碑文によれば九世紀後半、当地は福徳村と呼ばれ、穀物・食物を司る稲荷神が鎮守の森に懐かれて鎮座していた。
福徳村の稲荷は往古より、源義家、太田道潅ら武将の尊崇を受け、ことに最初の江戸城を築いた道潅との縁は深く、彼の神霊は当社に合祀されている。徳川家康は天正十八年江戸入部直後に当社を参詣、二代将軍秀忠も慶長十九年に参詣し、「福徳とはめでたい神号だ」と賞賛し、また当時の福徳稲荷の門の皮付き鳥居(黒木鳥居)から春の若芽が生えているのを見て「芽吹稲荷」の名を与えた。秀忠は江戸城内の弁天財を合祀し、社地を三百三十坪と公定するなど当社を篤く尊崇した事跡が伝わっている。
その後、江戸の町の発展と度重なる火災や社家の事情などにより境内地をほとんど失い、一時は消滅の危機に瀕した。それでも氏子有志が福徳神社の祭祀を継承してきた結果、平成二十六年秋、日本橋地域諸氏の尽力により往事の姿を彷彿とさせる境内・社殿が再興されることとなった。」

この福徳神社由緒碑を記念碑を寄贈したのは、
 東京日本橋ロータリークラブ
 東京日本橋東ロータリークラブ
 東京日本橋西ロータリークラブ
 東京シティ日本橋ロータリークラブ
          
説明板には↓
『当社の創祀された時は明らかではないが、当社に伝わる略記によると、貞観年間(清和天皇・八五九~八七六年)には既に鎮座していたようである。
当社は武蔵野の村落である福徳村の稲荷神社として祀られ、その地名をとって社号とした。
その鎮座する社地は広く、社殿も広壮にして社の四隣は森林、或いは田畑に囲まれ、農家が散在する片田舎であった。土地の人は神社の森を稲荷の森、その森の一端に建てられていた里程標(石造一里塚)を稲荷の一里塚と言っていた。後に明暦三年酉年(一六五七)正月八日の大地震により崩壊し碑石散乱したのを時の人々が残存した破片を集め保存を計ったと伝えられる。
その碑銘の写しをここに掲げてみると

表 宮戸川邊り宇賀の池上に
  立る一里塚より此福徳村
  稲荷森塚迄一理

裏 貞観元年卯年
  三つき吉祥日

とあって、そもそも当社は、元来武将の信仰があつく、源義家朝臣(みなもとのよしいえあそん・一〇三九~一一〇六年)が深く崇敬されていたことが記されていたと伝わっている。江戸幕府以前には太田道灌公を合祀し、その兜・矢・鏃などが奉納されたと伝わっています。徳川家康公入府し、天正十八年(一五九〇)八月・初めて参詣しその後参詣は数度に及び、更に、二代将軍秀忠公は慶長十九年(一六一四)正月八日に参詣し「福徳とはまことにめでたい神号である」と称賛した。この時、当社の古例の椚の皮付きの鳥居に春の若芽の萌え出でたのを御覧になり、神社の又の名を「芽吹神社」とつけられた。元和五年(一六一九)二月に御城内の弁天宮を当神社に合祀するにあたり将軍自ら神霊を納められ、大和錦の幌を奉納され、更に「社地縄張を三百三十坪」と定められた。
福徳神社社務所
〒103-0023 東京都中央区日本橋室町2-4-14 電話03-3276-3550』
取材している人~
   
福徳神社の参拝を終えて帰ろうかと地下鉄に向かって歩いていると、ナント「奥井海生堂」があるではないか、激写。
        
奥井海生堂は、永平寺の御用昆布所であり、京都の料亭に北海道の利尻・礼文の昆布を納めている。奥井海生堂が有名なのは、礼文の香深浜産の昆布を1年から3年程寝かせた「蔵囲昆布」。一番古い昆布は平成元年産で既に26年経っている。蔵囲昆布の中でもグレートヴィンテージといわれるのが、平成3年産の香深浜昆布だと言う。一度出汁をとって食してみたいものだ。ワインも昆布も熟成がキーだな。

※過去ブログ:「むしろで長期保存する、超絶「利尻こんぶ
       「むしろ麹でつくる、徳島・かねさ味噌本舗の絶品お味噌
       「醤油は 「かめびし」 が最高!」 

中国が尖閣を奪取を指向するならば、日本は核武装、自主防衛体制に移行

2014年11月02日 | 雑感
中国共産党と言うグローバリストが支配する中国が、米国にほだされて尖閣を奪取を指向するならば、日本は核武装する。
海中から抽出されたウランは重水素を吸蔵。小型核爆弾を実戦配備する。
潜在的核武装国として六ヶ所の再処理施設を運用する必要はなし。
現在のハード重視の防衛体制は速やかに転換してA2ADへの対抗する国防戦略へ転換。