フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

言語管理研究会 第2回 年次研究発表会

2008-03-08 23:58:50 | research
春の陽気の今日は、千葉大で年次研究発表会を開催しました。

3名の発表は3者3様のテーマのおもしろさが目立ちました。高齢者の言語学習、電子メール交換、そして人称詞の管理というものです。研究としてはまだ始まったばかりという印象でしたが、多くのフィードバックがあって研究を推進する力になったのではないでしょうか。

 後半は規範の動態性という問題について東海大の加藤さんにお願いして博論の抜粋を話してもらい、その後、ディスカッションとなりました。規範が流動的であることはすでに昨年も研究会やシンポジウムで何度も指摘されていますが、体系的に規範をまとめたところが評価されるのだと思います。

個人的には規範研究は、場面と結びつけて、そこでの特定の言語現象に対する当事者の解釈と行為の規範を捉えようとするか、それとも特定の相互行為に対する解釈と行為の規範を捉えようとするかの、どちらかでなければならないと思っています。そうしなければ、価値研究と同じように思考の中にしか考察の基盤がなくなってしまう恐れがある。

規範はそれ自体「在る」ものとして扱うわけにはいかず、つねに言語や相互行為「に対する規範」としてあるだけであり、規範を直接に対象とすることが出来ないのです。直接に扱おうとした途端に規範は実体化され、まことしやかなものとなってしまうように思います。

5時過ぎに終了して後かたづけをしたあと、近くのインドカレーのレストランで打ち上げをしました。上智ーモナシュ卒の3人の新しい仲間が来てくれて、研究会にもちょっと都会派の風が吹いていました。

参加下さった皆様、ありがとうございました。
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