フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

第18回言語管理研究会あるいはオリオンの星の下

2008-12-20 23:49:14 | research
今日は今年度2回目の研究会を千葉大で開催。午後は学部3年生の卒論題目発表会、その後、6時まで延々と会議。

暗くなった西の空には金星が輝く。東にはオリオンが昇りはじめたところ。オリオンは何か懐かしい記憶を刺激してくれるが、それが具体的に何の記憶なのかまでは呼び覚ましてくれない。木曜日は、中井貴一と尾形拳の「風のガーデン」最終で、今日は「家族が語るターシャの最後の日々」だった。美しい花のガーデン、庭。「まずは庭を耕そうと思います」と言ったのは、天災や戦争の中を生き延びたカンディードだったっけ?ディドロを書棚から探してみよう。

さて、研究会は、前回の続きで「文献に見る接触場面の現在2」ということで、ヨーロッパ、韓国、日本の接触場面と文献紹介を行った。ぼくが興味深いと思ったのは、ヨーロッパではヨーロッパ人を規定することが難しく、韓国では単言語社会とディアスポラが裏腹の関係にあり、日本では日本人と外国人の境が問題になっているというところ。つまり、こうした指摘には共通してNS-NNSの二項対立に対する強い反証が見られるのだ。そしてぼくはそういった接触場面から見られる問題群に、社会内のマイノリティや多様なヴォイスも含めるにはどうしたらよいかと課題を挙げてみた。考えていることが少しはあるが、ここではまだ書かない。それはきっと、データによって、鍛えなければならないから。

と、ここで今年も終了ならいいのだけど、年末までまだまだ仕事が続く。オリオンでも眺めて心を温めよう。
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