フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

オルガ・トカルチュク 小椋彩訳『昼の家、夜の家』白水社

2011-02-16 23:48:38 | my library
雨が降ったり雪が積もったりする冬の終わりに入りかけた2月2週目、大学院の前期課程の入学試験、学部の卒論発表会、などようやく終わり、あとは成績付けを残すばかり。めずらしく残り2月は校務がほとんど入っていない。

風邪っぽく少しモウロウとしたけど、古い風邪薬やレモンティーなどを飲んで何とか持ち直したようだ。

今日は書店で『文藝春秋』を見つけて購入。例の二人セットで売り出すことになった芥川賞作品2作が載っているもの。どちらも1頁読んでみたけれど、残念ながら退屈。というかきっとどこにも突き抜けていかないのだろうと思ってしまい、芥川賞ってこんな感じだったのかなと思ってしまう。そういえば、『文藝春秋』もずいぶん下世話なのに驚いた。

現在、読書中なのは、これも書店で表紙が気に入って買った、ポーランドの作家、オルガ・トカルチュクの『昼の家、夜の家』(2010年10月 白水社。原書は1998年出版)。

ポーランドとチェコの国境地域のノヴァ・ルダという町の人びとやその土地に関する掌編が散りばめられている小説で、なんとも不思議な作品。ストーリーを壊したことが効いているのか、上であげた芥川賞2作品とはちがって、まったく予測の出来ない文章が続いていく。言い換えると、物語に還元されたり、フィルターをかけられることのない、登場人物の独自な生活や習慣や感じ方が透明な視点からかたられていく。そんな感じだ。まだ始まったばかりだが、さて、どんなふうに進展していくのか、こちらもまったく予想も出来ない。久しぶりの現代(post-modern)小説である。
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