Adam's Apple / Wayne Shorter (Blue Note BST84232)
60年台後半から、テナーサックスシーンを強烈に引っ張っていた一人にウェイン・ショーターがいますよね。この、エレクトリック、ジャズロック、ボッサなど混沌とするジャズシーンを見ると常にこの時代のメインストリーマーたる活躍をしたプレイヤーですね。60年代前半はショーターはジャズメッセンジャーズの音楽監督であったし、その後はマイルスバンドでも重要なポジションについた訳ですから才能は早くから折り紙つきであったのでしょうね。勿論、この時代に神への昇華を果たしたコルトレーン、ベテランサックス奏者の散発的回帰行動による好アルバムが出たこともありますが、常にこのシーンの中心に居続けたテナー奏者(リードプレイヤー)であったことは間違いない事実です。とはいえ、自分のようなタコ耳、センスレスなジャズファンには今ひとつピンとこない印象があるのも事実です。自分はウェザーレポートをあまり聴いたことがないですし、ブルーノート盤までで無理矢理理解しようとしているのが原因かもしれません。まあ、何はともあれあまり得意とするプレイヤーではないと思います。
さて、本年最初のアップはショーターのBN時代の完成型とも言える第5作"Adam's Apple"です。1966年の録音です。この時期はマイルスバンドのreed担当であった訳ですが、マイルスバンドでの活動と並行して自身のアルバムを録音しています。メンバーはホーン奏者の実力が最も発揮されやすいワンホーン形式で、Wayne Shorter(ts), Herbie Hancock(p), Reggie Workman(b), Joe Chambers(ds)のカルテットです。A-1のタイトル曲も良いですが、何と言ってもマイルススマイルズでも取り上げられたB-1"Footprints"が聴きものでしょう。恐らくショーターの作品の中では、最も他奏者にとりあげられた機会の多い曲かも知れませんね。ショーターの力強いテナーサウンドも良いですが、やや冷徹にも感じさせるハービーのピアノの好サポートが光ります。さすが盟友ですね。
所有盤はリバティのステレオ盤です。年頭を飾るにはやや渋過ぎ、難解過ぎのきらいは否めませんが、Adam's Appleをもって2015年をスタートしたいと思います。蛇足ですが、Adam's Appleとは「のどぼとけ」のことです。皆さん、ご存知でした???