Good Old Zoot/Zoot Sims
(Status ST8280)
Statusはご存知のとおり,プレステッジ系の再発レーベルです。恐らく60年代のものが多いと思いますが,再発ながらこの分厚いビニルからは隆盛のレコード産業界が偲ばれますね。自分はいくつかこのStatusラベルのアルバムを所有していますが。本日は,スムーズなフレージングで国内外とわず人気の高いズート・シムズのStatus盤のアップです。ご存知の方が多いと思いますがオリジナルはNEW JAZZ盤です。ジャケットもほぼ同じですが,矢印型のS字がStatusの証しです。
2つのセッションのカプリング収録なのですが,お気に入りは54年7月のコンボ演奏です。メンバーはZoot Sims(ts), Stu Williamson(tp, vtb), Kenny Drew(p), Ralph Pena(b), Jimmy Pratt(ds)のクインテットです。とにかく,スムーズで無理のないズートのテナーが圧倒的です。同じくフロントをつとめるWilliamsonのラッパもなかなかの好演です。バルブトロンボンではブルックマイヤーかと思ってライナーノートを確認したところ、tpとvtbと両方やっていてびっくりです。ドリューの明快なタッチも聴きものです。演奏曲ではスタンダードは"What's New"だけですが,曲名関係なし。気持ちよく吹奏するズートのフレージングに耳を任せるだけで充分です。もう一方のセッションは,スモールビッグバンド風でやや編成が大きく,個人的にはこのクインテットの演奏が好きですね。特に,ズートとドリューが最高の出来ですね。
あまり話題になることがない一枚ですが,ズートファンのみならずドリューファンにも貴重な好演でありぜひ聴いて欲しい一枚ですね。