
YO HO!/Frank Wess
(Prestige 7266)
ベイシーバンド好きにはポピュラーかもしれませんが、フランク・ウェスというプレイヤーの作品はジャズの基本的コレクションにはまず登場する事はないでしょう。彼のプレイが悪い訳でも何でもないですが,テナーとフルートと言うマルチリードである事も災いしているのではないでしょうか。そもそも基本的コレクションの解説はトランペットは○○,テナーはXX、アルトは△△,ピアノは□□と楽器別にやってくるものだから,ドルフィ以外のマルチリード奏者はみんなアンダーレイテッドで紹介される機会は極端に少なくなるのです。多くの彼の作品は、中間派的でありリラクゼーションに満ちたアルバム群です。本日は,63年録音のプレステッジセッションをアップしてみます。
とにかくメンバーが渋いのです。Thad Jones(tp), Frank Wess(ts, fl)のベイシーバンドの盟友に加えリズムはGildo Mahones(p), Buddy Catlett(b), Roy Haynes(ds)という五重奏団です。有名なスタンダードはありませんが、A-1のブルース"Lizard"からリラックスしたブルースプレイを楽しめます。マホーネスのちょっと軽めだけどエリントン風のコードを駆使したピアノがいいですよ。B-2のバラード"Poor You"の美しいフルートがいいですよ。この2人がいいのですが,艶のあるオープンとミュートで応戦するサドがキラリと光るラッパを聴かしてくれます。