『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

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味噌力

2013年04月29日 20時15分28秒 | ソウルフード

放射能から身体を護る
「味噌」を食べよう!

以前、このブログでも紹介した医師の肥田舜太郎氏の話から始めます。肥田先生は自身も広島で被曝して、放射線障害で苦しむ人々を助けたいと発酵食品に着目し、健康指導を長年されておられます。94歳という高齢にもかかわらず今も講演などでご活躍です。ネット検索すれば、その講演を聞くことができるので、すでにご存じの方も多いかと思います。

さて、私が疑問に思っていたことがあります。肥田先生は当時、広島大学病院に勤務されていたそうですが、発酵食品で放射線障害から身体を護る研究を受け継ぐ研究者が、広島にいないのかということです。

で、私が知らないだけでした。つい先日、書店で「味噌力」(かんき出版)という本に出会いました。著者は、広島大学名誉教授、理学・医学博士の渡邊敦光氏です。本の帯に、「放射線、がん、高血圧、肥満・・・二十数年の実験・研究でわかった味噌の予防・治療的効果!」とありました。

広島大学放射能医学研究所の渡邊先生の専門は発生生物学で、1973年から放射線が生物に与える影響を研究されています。ラットやマウスに放射線を当て、消化器官、小腸の組織にどのような障害が起こるかなどを実験・観察するのです。その研究に、味噌が加わったのは、1989年からだそうです。研究所の上司、伊藤明弘氏から「味噌の研究」を手伝ってほしいと依頼されたのが発端でした。

伊藤先生は味噌の効力に着目していたのですが、渡邊氏は「味噌の研究に意味があるのか?」と思っていたといいます。ところが、研究を始めてみると、予想外の結果が現れました。放射線で障害を受けたマウスの小腸が味噌で再生するという結果が出たのです。

以来、味噌と細胞組織の研究に打ち込み、「味噌博士」となられました。その研究を簡単に紹介すると、マウスの餌に味噌入りと、ふつうの餌とに別け、放射線を当てて、その差異を観るのです。すると味噌入り餌のマウスの延命率が高いのです。さらに、同じ味噌でも、熟成度の高いものほどマウスの生存率が高まるそうです。180日熟成味噌の餌を食べたマウスの小腸細胞の再生率が高いという結果から、熟成した茶色い色素「メラノイジン」が関係していることがわかったそうです。

【これからは味噌頼み!】

●味噌は、小腸の細胞を再生させる効力を発揮する! 
●しかも、熟成度の高いものほど良い。
●1日に2~3杯の味噌汁を飲むことで、健康を維持増進できる。
●放射線に対しても、その効力が研究で証明されているのだから、放射能禍害を心配する人々にこそ、味噌生活を薦めたい。

ここで私は、「千島学説」を想起します。この学説は数十年前に岐阜大学の千島博士が発表した造血に関する論説です。「血液は骨髄で造られる」というのが定説となっています。しかし、千島学説は、血液は小腸で造られるとします。この学説は学会からはほぼ黙殺?されましたが、最近はこれに注目する人々もいます。

さて、血液が小腸で造られるとすると(私はそうではないかと感じる)、栄養素を運ぶ血液は、腸の働きが要になると考えられます。そこで「味噌力」の話に戻ると、マウスの実験で解るように、小腸の細胞再生を活性化させる「味噌」の力は、健康維持に欠かせない食品であると結論できるでしょう。

小腸の細胞再生→ 造血→ 身体づくり→ ヘルスアップ!

渡邊先生のマウス実験では、放射能の影響も軽減させるというのですから、原発事故による放射能禍害から身を守るためにも「味噌力」を利用しない手はないということです。

「毎日、味噌汁を2~3杯飲みましょう」と渡邊先生は提唱します。

「放射能にもとは、本当か?」という方もおられるでしょうが、ネットで調べればさらに細かい情報も得られるので、ご自分で納得するまでお調べいただき、ぜひ、味噌を食生活の中心にされてはいかがでしょうか。塩分過多を気にされる人もありますが、味噌で摂取する塩分は、それほど気にしないでも大丈夫だそうです。味噌には血圧を低下させる効果もあります。

いずれにせよ、無添加で天然塩の熟成味噌(米、麦、豆どれでも)で、最高のものを選べば、健康になるのだから、味噌にはサイフのひもをゆるめていいのではないかと思います。1000円出しても、安いものだと思います。

※本日、物色した味噌は青山のナチュラルハウスで購入したもの。「海の精・食養味噌」1kg1150円。木樽で二夏、熟成させた味噌です。今夜はこれでディップを作って野菜をたべることにします。

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