『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

墓参り

2009年09月22日 13時13分47秒 | 航海日誌
今週一週間は「お彼岸」です。年に2回、春分と秋分の日を中日として、その前後3日を合わせた7日間を彼岸会(ひがんえ)といい、お寺さんでは仏事をおこない、檀家さんはお墓参りをします。私も昨日、妻の実家のお墓参りに同行しました。郷里のお墓参りは、母を連れて妹が代参をしてくれました。実家の長男である私からすれば、妹に頼むことは代参となります。また、妻の実家の墓へのお参りは同行なのです。男子は男筋の家系が本流となり、女子は嫁いだ先を第1として、実家は第2にと考えます。日本の仏事の慣例です。

最近では、お墓参りの代行サービスもあるようです。遠方にいれば諸々の事情で行けない場合もあり、しかしお墓の掃除もせねばと気がかりです。赤の他人にお墓を任せるのも気が引けるけど・・・何より大切なのは、その気持ちを持ち、故人、先祖へ心を向けることです。事情で墓の前に行けなければ、ご自宅で祈ればよいと思います。思い出し、思いを寄せ、感謝する心を向ける場がお墓ですが、墓前でなくとも同様に心を向けた祈りは伝わると思います。

さて、先祖がいる彼岸とはどこのことか。向こう側の岸。つまり、あの世です。こちら側の岸は此岸(しがん)といいます。ですから、お墓参りとは、こちら側からあちら側へご挨拶をする行為ともいえます。そのご挨拶の中身は「こちら側で生かして頂いて、ありがとうございます」です。故人となられた方々、ご自分が繋がっている先祖さんたちへ向けての感謝の念を送るわけです。この「感謝想起」を基本とすると、生きている人間どうしで円滑に交流が叶うようになります。「有り難う」が、縁を繋ぐ感謝の言葉だと。お墓は、そのことを無言で教えてくれる先祖からの伝言板です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿