『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

今わかること

2011年12月24日 00時47分29秒 | 航海日誌
今回の事態で、今までずっと考えてきたことで理解できることがある。その問いは、人間心理から導き出される行動について、「正常時と異常時で人はどう変わるのか」である。

今の日本の状況は、異常時である。にもかかわらず、人々は何事もないかのようにして生きている。異常といっても、空気はうまし、食べ物がうまいし、酒もうまい。どこが異常なのか。

だが、放射能汚染はとまらない。いったん原子炉から放出された放射性物質は環境を汚染している。動植物の体内に侵入して放射線を出し、細胞や遺伝子に傷を付け続けている。

ところが、その実感がない。痛みがあればいいのにと思う。痛ければわかるからだ。しかし現状、忘れていれば忘れていられる。そして、大方の人がそうして生きている。これは、フクシマの被災地では顕著なのだそうだ。「放射能」というワードは禁句で、口にすることもできないという。地元ではパチンコ屋が大繁盛だそうだ。放射能の怖さを忘れ、パチンコに興じる刹那。それを否定も責めることも出来ない。

異常時に、人はどうなるのか。限界を超えればパニックに陥るが、その直前までは温和しくしている。ある人に、放射能の話をしたら、気分が悪くなるからやめてくれと怒られた。私としては大切な情報を伝えようと思ったのだが、余計なお節介だったらしい。人はそれぞれにその人の気分で生きているのだから、気分を害されたくないのだ。興味関心は人それぞれ。貝のように口をつむぐしかない。

まあ、私の周りで限っていえば、原発放射能問題やら、TPP問題やらをことあるたびに口にしている人間は、残念ながらこの私くらいのものだ。あなたみたいな人は1万人に1人くらいだと言われたことがあるが、つまり超マイノリティということである。自分では変人とは思っていないが、人からみればかなりの変わり者なのだろう。良心に従っているのだから、仕方がない。精一杯なのである。

そんな私に、もう一言だけいわせてください。

もう、書くよりもっと意味のあることをしたいと思います。もう、今年が終わります。


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