私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

遅ればせながら「無縁社会」

2010-04-04 | 2見る・読む・聴く
かねて噂に聞いていたNHKドキュメント「無縁社会」を、今日、再放送とその反響についての追跡版と併せて観た。

ネーミングは私好みではない。
しかし、社会の明らかな実態だと思う。

日本社会を形作ってきた家の制度が崩壊した結果、半世紀かけて顕わになった現実だ。

長男に家を継がせることで脈々と引き継いできた家制度が壊されて、自由に息づくことが出来るようになった一方で、頼りない脆い個々人が数限りなく社会に息づくことになったという訳だ。

そのうち、世代の大半が当てはまってくるよ。

おひとりさまは言うまでもなく、結婚を維持し、子も孫もいたって「世話をかけたくない」「夫と同じ墓に入りたくない」といった正直な声を抑えようもなくあちこちで耳にするのだから。

家長制度の縛りの厳しい時代に戻してしまおうって人は少数派のはずだし、終身雇用に裏付けられた安定経済の基盤が復活する芽もない。

江戸時代は、封建制度のピラミッドの底辺で、その日暮らしの豊かな町人文化もあった。
食いつめて、悪事に走らざるを得ない人も多かったようだけれど。

長子でなかった次男坊、三男坊は、冷飯ぐらいで、生きる術を求めるのに苦労したわけだし、その自由な身の上に可能性が開けたりもした訳で。

ただ、社会の基盤として、現代社会の実態は、あまりにも危ういというのも確かな現実だよね。
コメント
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