いつだったかテレビの歌番組で、すぎもとまさとの「吾亦紅(われもこう)」という曲を聞く
機会がありました。不義理をした息子が母親の墓参りをする歌なのですが、絞り出すような声
と、身につまされる詩とメロディーに、心を揺さぶられるものを感じました。
(敬称略)すぎもとまさとの作曲した歌は、人生の終盤を迎えた夫婦とか、連れ合いを亡くし
た悲哀を語っています。ネットで拾っただけでも、20や30ではありません。またそのマイ
ナーな曲調が、これでどうだというぐらいに斬新なのです。突飛なメロディーではないのに、
インパクトのあるその旋律は、久しぶりにしんみりと、じっくりと聞ける歌だと感じました。
いろいろな曲の中でも、最も自分の事のように身近に感じたのは「つつがなく」でした。また
「ありふれた人生だけど」も好きな歌です。人に聞かせるでもなく、口ずさんでみたいですね。
それ以外で、私のお気に入りは「黄昏シネマ」「花のように鳥のように」「冬茜」「忍冬(すいかずら)」「置手紙」「くぬぎ」
「鮨屋で・・・」「惚れた女が死んだ夜は」などです。特にちあきなおみが歌う「紅い花」と「冬隣」は絶品で、心に沁み渡ります。
部屋の隅にあるケースに入ったままのギターを、何年かぶりに取出して、引いてみようかなあ、指がちゃんと動くかしら。ふふふ