杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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今週のNEJMいろいろ

2006年09月17日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
今週のNEJMで目を引いたのは
http://content.nejm.org/cgi/content/short/355/11/1154
のEchinocandins for Candidemia in Adults without Neutropeniaでしたが、
我々の実際の臨床で使うMicafunginについての記載は少なかった。
しかしステントで使用されるsirolimusや降圧薬のnifedipineにより
21%, 18%のAUCが増加する可能性があるとのこと。
臨床的に大事だと思った点は、MicafunginはCryptococcus neoformansや
trichosporon speciesに関しては活性がないこと。
カテーテルを介した血液培養でのカンジダ陽性はcontaminationの可能性が
高いこと、カンジダはカテーテルにbiofilmを形成しやすい。
血液培養陰性のカテーテル培養陽性例は治療の対象にはならないこと
基本的な治療期間は最後の血液培養陰性確認から2週間
治療にも関わらず、カンジダが出まくっている場合には、、
カテーテル感染を疑いこれを抜去、endocarditis, septic thrombophlebitis
を考えることが大事である
一方、Candin系単剤での使用を控えるべき状況は、、
*candida endocarditis, meningitis, osteomyelitis,
endophthalmitis, and brain abscessesなどのようである
まだ治療効果が不明であるので、、
Candin系は3剤とも妊婦さんにはカテゴリーCである
といったところです。

もうひとつ、http://content.nejm.org/cgi/content/short/355/11/1161
には、MGH case recordsですが、両側腎癌の症例が出ています。
片方の腎摘出患者が、もう片方に腎癌ができた場合、どうするか?
治療することで、透析になったりQOLを落としかねない状況で
この症例が選択したのはradiofrequency ablationでした。


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3 コメント

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Mucafungin (Kanpo-Master)
2006-09-18 10:00:35
足洗おかさん、ID conferenceの管理人さん(サイトが充実してますね、勉強になります)コメントありがとうございます。

確かに、ファンガードでのbreakthroughが問題になるこのごろ、、安全性に関しては信頼がある薬だと思っていますが、、

あとNEJMの症例はたしかにPCGでいいかも、、

と僕も思いましたが、
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Trichosporon Breakthrough Infection (ID-Conference管理人)
2006-09-17 23:48:54
Kanpo-Master様

Micafungin(ファンガード)使用中のトリコスポロン感染が少し前から話題になっています.亀田総合病院の血液内科が4例の報告を今年3月のCIDに出してました.当院でもその頃に1例経験しました.その症例は,もともと尿からトリコスポロンが出ていたのですが,その後,敗血症を来たし,亡くなられました.アンホテリシンBを使いましたが,後の祭りでした.抗真菌薬の選択肢が増えつつある今,適正使用が重要ですね.

あと,↑の症例,S.anginosus and S.constellatusなら,PCGでOKでは??とNEJMに文句を言ってもしょうがないですが...しかもImagesだし,コーナーが違うか.
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今週のNEJM その2 (足洗おか)
2006-09-17 20:31:34
Images in clinical medicine も目をひきました。きれいな頸静脈怒張がのっていました。結論は膿胸で24Fr chest tube挿入し、Streptococcus anginosus and S. constellatus が検出されたようです。ceftriaxone と clindamycin 投与で完全回復!
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