杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

当教室への連絡をいつでもお待ちしております.
23c2230@mail.goo.ne.jp
入局,大歓迎です!

アレルギーパート II (Food allergy in childfood)

2006年10月02日 | Kanpo-Master の部屋
   Kanpo-Masterです
http://www.mja.com.au/public/issues/185_07_021006/all10609_fm.html

上記では、子供のfood allergyについて書かれています。
ここでもIgE-mediateかnon IgE-mediateかということで
まず食物アレルギーを分類し、IgE-mediateな場合は
それを避け、Skin prick testで(Negative predictive valueが高い)
アレルギー検査をしてみる、といったことにも触れられています。
子供の5大食物アレルギーは卵白、牛乳、大豆、米、小麦だと
昔小児科で習いましたが、これらのうち(米については記載なし)、
卵白、牛乳、大豆、小麦は小学生になるまでtolerenceを獲得できるようです。
ですが、木の実やピーナッツ、甲殻類などは生涯続くことが多いようです。
喘息の治療薬の抗IgE抗体(omalizumab)がピーナッツアレルギーの
閾値を上げた(半分→9個まで)という報告もあるそうです
[NEJM 2003;348:986-993]
興味深かったのは、母乳のみで育てると早期の喘息への進展や
2歳までのアトピー性皮膚炎のリスクを減らすようだ、という記載があること。
またオーストラリアで食物アレルギーが増えたのは幼少期に感染や
microbial products(endotoxinなど)への暴露が減ったことで
免疫の制御機構の発達が阻害され、無害な抗原に対して反応してしまう、
という説もあるようです[Proc Nutr Soc 2005;64:451-457]

Currently there is no evidence for the protective role of material
elimination diets during pregnancy.という一文が印象的です。
以前、金スマという番組である女優さんが妊娠中に異常に食物に
気をつけていたが、生まれた子供は重度の食物アレルギー
(+重度のアトピー)であった、ということを思い出しました。
[Med J Aust 2005;182:464-467]