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デューラーの名作「博士たちと議論するキリスト」(1506年頃)
ティッセン=ボルネミッサ美術館
アルブレヒト・デューラーは「手」を描くととても上手い。もちろんデューラーだから何を描いても上手いのだが、特に「手」が上手い。
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この「博士たちと議論するキリスト」は「手」が絵の中心に描かれている。若きキリストの手とユダヤの老博士の手。とても面白い構図だ。
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この絵の物語は聖書からのエピソード。まだ若いキリストがユダヤの老博士たちと神学に関する高度な議論を交わしている様子、キリストの神の子としての知恵を示すエピソード。キリスト教史上とても重要な出来事であるらしい。
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それまでの宗教画は「神」が絵の「中心」に描かれるのが普通だった、でもこの絵の中心にはキリストではなく「手」が描かれている、若きキリストは少しハニカミながら他のユダヤの老博士たちと同様に絵の縁に描かれている。
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この頃から宗教画を描きながらも画家たちの描くテーマが変化していく時代になる。
キリストを描きながらも「神」は絵の「中心」には存在しない、それまでの神の賛美のための宗教画から絵画の新しい表現が自立していく時代の面白い構図です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/0c/c96887262e20e81331574131dfc2267f.jpg)
それにしてもデューラーは「手」がとても上手い。
この絵のための手だけの素描も残っている。
私は学生の頃、写真を見ながら模写をしてみましたが上手く描けなかった。
「なかなかこうはいきません」