ひとつき位前なのだが、テレビで豊川悦司が太宰治を演じるドラマをやっていて、それを観たら久しぶりに『人間失格』が読みたくなった。
この本は今まで生きてきて、10代、20代、30代、40代とそれぞれの年代に少なくとも1回は読んでいるはずなのだが、年をとるにつれてちょっとずつこの作品に対する印象が変わってきている。
10代のころ。読んだことは読んだが、どんな感想を持ったかもちょっと思い出せない。多分、あまり印象に残らない本で、宿題か何かでしかたなく読んだのだろう。
20代のころ。暗いな、とは思ったけれど、大学の友人の可愛くておしゃれですごく女の子らしい女の子が「これ、とっても暗くてついて行けないわ~。読んでて気分が悪くなっちゃった・・・」と言っているのを聞いて、私はそこまで違和感は感じないけどな、と思っていた。
30代のころ。太宰って正直な人なんだなぁ、なんか分かる気がする、と思いながら読んでいた。
今回読み直して、太宰の気持ちが手にとるように良く分かる、というほどでもないが、なんだかすごく人間的なものを感じたり、自分との共通点を見出したりして、正直言ってかなり感動した。
もうほとんど遺書のような扱いを受けている作品だが、たしかにこれを書いてすっかり安心して、気が楽になって、やるべきことはすべてやった、というような雰囲気が感じられる。
戦時中には良書というものしか書くことが許されず、それはとりもなおさず太宰の幼い頃からの「良い子のように自分を演じる」という生き方にも似ていて、本当の自分はこんなものです、もう無理をするのは疲れました、そんな太宰のつぶやきが聞こえてきそうである。
トヨエツの演じる太宰は、なんだかしらないけどいっつも女が近くによってくる、色男の文学者、という雰囲気はよく出ていたけれど、トヨエツ自体がカッコよすぎて安定感がありすぎてなににも動じない、という雰囲気なので、気が弱くて精神的に不安定ですごく泣き虫だったんじゃないかな、という太宰の一面はあんまり感じられなかった。
この本は今まで生きてきて、10代、20代、30代、40代とそれぞれの年代に少なくとも1回は読んでいるはずなのだが、年をとるにつれてちょっとずつこの作品に対する印象が変わってきている。
10代のころ。読んだことは読んだが、どんな感想を持ったかもちょっと思い出せない。多分、あまり印象に残らない本で、宿題か何かでしかたなく読んだのだろう。
20代のころ。暗いな、とは思ったけれど、大学の友人の可愛くておしゃれですごく女の子らしい女の子が「これ、とっても暗くてついて行けないわ~。読んでて気分が悪くなっちゃった・・・」と言っているのを聞いて、私はそこまで違和感は感じないけどな、と思っていた。
30代のころ。太宰って正直な人なんだなぁ、なんか分かる気がする、と思いながら読んでいた。
今回読み直して、太宰の気持ちが手にとるように良く分かる、というほどでもないが、なんだかすごく人間的なものを感じたり、自分との共通点を見出したりして、正直言ってかなり感動した。
もうほとんど遺書のような扱いを受けている作品だが、たしかにこれを書いてすっかり安心して、気が楽になって、やるべきことはすべてやった、というような雰囲気が感じられる。
戦時中には良書というものしか書くことが許されず、それはとりもなおさず太宰の幼い頃からの「良い子のように自分を演じる」という生き方にも似ていて、本当の自分はこんなものです、もう無理をするのは疲れました、そんな太宰のつぶやきが聞こえてきそうである。
トヨエツの演じる太宰は、なんだかしらないけどいっつも女が近くによってくる、色男の文学者、という雰囲気はよく出ていたけれど、トヨエツ自体がカッコよすぎて安定感がありすぎてなににも動じない、という雰囲気なので、気が弱くて精神的に不安定ですごく泣き虫だったんじゃないかな、という太宰の一面はあんまり感じられなかった。