ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『ローズ・イン・タイドランド』

2006-09-10 00:23:42 | 映画
新宿武蔵野館にて。

『ブラザーズ・グリム』が珍しく商業的に当たったテリー・ギリアムが描く、現代版不思議の国のアリス。主役ローズの女の子がカワイイ。演技も良くできてる。ただ、見終わった時、感情をどこに置けばいいのか、解らない自分がいた。

ヤク漬けのパパと自己中のママ。発作でママが死んで、今は亡きおばあちゃんの家へ引っ越すことに。ヤバい環境から精神的に逃れるためなのか、ローズの想像力(というか妄想力)に長けている。頭だけのバービー人形やリスと会話できるし、パパが「バケーション」がたまたま長いだけと本気で信じてるし。

フロイト先生に診断書を書かせれば、ものすごい量になりそうなシーンのオンパレード。妙にセクシーなローズと性的倒錯のあるディケンズ(彼はてんかんだという設定らしい)。死の誘惑と、対称的に死への畏れ。生命の復活を待望する人。ギリアムが「これはラブストーリーだ」と言ってしまえば、そうなのだろうけれど、笑っているうち、空恐ろしさに気づいてしまって。ラストの「巨大ザメ」を倒したところで強烈に現実に引き戻される。想像と現実のギャップが素晴らしいほど激しい。

こんなに困った映画は初めて。